０８年度Ｋ−１無差別級の最強王者決定戦「Ｋ−１ワールドＧＰ２００８ファイナル（６日・横浜Ａ）」は決勝こそバダ・ハリの反則失格で不完全燃焼となったものの、開幕戦から準決勝まで見事な強さを発揮したレミー・ボンヤスキーの優勝で幕を閉じた。

　０３年、０４年のワールドＧＰを連覇を経た後、１度は不振へと落ち込むも０８年は完全復活。決勝シリーズへ至るまでのワンマッチではメルヴィン・マヌーフ、ヴォルク・アターエフの難敵を盤石の強さで蹴散らし、スランプからの脱却と王座戦線への復帰を強く印象付けていたレミーは、戦前予想に違わぬ強さをみせＫ−１の頂点へふたたび駆け上がった。

　ＧＰから一夜明けた翌日のレミーに、強く丈夫な体づくりの秘けつや今後の目標について聞いた。

──今日（７日）は１日中ずっと取材続き（１１時から一夜明け会見、２０時からインタビュー収録）ですか？

　ああ、そうだよ。とても長い１日だ。まるで昨日から寝ていないような気分だよ（笑）。

──昨晩はどのようにお過ごしを？

　出かけることもなく、ガールフレンドと一緒に部屋ですぐに眠ってしまったよ。

──お酒も飲まずに？

　ああ、私は普段からお酒は飲まないんだ。

──そうなんですか。では、この後どのように過ごされる予定ですか？　練習はいつごろから再開を？

　トレーナーの顔色をうかがいながらなんだけど……できれば少し休みたいね（笑）。トレーナーの気分次第では帰国後すぐに練習再開になるかもね。

──もし休暇が取れたとしたら、出かけたい場所は？

　オランダは少し寒いので、太陽の輝く暖かい場所がいいかな。

──一夜明け会見では「Ｄｙｎａｍｉｔｅ!!（３１日・さいたまＳＡ）」への出場も前向きな印象を受けました。今も傷のないきれいな顔をしていますが、ダメージはありませんか？

「Ｄｙｎａｍｉｔｅ!!」ね……。やっぱりどうしても「戦え」と言うつもりかい（笑）。
　ダメージはないし、すぐにでも試合をできる状況だよ。正直に言うと、少し休みたい気持ちもあるけどね（笑）。

──ワールドＧＰ準決勝のグーカン・サキ戦について教えていただきたいのですが、フィニッシュは跳び蹴りがサキ選手のわき腹を捕らえたような格好でした。ＶＴＲでは、あの技の強さが分かりづらかったのですが、手ごたえは感じましたか？

　あれはすねの部分が当たったんだ。十分な助走もあったので、かなりの勢いが加わっていたと思う。サキ選手が立てなかったことで分かると思うけど、強い衝撃があったよ。骨折はしていなかもしれないが、打撲のような症状が残っているんじゃないかな。

──なるほど。では０９年の予定についてお聞きします。例年通りですと、ワンマッチを２〜３試合程度＋ワールドＧＰという日程で試合をしていらっしゃいましたが、０９年も同様の試合数をする予定ですか？

　そうだね。同じくらいの試合数をする予定だよ。

──そうですか。ところでレミー選手は今オランダにお住まいですか？

　そうだよ。オランダに住んで、オランダでトレーニングをして、税金もオランダに納めているよ。

──オランダではセーム・シュルト選手も有名だと思いますが、今回の優勝で立場を逆転することはできたでしょうか。

　知名度については分からないが、ファンによる試合内容への評価は私のほうが支持を得ているよ。「最近のＫ−１はつまらないね」と言われてしまう原因のひとつにはセームの試合内容のせいもあるだろう。
　しかし今は私が王者になったのだから、オランダに限らず世界中でＫ−１が人気のスポーツとなるようにがんばっていくつもりだよ。

──現在Ｋ−１ではスーパーヘビー級（１００キロ以上）とヘビー級（９９キロ以下）のワンマッチ王座が制定されています。このタイトルに興味はありますか？

　興味がないわけではないが、歴史も浅いし、今のところあまり興味をみいだせないな。
　Ｋ−１の頂点、１番価値があるのはワールドＧＰの王座だろう。Ｋ−１に取り組む全選手が目指す、最高のタイトルさ。

──レミー選手はあまり故障の話も聞きませんし、長く選手をやっていらっしゃる割りにすごく丈夫で頑丈な印象があります。何か秘けつはあるのでしょうか？

　体調管理にはとても気を使っているよ。私はお酒を飲まないし、たばこも吸わない。食事にも気を使っているよ。さまざまなジャンルの専門家からアドバイスも受けて実行している。
　それに、試合ではしっかりとガードを上げて頭を打たれないようにしているよ。無駄な攻撃を受けないようにね。

──普段はどういう食生活をしているのですか？

　全般的にバランスよく食べるようにしているよ。野菜もたくさん食べるしね。肉料理なら鶏肉を食べることが多いね。豚肉は食べないし、牛肉はたまにしか食べない。
　あと、ファストフードやジャンクフードと呼ばれるようなものはほとんど食べないね。

──鶏肉をよく食べるのは栄養価が高いからですか？

　脂肪分が少ないという理由もあるけど、自然と鶏肉が好きなんだよね。

──レミー選手は今後の目標を“５タイムスチャンピオン”と話していらっしゃいました。現役生活はいつごろまでと考えていますか？　また引退後はどのように過ごそうとお考えですか？

　漠然とだけど、現役選手でいるのは３５〜３６歳ごろまでかな。その時になってみないと分からないけどね。
　引退後はいとこと経営している「ボンボンエンターテインメント」というイベント会社を大きくしていこうと思っているよ。

──今後ますますの活躍に期待しています。ありがとうございました。

■Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　ＦＩＮＡＬ
１２月６日（土）　神奈川・横浜アリーナ

＜第９試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　決勝　３分３Ｒ延長２Ｒ＞
●バダ・ハリ
（２Ｒ０分５３秒　反則失格）
○レミー・ボンヤスキー
※レミーが４年ぶり３度目の世界王者に

＜第８試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　準決勝（２）　３分３Ｒ延長１Ｒ＞
●グーカン・サキ
（２Ｒ０分５３秒　ＫＯ）
○レミー・ボンヤスキー

＜第７試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　準決勝（１）　３分３Ｒ延長１Ｒ＞
○バダ・ハリ
（３Ｒ２分１５秒　ＫＯ）
●エロール・ジマーマン

＜第６試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８リザーブファイト　３分３Ｒ延長２Ｒ＞
●ポール・スロウィンスキー（オーストラリア／チーム ミスターパーフェクト）
（１Ｒ２分２６秒　ＫＯ）
○メルヴィン・マヌーフ（オランダ／マイクス ジム）

＜第５試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８リザーブファイト　３分３Ｒ延長２Ｒ＞
●チェ・ホンマン（韓国／フリー））
（３Ｒ判定３−０　２７−３０、２８−３０、２８−３０）
○レイ・セフォー（ニュージーランド／レイ・セフォー ファイトアカデミー）

＜第４試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　ＦＩＮＡＬ８（４）　３分３Ｒ延長１Ｒ＞
○レミー・ボンヤスキー（オランダ／チーム ボンヤスキー）
（３Ｒ１分４６秒　ＴＫＯ）
●ジェロム・レ・バンナ（フランス／Ｌｅ　Ｂａｎｎｅｒ　Ｘ　ｔｒｅａｍ　ｔｅａｍ）

＜第３試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　ＦＩＮＡＬ８（３）　３分３Ｒ延長１Ｒ＞
○グーカン・サキ（トルコ／チーム・レベル）
（３Ｒ判定３−０　３０−２８、３０−２７、２９−２８）
●ルスラン・カラエフ（ロシア／フリー）

＜第２試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　ＦＩＮＡＬ８（２）　３分３Ｒ延長１Ｒ＞
○エロール・ジマーマン（スリナム／ゴールデン・グローリー）
（３Ｒ判定２−０　２７−２７、２９−２７、２８−２７）
●エヴェルトン・テイシェイラ（ブラジル／極真会館）

＜第１試合　Ｋ−１　ＷＯＲＬＤ　ＧＰ　２００８　ＦＩＮＡＬ８（１）　３分３Ｒ延長１Ｒ＞
●ピーター・アーツ（オランダ／チームアーツ）
（２Ｒ１分３９秒　ＴＫＯ）
○バダ・ハリ（モロッコ／ショータイム）

＜オープニングファイト（２）Ｋ−１ルール　３分３Ｒ＞
○野田　貢（日本／シルバーアックス）
（２Ｒ２分４９秒　ＫＯ）
●高萩ツトム（日本／チームドラゴン）

＜オープニングファイト（１）Ｋ−１ルール　３分３Ｒ＞
●タケル（日本／正道会館）
（３Ｒ判定０−３　２７−３０、２７−３０、２７−３０）
○洪太星（日本／極真会館）