日本、カザフスタン破って望みつなぐ=バレー女子ワールドGP選手コメント

田中夕子

カザフスタンに快勝して喜ぶ日本チーム=大阪市中央体育館 【共同】

 女子バレーボールの国際大会「ワールドグランプリ」大阪大会第1日は17日、大阪・大阪市中央体育館で行われた。ここまで3勝3敗の日本は、初戦で対戦したカザフスタンに対し、高橋みゆき(NEC)をライトからレフトへ、木村沙織(東レ)をレフトからライトへと新たなフォーメーションで臨み、序盤から試合を優勢に運んだ。
 第3セットには、主砲・栗原恵(パイオニア)がプレー中のケガで途中退場したが、今大会初出場の小山修加(久光製薬)、杉山祥子(NEC)がともに活躍し、3−0(25−20、25−22、25−19)の快勝で4勝3敗とし、決勝リーグ進出への望みをつなげた。
 以下は、選手・監督のコメント。
■竹下佳江主将「課題を整理して明日以降も戦いたい」

 フォーメーションを変えて臨む初戦だったが、サイドの速い攻撃がいいリズムで戦うことができた。だが、コミュニケーションの面や(セッターである)私とのコンビネーションの部分ではまだ課題が残る部分がある。すぐに修正するのは難しいかもしれないが、明日も試合なので、まずは自分の頭のなかできっちり整理して、組み立ての面でもいい戦いができるように、明日以降もきっちり頑張りたい。


■高橋みゆき「レフトでも自分の仕事は変わらない」

 全体のフォーメーション、自分自身のポジションが変わったが、自分の仕事はどこに入っても変わらないので、これからもしっかりやっていきたいと思う。連続失点など、防げるミスもたくさんあったので、その部分はしっかり詰めていきたい。ここ2〜3年はレフトのポジションだったので、(今日の試合で)レフトに戻ったことに関してあまり変化はない。ライトのポジションも、4年前のワールドカップで経験しているので、それほど違和感はなく、自分としてはどちらでもいい。


■杉山祥子「ユニホームの重みをあらためて感じた」

 試合勘がなかったので、不安や緊張感がいつも以上にあった。ブランクがあると、力を発揮するために必要な気持ちや集中力を高めることが、コンスタントに出ているよりも大変だと思った。明日、明後日の試合こそブロックが重要になってくると思うので、得点につながるブロックだけでなく、ワンタッチを取ることや、コースを絞ることも含め、目に見えない1点でもチームに貢献していきたい。ユニホームを着るということがいつの間にか当たり前になっていたので、ユニホームを着ることは素晴らしいことであり、みんなに応援してもらってコートに立てることは誰にでもできることではないのだと思った。ユニホームを着ているのと、着ていないのでは100と0ほど違う。(ベンチから外れた期間は)少しきつかったけれど、これも一つの経験だと思っていた。


■小山修加「いつでも出られる準備はできていた」

 (栗原の左足負傷で)急きょ呼ばれたときも、自分は思いきりやればいいと思ってコートに入った。久しぶりに出してもらったことで緊張してしまった部分もあったので、もっと大きな声を出して、大きく喜べばよかったというのが今日の反省点。いつでも出られるように毎日練習して準備をしているので、明日の試合に出ても問題はないと思う。相手がどうこうではなく、自分たちのバレーをうまくできれば負ける相手ではないと思うので、明日も自分にできることを頑張りたい。なかなか出番がなかった悔しさや、今まで自分のなかにたまっていたものがあるので、自分を信じて、出番があれば精一杯頑張りたい。


■柳本晶一監督「フォーメーション変更が狙いどおりに機能した」

(大会を)2週戦った状態から判断して、高橋をライトからレフトにしてサイドの攻撃に変化を持たせたいと思い、フォーメーションを変えた。(身長の低い)高橋、竹下が前衛で並ぶ場面は心配だったが、ブロック力で少々リスクを背負っても1本で切っていこうということを課題に挙げて臨んだ。結果としてすべて1本で攻撃を切ることができたし、木村はマルチタイプの選手で、さまざまな場所からの攻撃でリズムをつかみ、パフォーマンスを高める選手だと理解しているので、このねらいはよかったと思う。
(栗原のケガについては)今の状況で判断する限りでは、まだそれほど腫れているわけではないので、今晩の症状を見てから、明日の起用をどうするかも含めて考えていきたい。
(3セット目の交代について)今年はミドル線の選手を多く選抜しているが、それぞれ個々の力を持った選手が多いので、どこで試していくか。今日の流れでは3セット目がその場面だったので(多治見、杉山を)使った。評価はこれからすることであり、もっとコンビを練り上げていけばさらに高いパフォーマンスをしてくれる選手たちだと思っている。

<了>
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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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