身長「159cm」のセッター竹下佳江=バレーボールW杯 直前コラム(1)
スポーツナビでは、大会開幕まで全10回にわたり、男女日本代表(候補)を紹介していく。第1回は女子主将の竹下佳江(JT)。主将とセッターという、重要な役割を担う彼女の土台をつくるものとは――。
主将としてセッターとして、チームを引っ張る竹下 【坂本清】
「竹下のトスワークは世界一だ」
2005年から全日本のキャプテンに就任し、昨秋の世界選手権では最優秀セッターに加え、最優秀選手賞にも輝いた。
それでも、ただ1つ欠けるとされる「高さ」を補うために、誰よりもブロック練習に時間を費やす。全日本女子の柳本晶一監督も、そんな竹下の姿勢を「もうやめろと言っても、いつまでもブロック練習をしている。あのガッツと努力は、チームでも比べるものがいないほど秀でている」と評する。
試合に敗れた後は、厳しい言葉でチームを評し、自らのトスワークに対しても課題ばかりを口にする。叱咤(しった)するのは他ばかりでなく、最も厳しく接するのは自分自身。全日本で長い時間をともに過ごす、杉山祥子(NEC)がかつて「竹下の存在」についてこう言ったことがある。
「チームの全員がテンさん(竹下)の動きを日ごろの生活から見ている。この人がこうしているなら、私たちも続かなきゃと思わせてくれる人」
今秋開幕のワールドカップでは、3位以内に入れば北京五輪出場が決まる。出場切符を逃したシドニー五輪、本大会でのベスト8入りにも悔し涙を流したアテネ五輪から続く三度目の挑戦。
もう悔しさはいらない。
冷静に正確に、そして着実に。キャプテン竹下が、北京への切符を手繰り寄せる。
<了>
※第2回は男子主将の荻野正二。10月23日(火)掲載予定です。
- 前へ
- 1
- 次へ
1/1ページ