バレーボール日本代表・女子コメント=W杯ペルー戦

田中夕子
 上位3チームに北京五輪出場権が与えられるバレーボールのワールドカップ(W杯)女子大会第5日が9日、札幌・きたえーるなどで行われ、日本は3−1でペルーを破り、通算成績を4勝2敗とした。
 以下は、監督・選手のコメント。

スパイクを打ち込む栗原 【坂本清】

■栗原恵「内容が悪すぎる」

 勝ちは勝ちだが、内容が悪すぎるので、早く修正して明日の試合につなげたい。3セット目はペルーが良かったというよりも、こちらの問題で取られた。トップの選手ばかりが集まっているので、気持ちの切り替えはできている。今日悪かったことをしっかり反省して、明日のポーランド戦に臨みたい。


■荒木絵里香「良かったのは勝ったことだけ」

 調子は良くはなかったが、良くないなりにプレーできたと思う。イタリア戦がああいう形だったこともあって、テンさん(竹下)が自分を生かしてくれようとしているのが分かった。何とか自分も応えたかったがブロックにかかることも多く、明日のポーランド戦はこのままではいけないと思う。
 調子が良かった後は試合を見ないが、イタリア戦はアナリスト(分析家)と話しながら全部見た。スパイクの入りが遅くなり、ネットに近づきすぎてしまうので(イタリア戦では)全部が悪循環になってしまった。1、2セットを取ってホッとしてしまった部分もあり、3セット目は流れがガラッと変わってしまった。もう一度締めなければならないところで、セットの入りが悪かったためにああいうゲームになってしまった。自分が前衛にいる出だしからつまずいたので、情けないししっかりしなければならないと思った。良かったのは勝ったことだけ。
 1セット1セットのスタートを意識して、全力でやるべきだったのに3セット目の入りが悪かったので、次につながらないゲームになってしまった。もう一度気持ちを入れ直して、思いきってやっていくしかないので、細かいことを考えずに頑張りたい。

速攻を封じられてペースを奪われたと話した木村 【坂本清】

■木村沙織「連続失点は自分たちのミスが原因」

 1、2セット目はこちらのコンビにペルーのブロックが付いて来られなかったので、ノーマークや1枚で打つことができた。3セット目からは、相手が速攻に対してブロックに付いてきたあたりからガタガタしてしまったと思う。
 途中で出てきた9番(トリスタン)の選手にサーブで連続得点されたのも、自分たちのミスが原因だった。途中でミスが多くなり、足がピタっと止まってしまったが、4セット目は初めからやり直そうとしっかり集中して戦い切れたことが良かったと思う。
 相手のブロックが付いていないところでスパイクを決めるのは当たり前なので、自分の調子もイマイチ良くない。ピリっとしない。ポーランドはブロックが高く、そろっているので、そのブロックをこちらが使って、できるだけ相手をイライラさせられるようなプレーができればいいと思う。集中して頑張りたい。


■大山加奈「ブロックは良いが、スパイクが中途半端だった」

 自分が入ることによって、まずブロックというのが大きな役割になってくると思うので、ブロックで点数を取りたかった。(ブロックで)1点を取れたことは良かったが、スパイクは中途半端だったと反省している。少ししかコートに立っていないが、チームとして戦うなかで「こうしなければならない」という点がたくさんあると思うので、しっかり反省して頑張りたい。

勝ったものの、セットを失う反省点が残った柳本ジャパン 【坂本清】

■柳本晶一監督「足が止まって淡白なバレーになった」

 相手チーム云々(うんぬん)よりも自分たちがゲームを作らなければならなかった。10分間のタイムアウトの後、3セット目にああいう入り方をしてしまったということで、結果的にセットを取られたことを反省しなければならないのではないかと思う。
 レセプションからの攻めや、ブロックとレシーブの関係はできていたと思う。でも日本のバレーはそれだけではなく、返ってくるボールを切り返す、それをつないで点にしていくことを動きのなかで行っていかなければリズムは取れない。数字に表せることではないが、足が止まってしまって淡白なバレーをしてしまった。数字以外のメンタル的な部分が大きかったのではないか。札幌3連戦のなかで明日がヤマだと考えているので、明日勝ちにいくことがわれわれにとって意味があると思う。


■竹下佳江「内容がある戦いをしたい」

 今日の試合は1、2セット目がどうこうというよりも、3セット目が反省点なので引き締めて明日に臨みたい。イタリア戦を終えてから確認したのは、まず気持ちを切り替えること。自分たちがやろうとすることを明確にして、一人一人が意識していこうということ。当たり前のことを当たり前にできるように、プレー面からもう一度確認しようと話し合った。明日はもっとブロックが高く、パワーもあるチームなので、内容がある戦いをしていきたい。

<了>
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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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