ホークスの低迷は「2人目の打者」が原因!?=鷹詞〜たかことば〜
クライマックスシリーズへの自力進出が消滅
見るも無残なこの数字。福岡ソフトバンクが「勝負の9月」で大きくつまずいている。18日には、ついにクライマックスシリーズへの自力進出も消えてしまった。
17日のオリックス戦(スカイマーク)は劇的な勝ち方だった。0対2で迎えた9回表、2死まで追い込まれながら田上秀則のタイムリー内野安打と本多雄一の3ランで見事な大逆転を演じた。盛り上がるホークスナイン。王貞治監督も「やっぱり勝つしかない。こうやって勝つと選手たちもやりがいがある。遠回りしたけど大きかった」と1週間ぶりの勝利を喜んだ。
しかし、18日の試合は完敗。千葉ロッテ、オリックスと続いたビジター6連戦での勝利は1勝のみだった。
この低迷……。振り返ってみると、決して大敗続きではない。9月の11敗の内訳をみると1点差での負けが4試合、2点差が2試合。半分以上が「接戦を落としている」のである。惜しいといえばそれまでだが、だからこそタチが悪い。
ひとことで言えば「勝つ野球」ができていない。その象徴を追い求めてたどり着いたのは、何と勝利した17日の試合だった。勝負事だから勝てばうれしいが、その中で見落としがちな「反省点」にあえて目を向けた。
ヒットは出るが、勝利につながらないホークス
これは結果論だ。得点機では相手投手も打たせまいと必死になり、配球なども変わってくるからだ。しかし、それを打ち崩せないのならば、残念ながら打者の力量を問わなければならない。そして、今の打線で気になるのは、チャンスメークすらも打者の力量任せになっている点だ。その結果、ノーアウトからの走者を生かせていない。
野球において得点するには本塁打を放つのが一番の近道だが、簡単に望めるものではない。ならば得点圏に走者を置いてヒットを打つことが次に挙げられる。ただ、3割の確率でヒットを打てば一流と言われるのが打者。何本も連打が続くことは期待薄である。効率よく点を取るための結論。それは、ヒット以外で走者を得点圏に進めることだ。バント、進塁打、四球などその方法はさまざまだ。
では、福岡ソフトバンクはどうだろうか。13日から18日までのビジター6連戦で、先頭打者が出塁したイニングの「2人目の打者」の結果を並べてみた。
9月13日 ●ソ 6 − 9 ロ○
3回 森本=捕犠打(その後得点)
6回 松中=左安打(その後得点)
7回 多村=中安打
9月14日 ●ソ 5 − 9 ロ○
5回 小斉=右飛(その後得点)
7回 松中=三振
9回 松中=三飛
9月15日 ●ソ 7 − 8 ロ○
3回 松中=遊ゴロ
4回 小斉=左二塁打(その後得点)
6回 田上=遊併殺打
8回 本多=三安打(その後得点)
9月16日 ●ソ 1 − 4 オ○
イニングの先頭打者出塁なし
9月17日 ○ソ 4 − 2 オ●
1回 森本=投犠打
2回 柴原=三振
3回 森本=三振
4回 大村=二併殺打
5回 本多=中飛
9月18日 ●ソ 1 − 7 オ○
6回 森本=右飛(その後得点)
7回 柴原=二飛
8回 森本=中飛
「2人目の打者」が機能していない
そして、17日のオリックス戦である。この試合は初回から5回までずっと先頭打者の出塁に成功した。しかし、2回以降は1度の進塁打もなく、この間に得点を奪うことはできなかった。劇的な決勝弾を放った本多も、5回表の無死二塁という場面で打席に立っている。結果はいい当たりのセンターフライ。確かに「惜しかった」。しかし、2点ビハインドで迎えた中盤。本多に求められたのは、走者を返す「中軸」としての働きだっただろうか。9回表には「中軸」に値する大活躍を見せたが、今後の戦いや将来を考えたときにこの試合、この場面を見過ごしていいのだろうか。
20日から本拠地ヤフードームで5連戦が始まる。5試合目は今季の本拠地最終戦となる。
「誇りを胸に、頂点へ」を合言葉にラストスパートを誓ったホークスナイン。地元ファンの前で、誇りを見せることなく終戦を迎えるわけにはいかない。
<了>
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