再見北京、See you in LONDON=北京パラリンピックが閉幕

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日本代表はメダル減少 予想以上に苦戦

聖火が消灯後、スタジアムに花火が打ち上げられた=国家スタジアム 【Photo:越智貴雄/カンパラプレス】

 9月6日から始まった北京パラリンピックが17日、その熱戦に幕を下ろした。現地時間午後8時からは国家体育場(通称:鳥の巣)で閉会式が華々しく行われ、12日間の祭典を見守った聖火が消えたあと、パラリンピック旗は4年後の開催地ロンドンへと引き渡された。

 今大会の日本人選手のメダル獲得数は、金5、銀14、銅8の計27個だった。アテネ大会では、金17、銀15、銅20の計52個という過去最高のメダルを獲得したが、今大会では障害クラス統合の影響などもあり、予想以上に苦戦を強いられた。

 特に競泳と陸上のメーン競技では、期待された選手たちが思ったような活躍ができなかった。前回大会で7冠の偉業を達成した競泳の成田真由美は障害クラスの変更もあり、出場3種目でメダルなしに終わった。また、陸上女子車いすの土田和歌子は接触事故に巻き込まれるという不運にも見舞われ、その後の出場予定種目を欠場する事態になった。

2012年ロンドンに向けて残る課題

閉会式に参加した陸上チームのメンバー。今回の大会の結果から次回に向けての課題も見えてきた 【Photo:越智貴雄/カンパラプレス】

 そして何より、今大会で日本選手たちが口々に語ったのは、練習環境などにおける外国勢との決定的な差だ。欧州などでは、障害者スポーツでもプロとして活躍している人たちが多数いる。
 一方で、日本勢の中には、スポンサーの支えによって競技に専念している選手や実業団に所属している選手もごくわずかにいるが、ほとんどの選手たちは学生や、仕事をしながら競技を続けている。そのため、満足な練習時間も取れずにいるのが現状だ。

 日本政府は今大会からパラリンピックでメダルを獲得した選手に、金100万円、銀70万円、銅50万円を支払う報奨金制度を採用した。障害者スポーツにとっては大きな一歩だが、選手たちにすれば、まだまだ不十分なのが正直なところだろう。2016年に東京で五輪ならびにパラリンピックを開催するのであれば、まずは2012年に向け、早急な対応策が求められる。

閉会式を楽しむ日本車椅子バスケットボール女子選手たち 【Photo:越智貴雄/カンパラプレス】

 何はともあれ、北京での祭典は終わりを告げた。今大会への感謝の意を込めつつ、4年後、ロンドンでの日本代表の活躍を祈って、最後のあいさつとしたい。

 再見北京(さようなら、北京)
 See you in LONDON(ロンドンで、また会いましょう)

<了>
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