青木真也×石川直生 異色対談実現!=格闘技通信

格闘技通信

マット菌で目を腫らせる青木とナオキックのツーショット 【(C)保高幸子/格闘技通信】

“気になる存在!”“なかなかいいよね!”MMAのビッグイベント、DREAMの牽引者、青木真也と、キック団体の老舗、全日本キックのエース、石川直生。お互いを意識し、リスペクトしてきた日本を代表するファイター2人のラブコールが初対談として、ついに実現した。ともに団体を背負い、競技への誇りを胸に闘う男たちが語る、格闘技への情熱、美意識、そして意外な共通点と素顔等々。新時代の開拓者たちのコラボレーションをしかと読むべし。

青木「石川選手がミット打ちしているのを見て勉強になった」

石川 いやぁ、青木君は打たれ強そうないいアゴと骨格をしてるよねぇ。俺は打たれ強いほうじゃないから、羨ましいよ。

青木 そうですか?(微笑)。石川選手が(山本)元気選手とやるときに「覚悟を決めた。倒されないと思ってるから倒されない」って発言されてたじゃないですか。僕も(J.Z.)カルバンとやるときに、「よし」って覚悟を決めてやったんですよ。

石川 そういうことはあるよね。

――これまで両選手から、それぞれのお話を伺ってきて、ついに対談が実現しました。お二人はスパーリングをしたことがあるそうですね。

青木 最初は石川選手のあの試合の前の……。

石川 (NAOKICK試練の)七番勝負が始まってたから……1月! 2月の赤羽(秀一)戦の前ですね。いやぁ、最初は俺がやられちゃったんですよ。申し訳ないんだけど、普段あまり総合って見ないんですよ。総合の人が立ち技を見るっていうのは、打撃をどう使うかっていう目的だったりすると思うんだけど、俺はあんまり接点がないもんで、青木君の存在を知ってるぐらいだったんです。でも、いろいろ俺のことを話題にしてくれてるっていうのを人を介して知って、いざやってみることになったら背の高いサウスポーっていう俺の一番苦手な選手だったんですよ。それで頭がいいっていうのはすごく厄介なんですよね。距離感はわかってるし、闘い方、人の倒し方、そういうことをただ練習するというよりも、研究してそうなタイプだってこともすぐにわかったんです。なにしろでっかい人と試合とか、スパーリングをやるのってまったく慣れてない。それで、2、3回くらいこかされたんです。首相撲じゃないこかされ方で「ああ、そっかぁ!」って思って。打撃の師匠の飯村(健一)さんもムエタイの技術を研究してる人だし、だからそれを自分なりに考えてやってるんだ。武器もサウスポーの左の攻撃で、蹴りも上も下も真ん中も、パンチもしっかりうまく打ってくる。悔しかったし、恥ずかしかったですよ、一応キックのチャンピオンなんで(微笑)。

青木 いえいえ、そんなことまったくないですよ。飯村さんにミットを持ってもらっているんですけど、石川選手がミット打ちしているのを見て、それがすごく勉強になったという印象があります。

――どんなところがですか?

青木 ミドルにしても一発一発を強く蹴ろうとしているという意識を感じました。僕らはヒジがないんでわからないですけど、ヒザと前蹴りとミドルとを、僕も重視してやってたんですよ。例えば、大月(晴明)選手って違うじゃないですか。説明はできないんですけど、石川選手は見ていて理解できて、すごく楽しかった思い出があるんです。

石川 いやぁ、そう言ってくれると嬉しいですね(笑)。

青木 パンチを主体にしている人たちを見てもわかんないんですよね。思いっ切り殴ればいいってことを言う人もいるじゃないですか。そういうのはちょっと感覚が理解しづらいんですけど、石川選手のように蹴り中心だと、理解しやすいので見ていて助かるんです。試合の映像もよく見ています。打撃を習う前は、15オンスのグローブをつけてタックルありで、みんな本気でやってましたからね(苦笑)。だから、蹴れるまではパンチしかないってなっちゃうんですよ。総合で蹴りの距離で闘う選手ってなかなかいないですよね。
石川 実は1月の頃って蹴りが全然ダメだったんです。俺が試合で蹴るようになったのって最近じゃないですか。

青木 そうですね、最近は全然スタイル違いますもんね。

石川 それは去年、山本真弘選手に負けて(07年10.25判定)から、まず姿勢を直したんですよ。著名な人ばかりを診ている整体の先生に診てもらったら、「こんなに姿勢の悪い人は初めて見た」ぐらいに言われて(苦笑)。ガードを高めに上げる構えだから姿勢は悪くていいやって思ってたんですけど、座る時でも車を運転する時でも歩く時でも胸を張るようにして、骨盤の横も曲げないように常にまっすぐになるようにしたんです。そしたら片側のバランスが良くなって、曲がってた骨がすごく伸びて、背も2センチ伸びたんですよ。それで、背骨がまっすぐになったら蹴りも強く打てるようになったんです。蹴りが強くなったのがわかってどんどん蹴り込んでいったら、どんどん強くなってったんです。こないだタイに行ったんだけど、タイ人のミット蹴りとかを見るだけでも勉強になるし、なんで彼らが10発蹴りを蹴っても疲れないのかっていったら、疲れない蹴り方だったり、疲れないところに蹴りを落としてる。10発蹴りは10発蹴り用の蹴り方なんで、1発蹴る蹴り方とは違う。でも思いっ切り10発蹴ってみて、その蹴り込み、蹴る筋肉、軸足のバランスとかを考えると、彼らのミドルキックが強くて、疲れないっていうのがわかりました。今、昼間に練習する時は、1時間蹴り込みだけするとか、蹴り込みの時間を増やしてます。

※総合格闘家・青木真也とキックボクサー・石川直生の異色対談が実現! 続きは『格闘技通信』10月号でチェック。

(文◎中村光伸 写真◎保高幸子)

『格闘技通信』2008年10月号(潤・S50)

戦極初代王者のベルト 五味隆典、三崎和雄の表紙が目印! 【(C)保高幸子/格闘技通信】

発売中 定価:860円(本体819円) 発行:(株)ベースボール・マガジン社

●青木真也大解剖
青木真也70の秘密
スペシャル対談 青木真也×石川直生
2008真夏の青木真也

●REGULAR COLUMN
桜庭和志の本音コラム「やっぱり面倒臭い」
前田日明コラム「酔生独言」
三崎和雄コラム「三崎宇宙」
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長南亮コラム「カリフォルニアMMA通信」

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笹原圭一DREAMプロデューサー「ゲガール・ムサシという才能」
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石井慧とヒクソン・グレイシーの関係

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