ベスト4進出校の高い生還率=タジケンの高校野球観戦記
チームとして走塁への意識がどれだけあるか
スクイズができる状況をつくれる浦添商(写真は慶応戦の延長10回に勝ち越しスクイズを決めた上地俊) 【写真は共同】
見方は以下の通り
(1)On Base & Scored(OB&S=%)
本塁打を除いた出塁後の本塁生還率=本塁打を除いた出塁後の生還数/本塁打を除いた出塁数(併殺崩れなどで一塁に残った走者も含めた)
※『スラッガー』の記事上の定義はOn Base は本塁打を除いた出塁数、Scoredは本塁打を除いた出塁後の本塁生還率
(2)1st to 3rd
外野への単打で一塁から三塁へ進塁した数/一塁に走者を置いて外野に単打が出た数
(3)2nd to Home
外野への単打で二塁から本塁へ生還した数/二塁に走者を置いて外野に単打が出た数
(4)1st to Home
二塁打で一塁から生還した数/一塁に走者を置いて二塁打が出た数
(5)Base Taken
暴投、捕逸、ボーク、犠飛、野手選択により進塁した数
(6)Out Adv.
進塁((2)、(3)、(4))を狙ってアウトになった数
※単打や二塁打の打球方向、質などは問わない。すべて同じものとして扱う。
ベスト8進出校の走塁数値を調べてみた。
浦添商 (1)41%=26/63 (2)4/5 (3)2/6 (4)1/1 (5)7 (6)2
大阪桐蔭 (1)38%=32/85 (2)2/8 (3)6/10 (4)1/3 (5)17 (6)1
常葉菊川 (1)36%=14/39 (2)3/7 (3)4/5 (4)0/2 (5)2 (6)1
横浜 (1)32%=23/71 (2)3/5 (3)4/7 (4)3/4 (5)9 (6)2
智弁和歌山 (1)29%=24/84 (2)0/6 (3)5/10 (4)1/2 (5)8 (6)0
慶応義塾 (1)28%=16/58 (2)4/7 (3)3/7 (4)2/2 (5)1 (6)1
聖光学院 (1)27%=13/49 (2)1/5 (3)3/4 (4)0/1 (5)2 (6)0
報徳学園 (1)25%=14/55 (2)1/3 (3)2/5 (4)1/2 (5)3 (6)1
準々決勝敗退校は生還率30%未満
驚いたのが、大阪桐蔭のBase Takenの数。2位の横浜の倍と突出している。だが、これは、どちらかというと強打によるところが大きい。4番の萩原圭悟が2打席連続犠飛を記録するなどチーム犠飛は3。暴投や捕逸が多いのも、打者を警戒しすぎて変化球がワンバウンドになることが多いから。報徳学園高の近田怜王が1イニング2暴投を含む3暴投を記録したのも大阪桐蔭高戦だった。
少ない安打で、いかに点数を取るか
二塁→本塁(秒)
【浦添商】
仲間常治 6.75(エンドラン)
山城一樹 7.02
嘉陽大介 7.08
【常葉菊川】
町田友潤 6.99
町田友潤 7.18
戸狩聡希 7.37
【横浜】
有泉晃生 6.80(アウト)
土屋健二 7.08
土屋健二 7.47
【大阪桐蔭】
浅村栄斗 7.04
浅村栄斗 7.10
萩原圭悟 7.13(アウト)
福島由登 7.22
清水翔太 7.25
有山裕太 7.40
浅村栄斗 7.57
盗塁するばかりが走塁ではない。打球判断や状況判断を含めたベースランニングこそ得点に直結する。少ない安打で、いかに点数を取るか。走塁意識、走塁意欲を高めることが、勝利への近道だ。
<了>
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