日本バレーボール協会は２８日、ナショナルトレーニングセンター（東京都北区）で記者会見を行い、５月１７日開幕の北京五輪世界最終予選兼アジア大陸予選に出場する全日本女子代表１２人を発表した。メンバーには栗原恵（パイオニア）、竹下佳江（ＪＴ）らが選ばれたほか、主要国際大会では初選出となる狩野美雪（久光製薬）が名を連ねた。また腰痛の状態が懸念されていた大山加奈（東レ）、昨秋のワールドカップ代表の庄司夕起（パイオニア）、西脇万里子（東レ）が代表から外れた。

　柳本晶一監督は、「今日ここに集まった１２人が、わたしが自信を持ってコートに送り出せるメンバー」と力強く話し、代表選考にあたっては「（選手の状態は）映像と数字でチェックした。数字は怖いくらいに（調子が）出る」と、過去の実績ではなく現在の状況を重視して最終メンバーを決定したと説明した。また、大山については、最終予選までに腰痛の完治が見込めないことを代表から外した理由に挙げたものの、「最終的にどうなるかは分からない」と、五輪切符をつかんだ場合の本大会メンバー入りの可能性を残した。

　全日本女子は今後、最終予選直前の５月１３日までナショナルトレーニングセンターで合宿を続け、最終調整を重ねる。

　以下は監督、選手コメント。

■柳本晶一監督

　今日ここに集まった１２人が、最終的に北京五輪の枠を獲得するために選ばれた選手です。私が自信をもって送り出す１２人だと確信しております。残された日は少ないですが、やることはたくさんあります。また大きな大会ですので、大きなプレッシャーがたくさんあります。残された日数で、悔いのないように、自分たちのやれることをやりあげて、結果を求めていきたい。北京五輪に駒を進めて、メダルを獲得できるように頑張っていきたいと思います。
　（合宿の成果について）今年のテーマは、「強い団結力」。簡単な意味での“チームワーク”ではなく、聖域のない、妥協のない、強い個人の確立。そういう意味では、私も監督としてきちっと自分の意見を選手に伝えて、選手もそれを把握した上で、方向性をきちっと打ち出して強化にあたるということが大きなポイントではないかと思い取り組んできました。
　選手自身もプレッシャーを感じたり、私からも深いことをかなり言いましたが、それもひとつ耐え忍んで、誇りにして、ここに１２人が残ってくれたと思います。内容的にも充実した合宿ができたんではないかと思います。

■竹下佳江主将
　厳しい戦いが続きますが、チーム一丸となって全力で頑張りたいと思います。

■栗原恵
　これから（の時間）が大切になってきます。厳しい試合になると思いますが、覚悟を持って頑張りたいと思います。

■高橋みゆき
　全力で頑張りたいと思います。

■多治見麻子
　今バレーをできることを感謝して、精一杯頑張りたいと思います。

■大村加奈子
　最終目標は北京五輪ですが、ここの通過点がないと力を発揮できないと思うので、最終予選を全力で頑張りたいです。

■佐野優子
　全員の力で北京五輪を獲得できるように、自分の役割を頑張りたいと思います。

■杉山祥子
　一戦一戦頑張っていきたいと思います。

■桜井由香
　この場に立っている責任を感じています。１２人に選ばれた期待に応えたいと思います。自分の力をより出し切って頑張りたいと思います。

■狩野美雪
　このユニホームに袖を通すということの責任を、最終予選でしっかり果たしたいと思います。自分の力をすべてぶつけられるように頑張ります。

■荒木絵里香
　チームの勝利のために全力で頑張ります。応援をよろしくお願いいたします。（リーグと代表試合が続き）オフシーズンがないので、少しでもトレーニングをして、力を使い果たしてしまわないようにしていました。（リーグの）ＭＶＰなど賞を取ったことは良かったですが、まだまだです。

■木村沙織
　絶対に勝たないと五輪はありません。がむしゃらに精一杯やりたいと思います。応援をよろしくお願いいたします。

■河合由貴
　（五輪は）すごいところだと聞いています。今はまだ何も分からない状態ですが、プレッシャーは感じています。自分のできることを精一杯頑張ります。

■女子代表メンバー
１．栗原恵（パイオニア）
２．多治見麻子（パイオニア）
３．竹下佳江（ＪＴ）※主将
４．大村加奈子（久光製薬）
５．高橋みゆき（ＮＥＣ）
６．佐野優子（久光製薬）
７．杉山祥子（ＮＥＣ）
８．櫻井由香（デンソー）
９．狩野美雪（久光製薬）
１１．荒木絵里香（東レ）
１２．木村沙織（東レ）
１４．河合由貴（ＪＴ）


■全日本女子試合日程
５月１７日（土）　ポーランド戦
５月１８日（日）　プエルトリコ戦
５月２０日（火）　カザフスタン戦
５月２１日（水）　ドミニカ共和国戦
５月２３日（金）　韓国戦
５月２４日（土）　タイ戦
５月２５日（日）　セルビア戦