来季の40代プレーヤーは「8人+3人」 見る者の心を動かす投打のベテラン

ベースボール・タイムズ

球界最年長投手の中日・岩瀬。歴代トップの950試合登板も視野に入る 【写真は共同】

 今年も多くのベテランたちがユニホームを脱いだ。しかし、40歳を迎えてなおもグラウンドに立ち続け、新たな戦いに挑む男たちがいる。新年を迎える前に、来季の40代プレーヤーの奮闘にエールを送りたい。

岩瀬&井口の球界最年長コンビ

 三浦大輔(今季まで横浜DeNA)が引退し、球界最年長選手の肩書は来季、岩瀬仁紀(中日)と井口資仁(千葉ロッテ)の2人が背負うことになる。ともに1974年生まれの現在42歳。自身の選手生命を懸けたシーズンへと挑む。

 プロ野球最多の通算402セーブを誇る岩瀬は、2014年シーズン途中に左肘を痛め、翌年は実戦登板なし。今年4月に612日ぶりの復活登板を果たしたが、最終的に15試合で防御率6.10とふがいない成績で終えた。

 昨オフに3億円から2億5000万円ダウンとなる年俸5000万円でサインし、今オフは現状維持で契約更改(金額は推定、以下同)。ここ数年、同僚のベテランたちが次々と現役を退く中、岩瀬にも“引退”の2文字がちらつくが、その豊富な経験は必ずやチームの役に立つはず。通算904試合登板は歴代3位につけているが、944試合登板の金田正一、そして949試合登板の米田哲也の日本記録を、是非とも塗り替えてもらいたいところだ。

もう一人の最年長選手、ロッテ・井口の勝負強さは健在だ 【写真は共同】

 もう一人の最年長選手である井口は今季、代打出場を中心に79試合で打率2割5分7厘、5本塁打、34打点だった。日米通算2224安打を放ってきた男も、さすがに衰えを隠せず、3年契約も今季で終了。来季は4500万円ダウンの年俸1億3500万円での1年契約で勝負する。持ち前の勝負強さは健在で、ケガさえなければまだまだ活躍の場は多くあるはずだ。

大台を目指す3人のバットマン

今季は不振にあえいだ楽天・松井稼。来季の巻き返しに期待だ 【写真は共同】

 井口同様、ダウン提示を受け入れて新たなシーズンに臨む者は多い。1975年生まれの現在41歳、松井稼頭央(東北楽天)が代表例だ。松井は記録ラッシュに沸いた昨季から一転、今季はケガと不振に悩み、楽天加入後最低となる56試合出場で打率2割1分3厘、2本塁打、13打点に終わった。

 契約更改では年俸1億6000万円から球団史上最大の下げ幅の9000万円ダウンとなる7000万円でサイン。それでも現在、日米通算2683安打をマーク。あと3年、再びレギュラーとしてトップフォームを維持できれば、3000安打の大記録も見えてくる。

ロッテひと筋の巧打者・福浦。多くのファンが大台到達の瞬間を待っている 【写真は共同】

 同じく1975年生まれの福浦和也(ロッテ)は、通算2000安打まで残り68安打としている。今季は春季キャンプで左足首を痛めて出遅れるなど、出場36試合で20安打のみ。オフには1000万円ダウンの3500万円でサインした。
  
 プロ24年目のシーズンとなる来季中の大記録達成へ燃えているが、そのためには少なくとも1軍フル帯同が条件になってくるだろう。

通算2000安打まであと39本の中日・荒木 【写真は共同】

 その福浦よりも大台到達が確実視されるのが、1977年生まれで9月に40歳になる荒木雅博(中日)だ。今季終了時点で通算1961安打と、2000本まで残り39安打。今季は93試合出場で71安打、打率2割4分6厘と不満の残る内容で、オフには1760万円ダウンの7040万円でサインした。

 来季は記録達成で弾みをつけ、走攻守で改めて存在感を見せてもらいたい。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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