ハリル「躊躇なくより良い選手を選んだ」 W杯最終予選 サウジアラビア戦後の会見
サウジアラビア戦後の会見に臨んだハリルホジッチ監督 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「エクセレントな勝利だとは言わないが、良い勝利だったと思う」と試合を総括した。本田圭佑や岡崎慎司らこれまでチームの中心としてプレーしてきた選手を先発から外したことについては、「私は躊躇なくより良い選手を選んでプレーさせた」とコメント。「コンペティションに臨むリズムになっていなければ同じことが繰り返されるだろう」と、あらためて海外組に所属クラブで試合に出る機会を増やすよう求めた。
日本のW杯アジア最終予選第6戦は2017年3月23日。アウェーでUAEと対戦する。
チームスピリットがよかった
――「エクセレントではなかった」と言ったが、エクセレントな勝利だと思う。どのあたりがエクセレントではなかったと思うのか?(大住良之/フリーランス)
まずは、私は自分自身に厳しい男だということ。もっと点を取れたという気持ちがある。何度か慌てた状況があった。例えば、ゴール前での冷静さの部分。4〜5点は取れたと思う。特に試合の最後の方は、われわれが動揺したと思う。サウジアラビアはすべてのリスクを負って(攻撃に)きた。その困難な状況を乗り越えなければいけなかった。最初にも言ったが、やはり失点はよくなかったと思う。ただ、選手たちはビッグマッチでよくやってくれた。本当に勝利に値すると思う。いまのところ、試合をやってみてサウジアラビアが一番強かったと思う。
――昨日の会見で「大きな決断をしなければいけない」と言っていた。今日の試合に向けた決断の内容について教えてほしい。
私は毎回このチームの強みは組織だと言っている。もちろん、何人かの選手はトップパフォーマンスではない。ある監督はたとえそうであったとしても信頼して(その選手たちを)使い続けるだろう。けがをするような状況もあると思うが。ただ、私は躊躇なくより良い選手を選んでプレーさせた。皆さんが想像したとおり全員がプレーしたと思う。つまり、チームスピリットが良かったと思う。
試合後に選手を祝福した。全員の目の前で言った。ある時期はチームの80パーセントが所属クラブでプレーしていない状況だった。本当に3〜6カ月は厳しい状況が続いた。そして何人かは私が言いわけを探しているのではないかという記事を書いていた。ただ、われわれは選手のことを完璧に把握している。
最後の最後まで厳しい状況は続くだろう。これからはもっともっと厳しくなる。特に海外組はもっと頻繁にプレーしてほしい。コンペティションに臨むリズムになっていなければ同じことが繰り返されるだろう。そしておそらく先発で使うことはないだろう。ただ、8〜9人をいきなり変えることは難しい。常に先発で出続けた選手がそのような状態になってしまうのはよくないし、若手がいきなり出ても難しい。(川島)永嗣、本田(圭佑)、岡崎(慎司)、(香川)真司、全員だ。自分たちのクラブで厳しい状況にあるのは知っている。ただ、彼らには言った。「先発を取り続けなさい。そして先発を取れるクラブに行きなさい」と。それを繰り返し言った。
ただ、われわれのチームの強みは海外組のプレー回数が多いことによって決まる。彼らを本当に信頼している。あいまいな言葉はない。全員をリスペクトしていて、私は「スター選手はチームだ」と言っている。ある試合でしっかりと準備ができていない男がいれば、その選手を先発から外すことについてはまったく躊躇なくやる。