ハリル「違う戦略で臨もうと思っている」 W杯最終予選 サウジアラビア戦前日会見
サウジアラビア戦を翌日に控え、会見に臨んだハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】
4試合を終えて、2勝1分け1敗の日本はグループBで勝ち点7の3位につける。3勝1分けの勝ち点10で首位を走るサウジアラビアについて、ハリルホジッチ監督は「フィジカル、タクティクスの面で本当に伸びている」と語ると、「彼らの攻撃的なプレーをしっかりとコントロールしなければならない」と警戒した。
スタメンの顔ぶれについて、指揮官は「より良い選手を選ぶ。ただし、交代で入る選手がリザーブというわけではない。ジョーカーであり、より良い結果で終えるためのタクティクスチョイスだ」と、チーム戦であることを強調。また、「勝つためにはいろいろな戦略がある。今回のサウジアラビア戦に向けては違う戦略で臨もうと思っている」と明かした。
サウジアラビアは本当に伸びている
強い気持ちと集中、無駄なファウルをしない。相手はテクニックを使ってファウルを誘ってくるし、ここ数年、日本が持っていないフットボールインテリジェンスを彼らは持っている。ディテールに関しては、すでに多くを語ってきたのでここでは入らないが、ただプレッシャーにも罠にも引っかからないようにしなければならない。このグループはしっかりと集中していると思う。ただ、難しい試合だとも認識している。勝つクオリティーをわれわれは持っていると思う。
――オマーン戦から今日までの間にいろいろと取捨選択をしてきたと思う。その中で監督はすべてをうまく抽出できたという手応えを感じているか?(田村修一/フリーランス)
この合宿ではかなりのトレーニングを積んできた。グラウンド内でも、グラウンド外でもだ。サウジアラビアの場合、グラウンド内の時間がわれわれよりもかなり多いと思う。その特権がわれわれにもほしいものだ。ただ、われわれにもオマーン戦で得たかなりの情報がある。タクティクスのトレーニング中にも情報は得られた。それらを使って先発の11人に誰を使うのかをかなり考えた。
この試合は本当に重要だし、プレッシャーもある。経験や自信でこれらを調節していかなければならないし、オートマチックなものも作っていかなければいけない。できるだけより良いチームを選ぼうと思っている。
誰を選ぶのかという質問を皆さんはしたいと思っているかもしれないが、日本の長所は組織だ。われわれは常に組織でプレーしているので、個人の力で勝つというわけではない。ただ、経験と自信も必要となる。明日、チームを選んだ段階で、皆さんに見せられたらと思っている。11人でスタートして、あとから(最大)3人が入るわけだが、全員が最大限やってくれると思っている。そして、何人かの選手はもっとパフォーマンスを上げてほしいが、現状でできることをするということに尽きる。メンタルの部分も重要だ。私が強調しているのが、ここは私たちの庭だということ。強い気持ちと、アグレッシブさを見せなければいけない。
――サウジアラビアとの最終予選について、強い印象やコメントはあるか?(外国人記者)
今や世界中で対戦相手のことはしっかりと分析している。サウジアラビアの試合については10試合以上見た。誰が先発で出るのか、途中交代の選手についても把握している。数日前はサウジアラビア国内リーグのダービーの試合映像も見た。そのクラブの選手はほとんどがA代表でプレーしている。
サウジアラビアというチームはフィジカル、タクティクスの面で本当に伸びている。そして、オフェンス面でかなり良いタレントをそろえている。彼らはタクティクスを教え込んで、フィジカルを上げている印象だ。それは現代フットボールが求めていること。サウジアラビアというチームは3〜4人がものすごい能力を持っていると思う。彼らの攻撃的なプレーをしっかりとコントロールしなければならない。
――香川真司と本田圭佑の現状について、明日は長い時間プレーが可能か? また個人的に2人と話したことがあれば教えてほしい。
決断をいろいろとしなければならない。(選手には)インフォメーションをダイレクトに伝えてきた。私は何度も言っている。何人かの選手は所属チームでのプレー回数を増やしてほしいと。いつもプレーしてもらわないと、彼らはロボットではないのでトップパフォーマンスにはならない。それからけがもあったし、トレーニングをしながら治療を続けてきた。ディスカッションもした。
チームというのは11人の先発だけで決まるものではない。例えばサウジアラビアの場合、毎試合最後に勝つ。それは交代で入ってくる選手のおかげだ。彼ら(途中交代の選手)が違いを生む。
われわれは25人の選手がいて、先発はより良い選手を選ぶ。ただし、交代で入る選手がリザーブというわけではない。ジョーカーであり、よりよい結果で終えるためのタクティクスチョイスだ。トップパフォーマンスではない選手もいるし、何人かの選手はプレー回数を増やして代表にくる。これが大事なのは変わらない。