◎候補ビッシュ&ジュエラーの信頼度は? 穴馬ゾロゾロで万券も狙える秋華賞座談会
競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会
オークス上位馬不在で 3着馬ビッシュが主役となるか?
好内容で前哨戦の紫苑Sを優勝したビッシュが主役候補筆頭(撮影:日刊ゲンダイ) 【(C)競馬専門紙「優馬」】
武井「前走の紫苑Sは、18番枠から悠然と外を回っての楽勝で、不利を受けた馬がいたとはいえ、自身もまだ余力を残してのゴールでしたし、オークス3着時からのパワーアップを感じさせるには十分なレースぶりでした。機動力があって、どんな競馬にも対応できるという点でも、京都内回りにおいては大きなアドバンテージになると思いますね」
田崎「ビッシュの前走は、欲を言えばもう少し馬体が増えて欲しかったところですが、内容自体には確かな成長が感じられましたね。強敵の戦線離脱に加えて、ジュエラーの信頼性が揺らいだとあっては、ここはメンバーにも恵まれたと思います」
デスク「東西本紙担当のお墨付きに加えて、陣営からの頼もしいコメントも聞いておこうか」
小野智「追い切りに騎乗後の戸崎圭騎手は“順調でした。チャンス十分ですね”と、コメントは淡白だったんですが、勝ちを意識した緊張感のある口ぶりでしたよ。あれだけの圧倒的な強さで、一夏越しての成長ぶりを見せ付けたんですから、私も素直に◎です」
守屋「鹿戸雄厩舎は、ダイワドレッサー、ネオヴェルザンディを加えて3頭出しとなるんですが“ネオが逃げて、ダイワが好位、ビッシュは後方から、まさに三本の矢ですね”と、師に振ったら“凱旋門賞じゃないんだから。ラビットで使うわけでもないし、関係ないよ”と、煙に巻かれました(苦笑)。ただ、オークス当時は“うまく加速できないから中山より東京向き”とか“フローラSは展開が向かなかったので流れひとつ”とか、あくまで乗り方次第というコメントが、今回はまったく出てこなかったんですよ。普段、あまり強気な物言いをしない師だからこそ、期待の言葉が溢れる今回のコメントは信頼できますよね」
デスク「ただ、シンハライトが無事に出走できていれば、ビッシュがここまで人気にはならなかっただろうし、春まではシンハライトと互角の評価だった馬の出番があってもいいよな」
大江原「そのジュエラーの前走は予想外の大敗になっちゃったけど、骨折明けだったことに加えて、キレを身上とする馬だけに思った以上に道悪馬場が応えたんじゃないかな。あくまでも前哨戦と受け止めれば、目をつぶっていいと思えるし、俺は桜の女王の復活に期待したいな」
佐藤直「ジュエラーの前走は本番を見据えた好位取りのレースができていたし、失速したのは俺も久々と馬場のためだと思うぞ。パンパンの良馬場となりそうな今回は、確実に変わってくるはずだよ」
桜井「“二強の一騎打ち”という様相だった前走は、そもそも仕上りの面で大きな差がありましたからね。一度使われて良化も示していますし、今回は本来の姿を見せてくれそうですよ」
広田「前走については、陣営も皆さんがおっしゃる通りの見解で、鞍上も本番を見据えて無理をしなかったものです。ただ、直さんの指摘通り、内回り2000m対策として前目で運んだことは、本番につながると思いますよ。状態も明らかに上昇カーブを描いていますし、枠順発表前に藤岡健師が“内の偶数枠が欲しい”と言ってましたが、これ以上ない絶好枠もゲットしましたからね」
デスク「あと、TM陣の印の重さで3番手と思えるのがヴィブロスだな。これは春から大変身したクチだが」
西田「何と言っても、大きな不利を受けながらの紫苑S2着を評価したいですね。春から夏にかけての成長、という点では、この馬が一番かと思います」
須藤「その前走での大きな不利を考えれば、ヴィブロスはビッシュとの勝負付けは済んでいないと見るべきですよ。同じトライアルでも、これまではローズS組より軽く見られていた紫苑S組ですが、重賞にも昇格したことですし、今年はこっちの方が強そうですね。ヴィルシーナの下で血統的にも筋が通っている点も魅力です」
広田「夏以降は心身ともに充実していますし、状態面に関して陣営から不安のムードは全くないですね。あとは、鞍上がどう上手に捌くかでしょう。勝負どころで馬群が密集する京都内回り2000mだけに、問題はその一点に尽きると思います」