広島、25年ぶり日本S進出の鍵は? ジョンソンと助っ人2人打線に期待

ベースボール・タイムズ

初戦の先発が確実視されるジョンソン 【写真は共同】

「89勝52敗2分け」と「69勝71敗3分け+2勝1敗」。この2チームが日本シリーズの進出権を争うのは理不尽だ、と考える人も少なくないかもしれない。特に25年ぶりのリーグ優勝という歓喜に酔いしれたカープファンにとっては、夢見心地だった1カ月が、一転して悪夢に変わる可能性もあるのだ。ただ、これが現行の制度なので、文句を言っても仕方がない。これまでは逆の立場でもあったわけで、いずれにしても、ここでは制度に関する云々より、来るべきクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージの展望に移るとしよう。

重要なのは先発ピッチャー

 短期決戦であるCSに、冒頭に書いたレギュラーシーズンの数字は関係ない。優勝チームに与えられる1勝のアドバンテージは確かに大きいが、それが絶対的なものではないことは、過去の歴史が証明している。

 影響があるのは「+2勝1敗」の部分だ。レギュラーシーズンを終え、3試合の真剣勝負を勝ち抜き勢いに乗った横浜DeNAに対し、広島は10月1日のシーズン最終戦以降、真剣勝負の場から遠ざかっている。この間、チームはみやざきフェニックス・リーグの参加も検討されたが、天候などを考慮し、広島に残って調整を続けた。社会人チームとの練習試合や紅白戦も行ったが、選手の実戦感覚に不安があるのは否めない。

 今季の直接対決は広島の13勝12敗とほぼ互角。その中で、やはり重要になるのが先発投手だろう。ファイナルステージでの先発が予想されるのは、ジョンソン、野村祐輔、黒田博樹、ヘーゲンズの4人。第5戦以降までもつれれば、福井優也や岡田明丈などの起用が予想されるが、この2人は今季DeNA戦で未勝利と不安がある。相性を考えるならば、対戦成績が1勝1敗、防御率2.25の薮田和樹や、同防御率が2.51とまずまずの成績を残している九里亜蓮などの起用もありそうだ。

ジョンソン、野村、黒田。先発3本柱の相性は?

 ファーストステージ同様、1点を争う緊迫した展開になる可能性は大きい。そうなると普段以上に重要なのがリリーフ陣だ。

 クローザーの中崎翔太はレギュラーシーズン終盤に腰の違和感で離脱するも、9日の紅白戦に登板。田中広輔、菊池涼介、丸佳浩を三者凡退に抑えて復調をアピールした。今季は自己最多の34セーブを挙げ、防御率1.32と不動の守護神に成長した中崎は、DeNA戦でも計11試合で無失点に抑えた。CSに間に合ったのは非常に大きい。

 そして中崎の前を投げるジャクソンも、同様にDeNA戦で11試合に登板し防御率0.00。彼らの前を投げる今村猛、大瀬良大地らの投球がポイントとなる。

1/2ページ

著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント