五十嵐圭の凱旋で勢いづくダークホース B1中地区 新潟アルビレックスBB編

『hangtime』編集部

アリーナをオレンジ一色に染める熱いブースターは心強い存在だ 【写真:アフロスポーツ/bj-league】

 9月22日に開幕を迎える男子プロバスケットボールの新リーグ「Bリーグ」。B1に所属する18クラブをカウントダウン方式で紹介していく。第10回はB1中地区の新潟アルビレックスBBだ。

スーパースターの凱旋で活気づく地元

 チームにとって一番の朗報は、地元・新潟出身のスーパースター、五十嵐圭の凱旋(がいせん)だろう。北陸高から中央大へ進み、卒業後は日立でキャリアをスタート。甘いルックスで大勢の女性ファンをとりこにし、イケメンアスリートとして何度も女性誌などに登場し、写真集も発行している。

 アイドル的な人気を博しているが、その実力は折り紙付き。スターダムにのし上がったのは2006年、日本で開催された世界選手権の時だった。当初はメンバー入りしていなかったが、ポイントガード(PG)の欠員を埋めるために招集されると、そのスピードに当時の日本代表ヘッドコーチ(HC)、ジェリコ・パブリセビッチがほれ込んだ。相手ディフェンスを置き去りしてゴールへアタック。シュートまでいけなくても、アシストパスで味方の得点シーンを次々に演出した。

 その後、トヨタ自動車アルバルク(現アルバルク東京)、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ(現名古屋ダイヤモンドドルフィンズ)と移籍を経験し、常にチームの中心選手として活躍した。13年には当時フジテレビアナウンサーだった本田朋子さんと結婚。相変わらず人気は高く、メディアへの露出も多い。

 ホームアリーナは長岡市の「アオーレ長岡」に移ったが、JR東日本「長岡」駅からのアクセスは至便。日帰りエリアは思った以上に広い(もちろん泊まりがけの応援も)ので、思いきって足を延ばしてスタープレーヤーを見に行ってほしい。

実績重視の補強が実を結べばダークホースに

 五十嵐の獲得は人気実力とも申し分ない補強になったが、実はそれだけではない。新潟は実績を重視し、着々と戦力を整備してきた。特に目を引くのが新外国籍選手だ。昨シーズン、NBLで得点王(平均27.8点)に輝いたダバンテ・ガードナーを西宮ストークスから獲得。パワーと器用さを兼ね備え、リバウンドも平均10.7本(リーグ4位)を記録するなど、大幅な得点力アップが計算できる。これでインサイドは盤石だ。

 また、クリント・チャップマンはガードナーとはタイプが違い、走力とスタミナに定評がある。昨シーズンは千葉ジェッツでスコアリーダーになり、リバウンド数もチーム2番目。ここにサイズのあるスティーブ・バン・トリースが福島ファイヤーボンズから復帰した。

 外国籍選手の他にも攻撃型PGの畠山俊樹を西宮から、熊本ヴォルターズからは高さがあり3ポイントも得意なスモールフォワード、遥天翼が加わった。これだけラインナップが充実すると、ブースターの期待はいやが上にも高まる。

指揮官は新潟でのキャリアが長い庄司HC

 このメンバーを率いてBリーグファーストシーズンに挑むのが“激しくタフな”プレーを求めるヘッドコーチの庄司和広。彼のバスケットを体現し、重要な役割を担うのが新加入の選手たちだが、地元出身のベテランシューター、キャプテンの佐藤公威や池田雄一の存在も欠かせない。彼らの働きがあればこそ、ディフェンスへの激しいプレッシャー、すぐに反転攻勢に出るオフェンスが継続できるのだ。劣勢になっても決してあきらめないメンタルの強さも持ち味。「庄司スタイル」が徹底できれば上位進出は十分に見えてくる。

 ペイントエリアを圧倒する選手の存在があり、スピード豊かなファーストブレイク(速攻)やハーフコートできっちり攻め切るバスケットが可能になった。もともとアウトサイドのシュート力は他チームと比べてもまったく遜色はない。執拗(しつよう)にゴールへアタックし続けるバスケットで活路を開けば、ダークホース、いやそれ以上の評価を受けるに違いない。クレイジーピンクと称される秋田ブースターにも引けを取らず、アリーナをオレンジ一色に染める熱いブースターの存在も心強い限りだ。

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(グラフィックデザイン:相河俊介)

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B.LEAGUEを中心に、AKATSUKI FIVE(日本代表)やストリートボールまで、日本のバスケットボールの魅力を、わかりやすい記事とデザイン性の高い誌面でお届けする、新しいバスケットボール専門誌。Issueごとに独自の視点で特集を組み、興味深い企画で構成。

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