魅力的な補強に成功、狙うは歓喜の再現 B1中地区 横浜ビー・コルセアーズ編

『hangtime』編集部

積極補強で新シーズンに挑む横浜。優勝を手にした12−13シーズンの歓喜の再現なるか 【写真:アフロスポーツ/bj-league】

 9月22日に開幕を迎える男子プロバスケットボールの新リーグ「Bリーグ」。B1に所属する18クラブをカウントダウン方式で紹介していく。第9回はB1中地区の横浜ビー・コルセアーズだ。

実力派の選手が集結。新しい航路の行く先は頂点

 このチームのロスターを眺めていると、何かが起こりそうな予感がする。

 今季のB1リーグの中でも、魅力的な補強に成功したチームの1つといえるだろう。これまでの“ビーコル”とは明らかに違う。bjリーグ優勝を手にした2012−13シーズンのような興奮がよみがえり、ブースターたちは気持ちの高ぶりを抑え切れない。そんな劇的なシーズンになりそうだ。

 それほどまでに、今季のビーコルは大胆にロスターを変えてきた。まずは、川村卓也の獲得だ。日本を代表するシューターの1人である川村は05年、盛岡南高校を卒業してすぐにオーエスジーフェニックスに加入し、トップリーグ入りを果たした。

 当時の中村和雄ヘッドコーチに鍛えられ、高卒ルーキーにして類いまれなシュートセンスの持ち主はすぐに頭角を現した。試合後、出来が悪ければ、中村ヘッドコーチの愛のむちが飛んだ。ポジションを移動しながらパスを受けて、連続シュートの練習を繰り返す。これがよく決まり、残ったファンから喝さいを浴びることもしばしばだった。美しい放物線を描いてゴールネットを揺らすロングシュートは必見。今季も新天地でゴールゲッターの本領発揮が期待される。

 もう1人は竹田謙。09−10シーズンにはリンク栃木ブレックスでJBL優勝を経験し、日本代表としても活躍した。14年に現役を退き、昨シーズンはWJBL(日本女子バスケリーグ)のデンソーアイリスでアシスタントコーチを務めた。その彼がブランクをものともせず、戦いの場に戻ってくる。ベテランの存在はオンコート、オフコートにかかわらず、チームに好影響をもたらすだろう。

脇を固める生え抜き、移籍してきた注目選手たち

 大幅なロスター変更がチームにとって大きなプラスになるとすれば、この2人の生え抜きの活躍を抜きには語れない。蒲谷正之とキャプテンの山田謙治だ。チームの浮き沈みを、身をもって経験し、ビーコルの屋台骨を支えてきたベテランだ。かつてチームがbjリーグで優勝した際、ファイナルで見せた蒲谷の活躍は今でもブースターの脳裏に焼き付いている。神がかった3ポイントの威力はすさまじかった。一方の山田はポイントガードとして、チームをけん引し続けている。

 新戦力として川村、竹田を紹介したが、他にも注目の選手がいる。熊本ヴォルターズから移籍してきた高島一貴は貴重なユーティリティープレーヤーだ。アウトサイドの攻守はもちろんのこと、時にはポストアップしてボールをつなぎ味方のチャンスメークをする。スタミナもあり、長丁場のシーズンで頼りになりそうだ。湊谷安玲久司朱は切れ味鋭いアウトサイドシュートが武器で、いったんゾーンに入れば30点オーバーの活躍もやってのける。

 このようにロスターを語り出したら止まらない。それほど変化に富み、ワクワクさせてくれる実力派がそろった。さらにセンターにはファイ・パプ月瑠が復帰したことも付け加えておかなければならない。

モダンな港町・横浜のエンターテインメントも魅力

 ビーコルの戦力以外の特長といえば何といっても、モダンな港町・横浜を意識したエンターテインメントだ。ヒット曲のリメイクや時々聞こえるどら(船の出航の際に鳴り響く)の音を聞くと、一瞬アリーナの情景が変わったような感覚にとらわれる。

 9月24日に開幕戦が行われる横浜文化体育館の近くには、横浜DeNAベイスターズの本拠地・横浜スタジアムがあり、少し足を延ばせば横浜中華街や山下公園、大さん橋などの観光スポットも多数ある。試合観戦と併せてスケジュールを組んでみてはいかがだろうか。今シーズンのビーコルの試合を見にいけば、何度も勝利の美酒を味わうことができそうだ。

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(グラフィックデザイン:相河俊介)

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