強力支援で日本一のビッグクラブ目指す B1東地区 アルバルク東京編

『hangtime』編集部

チームリーダーとして期待される田中大貴(緑)はリーグ屈指の“クラッチシューター” 【写真:アフロスポーツ】

 9月22日に開幕を迎える男子プロバスケットボールの新リーグ「Bリーグ」。B1に所属する18クラブをカウントダウン方式で紹介していく。第6回はB1東地区のアルバルク東京だ。

リーグを引っ張るビッグクラブへ

 アルバルク東京(旧トヨタ自動車アルバルク東京)のNBL最終シーズンは「歴代最強を証明する」はずだった。レギュラーシーズンは47勝8敗で他を圧倒し、勝率は約85%を記録した。このまま一気に戴冠すると思われたが、セミファイナルであっけなく敗れ去ってしまう。しかも、5点差以内での連敗はショックが大きかったはずだ。

 その悔しさを晴らすには「Bリーグ初代王者」としてその名を刻印するしかないだろう。そのための準備は着々と進行中だ。チームを率いる34歳の若き指揮官、伊藤拓摩ヘッドコーチ(HC)が留任し、リベンジにかける。まわりを固めるスタッフはアシスタントコーチ以外に役割が細分化(スキルコーチ、アナライジングコーチ、オフェンシブコーディネーターなど)され、ここにも若い人材が配置された。

 新たに発足した運営会社(トヨタアルバルク東京株式会社)の会長にはトヨタ自動車株式会社の豊田章男社長が就任した。活動理念のひとつに「首都東京のクラブとして、スポーツを通して世界に発信していく」と定めている。2006年、日本で開催されたバスケットボール世界選手権では、コートのセンターサークルに「TOYOTA」のロコが浮かび上がっていた。Bリーグで覇権を握り、やがてアジアや世界を目標に――。チームの実力やクラブ運営の規模などいろいろな意味で、リーグを代表するビッグクラブへと成長する可能性を秘めている。

タレント豊富な常勝軍団。初代王へ虎視眈々

「昨シーズンは手応えを感じた。今シーズンは優勝するために選手への要求はさらに高くなる」と語る伊藤HCは、シーズンオフにスタッフを交えてさまざまな準備を行っている。その中で優勝への切り札ともいうべき選手の獲得に成功した。双子の兄、竹内公輔(リンク栃木)と並ぶ移籍市場の目玉、竹内譲次がチームに加わったのだ。207センチの長身でフィジカルも強く、ファーストブレークで先頭を走るスピードも兼ね備えている。06年の世界選手権でも日本代表として活躍したが、今なおその力は衰え知らずでここでもチームの中核をなす。

 外国籍選手は総入れ替えとなったが、そこにはNBAでもプレー経験があるディアンテ・ギャレット、センタープレーヤーのアンドリュー・ネイミックを獲得した。

 チームリーダーとして期待される田中大貴はリーグ屈指の“クラッチシューター”(編注:ここ一番でシュートを決める選手)だ。コロンビア大出身の松井啓十郎はロングレンジの3ポイントで日本代表にも欠かせない選手。ポイントガードはポートランド大でスキルを磨いた伊藤大司が務め、ベンチメンバーの層も厚い。以前から「タレント軍団」と評されていたアルバルク東京。顔ぶれこそ変わったものの、その評価に変わりはないようだ。若い戦力の流出はあったが、それをカバーするに十分なロスターとなった。

“代々木第二”に代わるホームアリーナは?

 今シーズンのホームアリーナは国立競技場代々木第二体育館。1964年の東京五輪でバスケットボール会場になったことから“バスケの聖地”と称されている。ところが17年からは耐震改修工事が実施され使用できなくなる。

 アルバルク東京の新ホームアリーナはどこになるのだろうか。こうなったら、Bリーグが設けた条件「5000人のアリーナ」と言わず、1万人規模のビッグアリーナを新設してもらえないだろうか。そのネーミングは当然「TOYOTAアリーナ」。ライバル社は横浜にあるサッカースタジアムのネーミングライツを保有しているのだから、ここは世界の「TOYOTA」を冠する自前のアリーナが見てみたい。「TOYOTA CUP」と称する、バスケのクラブ世界一決定戦の開催も望みたいものだ。

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(グラフィックデザイン:相河俊介)

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B.LEAGUEを中心に、AKATSUKI FIVE(日本代表)やストリートボールまで、日本のバスケットボールの魅力を、わかりやすい記事とデザイン性の高い誌面でお届けする、新しいバスケットボール専門誌。Issueごとに独自の視点で特集を組み、興味深い企画で構成。

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