リーガ勢、今季も欧州の舞台を席巻するか 厳しさを増すライバルの包囲網

大きな障害はなさそうなレアル・マドリー

モラタ(右端)、アセンシオ(左から2番目)ら将来性豊かな新戦力を獲得したレアル・マドリー 【写真:ロイター/アフロ】

 9月13日に始まる新シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)には、リーガ・エスパニョーラから今季もおなじみの4チームが出場する。そのうち昨季王者のレアル・マドリー、同準優勝のアトレティコ・マドリー、2005−06シーズン以降に4度の優勝を経験しているバルセロナの3チームは、今季もヨーロッパ最高のコンペティションで恐るべきポテンシャルを見せつけることになるはずだ。未知数なのはセビージャで、今回こそグループリーグを突破できるのか、それとも戦い慣れたヨーロッパリーグ(EL)に再び舞台を移すのか、真価が問われるシーズンとなる。

 昨季の決勝でその2シーズン前と同じくアトレティコ・マドリーを破ったレアル・マドリーは、今季のCLで通算12回目の優勝を目指す。今夏はビッグネームの補強こそないものの、将来性豊かなルーカス・バスケスとマルコ・アセンシオ、そしてスター選手としてユベントスから戻ってきたアルバロ・モラタが贅沢(ぜいたく)なバックアッパーとして、クリスティアーノ・ロナウドやギャレス・ベイルの不在時に代役を務めることになる。

 ユルゲン・クロップの監督時代に何度も対戦したボルシア・ドルトムント、C・ロナウドの古巣スポルティング・リスボン、そしてポーランドのレギア・ワルシャワと同組に入ったレアル・マドリーは、今回も決勝トーナメント進出に向けて大きな障害はなさそうだ。

 グループ最大のライバルとなるドルトムントにはマリオ・ゲッツェがバイエルン・ミュンヘンから復帰した他、同じくバイエルンからセバスティアン・ローデ、レンヌからウスマン・デンベレ、ボルフスブルクからアンドレ・シュールレ、そしてオサスナからは若手有望株ミケル・メリーノが加わった。

より厳しいグループに入ったアトレティコ

アトレティコ・マドリーはリーガではアラベス、レガネスと2試合連続で引き分ける苦しいスタートを切った 【写真:ロイター/アフロ】

 アトレティコ・マドリーはより厳しいグループに入ったものの、バイエルンと並んで決勝トーナメント進出の有力候補であることは間違いない。ただ昨季の決勝トーナメント1回戦でPK戦に持ち込まれたPSVは、今回も“ロス・コルチョネロス”(=布団屋。アトレティコの愛称)にとって厄介なライバルとなるだろう。同組ではロシアの新興クラブ、FKロストフとも対戦する。

 リーガ・エスパニョーラでは昇格組のアラベス、レガネスと2試合連続で引き分ける苦しいスタートを切ったアトレティコ・マドリー。だがディエゴ・シメオネ監督は主力選手を軒並み維持しながら、ケビン・ガメイロ、ニコラス・ガイタンら“クラック(名手)”を補強することに成功している。

 バイエルンは3シーズン指揮したジョセップ・グアルディオラが退任した後、カルロ・アンチェロッティを新監督に迎えた。彼は14年にレアル・マドリーを率い、他でもないアトレティコ・マドリーを決勝で破ってCLを制した監督である。

 バイエルンもチームのベースは昨季までと変わらないが、今季は新たにポルトガルの新星レナト・サンチェス、ドルトムントとドイツ代表の守備の要であるマッツ・フンメルスを補強している。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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