日本サッカー協会（ＪＦＡ）は２０日、都内で会見を行い、２９日に松本平広域公園総合球技場で開催されるＵ−２３南アフリカとの国際親善試合に臨むＵ−２３日本代表メンバー２１名を発表した。

　先日のキリンカップでＡ代表にも選出された遠藤航（浦和レッズ）、大島僚太（川崎フロンターレ）、浅野拓磨（サンフレッチェ広島）らが順当にメンバー入りした一方、けがで戦列を離れていた中島翔哉や室屋成（共にＦＣ東京）、鈴木武蔵（アルビレックス新潟）ら1月の五輪最終予選を戦ったメンバーが復帰を果たした。

　また、すでにオーバーエイジ（ＯＡ）枠の選手に内定している藤春廣輝（ガンバ大阪）と塩谷司（サンフレッチェ広島）は招集を見送った。手倉森誠監督は「ＯＡを呼ばないのは僕の考えです。今、Ｊリーグは１ｓｔステージの優勝争いの佳境で２ｎｄステージも始まる。ＯＡの選手はブラジルに行ってからでも十分すり合わせができる。それくらいの自信がある」とその理由を説明した。

　手倉森監督は南アフリカ戦について「壮行試合ではなく強化試合、７月１日に五輪メンバー１８名を発表する前の最後のテスト」と位置づけ、「柔軟性と割り切り、メリハリの利いたサッカーを示したい」と、意気込みを語った。

登壇者：
手倉森誠（Ｕ−２３日本代表　監督）
霜田正浩（日本サッカー協会 技術委員）

＜メンバー２１名発表＞
ＧＫ：
櫛引政敏（鹿島アントラーズ）
中村航輔（柏レイソル）

ＤＦ：
松原健（アルビレックス新潟）
亀川諒史（アビスパ福岡）
橋本拳人（ＦＣ東京）
室屋成（ＦＣ東京）
植田直通（鹿島アントラーズ）
三浦弦太（清水エスパルス）
中谷進之介（柏レイソル）

ＭＦ：
大島僚太（川崎フロンターレ）
遠藤航（浦和レッズ）
伊東純也（柏レイソル）
原川力（川崎フロンターレ）
矢島慎也（ファジアーノ岡山）
野津田岳人（アルビレックス新潟）
豊川雄太（ファジアーノ岡山）
井手口陽介（ガンバ大阪）

ＦＷ：
鈴木武蔵（アルビレックス新潟）
中島翔哉（ＦＣ東京）
浅野拓磨（サンフレッチェ広島）
オナイウ阿道（ジェフ千葉）

霜田　皆さん、こんにちは。五輪の準備あるいは強化の場として、国内最後の試合になりました。この最後の試合は、五輪に出場する国と最後の最後でどれだけの力を発揮できるかという強化の場としたいと思っていましたので、ここで五輪に参加する南アフリカと一戦をまみえるというのは非常にうれしく思っています。

　そしてこの試合も「キリンチャレンジカップ」として、緊張感のある試合をやりたいなと思っていますし、Ａ代表だけではなくて、五輪年代の強化、サポートもしていただいているキリングループ様には、あらためて感謝を申し上げたいと思います。

協会広報　なお本試合は、２０１４年１月のこのチームの立ち上げから３４試合目の国際試合となります。これまでの戦績は２３勝６敗４分けという成績を残しております。

手倉森　今、（広報の）高埜さんからＵ−２３が２３勝していると。Ｕ−２３なんで２３勝、そこで足踏みしないようにやらなければいけない（笑）。今回の南アフリカ戦、リオへ向けての国内最後の強化試合となれば、それが壮行試合なのかと思われている方もいらっしゃると思いますが、これはあくまでも強化試合だと。７月１日にいよいよ１８人を発表する前の最後のテスト。そういう意味で、これまで活動にずっと参加してきている選手、プラスアジア最終予選からけがで離脱していた選手、そしてあらためてもう一回、手元において見てみたい選手、それを含めて２１名で構成したメンバーになります。

　チームとして世界に挑む時の準備をこれまでもしてきましたけれども、スピードとパワー、それを示しながらの戦いをしたいなと。選手的には柔軟性、割り切り、メリハリの利いたサッカーというのを、この南アフリカ戦ではお見せしたいと。このメンバーで示すサッカーは、五輪でも示そうとするサッカーということなので、リオで躍進する可能性というのを、まずこの試合で確認してもらうと。それがこの試合の強化だというところになります。

　チケットの売れ行きもいいみたいで、期待に応えられるようなゲームをぜひしたいなと。そしてアジア最終予選の前は皆さん不安にかられていたような状況だったと思いますが、今回はこの試合が終わった後に本当にワクワク、リオの本戦が待ち遠しくなるような、そういう雰囲気になれるようなゲームを示せればと思います。