SBバンデンハークが語る14連勝の理由 オランダで生まれ、異国で続けた成長

週刊ベースボールONLINE

堀内、郭の持つ記録を塗り替えたバンデンハーク(右) 【写真は共同】

 2015年に来日し、6月14日の広島戦(ヤフオクドーム)でデビュー戦白星を飾って以来、いまだ負けなし。福岡ソフトバンクの強力な先発投手陣の中でも際立った安定感を誇っている。オランダで生まれ育ち、米国、韓国を経てたどり着いた日本で成長を続ける右腕のルーツをたどった。

 5月10日の千葉ロッテ戦(ヤフオクドーム)で今季5勝目を挙げ、9勝0敗だった昨季と合わせて、デビュー以来の14連勝を飾った。これで堀内恒夫(元巨人)が1966年にマークした初登板からの連勝記録を更新。また、87〜88年に郭泰源(元西武)がマークした外国人投手の連勝記録も塗り替えた。プロ野球の連勝記録は12〜13年・田中将大(東北楽天)の28連勝がある。

「堀内氏、郭泰源氏と並び光栄」

──来日以来、負けなし。何が奏功しているのでしょうか。

 一つひとつの勝ち負けにこだわってマウンドに上がっているわけではありません。自分が見ているのは常に先のこと。1回1回の登板を通じて、少しでもいいピッチャーになろうと心掛けてやっているんです。そういう気持ちで投げていると、過去に起こってしまったことは気になるものではなくなります。それはすでに自分の力では変えられないことですからね。振り返らずに、常に前を向いてやっている結果ではないでしょうか。

──日々、ベストを尽くすことの継続だと思いますが、日本の環境でそれをやる難しさはありませんか。

 自分がやらなければならないことは決まっていますし、それをどこでやるかは関係ないことだと思っています。量より質を大事にしてトレーニングを継続します。オンとオフの切り替えは重要なポイントで、しっかり取り組まないといけないときには、自分の気持ちを奮い立たせて全力で取り組むと決めています。それをやるにあたって、日本であれ、ほかの国であれ、場所は問題ではありません。

──3球団を渡り歩いた米国での11年間では結果を残すことができませんでしたが、13年に韓国・サムスンに移籍後、成績が向上しています。ターニングポイントは?

 韓国に渡る前年がポイントですね。12年はパイレーツ傘下の3Aで主にプレーしていたんですけど、そこで一緒にやったピッチングコーチが腕の振りの改善に一緒に取り組んでくれました。それから少しつかみかけたものがあって、その中でイニングを重ねることができたんです。そして、次の年はオファーをもらった韓国のサムスンに進んだのですが、そこでは門倉健コーチと出会いました。門倉コーチには新たに体重移動のやり方を教わって、腕の振りと合わせて自分の身になっていった感じがありました。私はオランダ出身で、高校までは年間20試合くらいしかやっていませんでした。ですから、野球はやっていますけど、細かい技術や知識を得ることがないまま、プロになったんです。米国に行ってから少しずつ新しいものを学んで、吸収して成長してこられたと思っています。それがあって韓国、日本でも新たな経験を積めています。そういったものが、いま、一つのパッケージとなって自分に備わってきたんです。それが13年以降の結果につながっているのではないでしょうか。

──来日当初に課題としていたクイックモーションも、工藤公康監督から及第点を得るまでになりました。

 そうですね。昨年、入団したときに指摘されたことで、自分としても取り組まなければならない課題だと認識しました。ある程度はできるようになっていますが、まだまだ追求していくものだと思ってやっています。

──連勝記録で堀内恒夫(元巨人)、郭泰源(元西武)といった日本の伝説の投手と名前が並んで報じられました。

 これまで知らなかった方たちですけど、今回の自分の記録があったことで学びましたよ。堀内さんは元巨人の大エースです。郭さんはソフトバンクでピッチングコーチをされていたんでしょう! 現役時代は西武の伝説のピッチャーだったと聞いています。そういう方たちと名前が並んでいることはすごく光栄なことです。アメージング!

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