リオで目指すは「夫婦でメダル獲得」 パラ柔道、廣瀬悠・順子が代表入り

スポーツナビ

夫婦そろって代表に内定

夫婦そろってリオパラリンピック代表に内定した廣瀬悠(右)と順子 【写真は共同】

 二人三脚でつかんだ夢の舞台への切符だ。

 日本視覚障害柔道連盟は4日、リオデジャネイロパラリンピックの日本代表候補選手選考大会を行い、候補選手12名を発表した。男子90キロ級では廣瀬悠(はるか)が選出され、、女子57キロ級を制した妻・順子(ともに伊藤忠丸紅鉄鋼)とともに夫婦でリオの切符をつかんだ。

「僕は練習嫌いなので、順子さんがいると頑張れる。夫婦でありながらライバルとして意識しているので、順子さんだけリオに行かれるのは悔しいという気持ちで練習していました。1人だったらサボってしまうことでも、2人だったら乗り越えることができる。それが2人とも結果が出た要因だと思います」(悠)

 昨年の12月に入籍したばかりの新婚夫婦は、ともに同階級の出場枠を争うライバルに3連勝。きっちりと結果を残すと、試合後はそろって観客の声援に照れくさそうな笑顔で応えていた。

トレーニングを共にして身につけた武器

 3連勝は収めたもののが、簡単な試合は一つもなかった。悠は「もっと余裕があると思ったが、(ライバルたちの)『ここを勝てば……』という気迫がすごかった」と大会を振り返っている。

 特に悠の2試合目、松本義和(アイワ松本治療院)戦は試合時間5分では決着がつかず延長戦までもつれ、約30分に及ぶ死闘となった。悠は対戦中に「2回ぐらい負けてもいいな」と思うほど追い込まれていた。しかし、これまでのトレーニングで体力に自信をつけており、 焦らずに戦えば「いつかは勝てる」とも思っていた。その根拠となったのが、地元・愛媛県松山市内の太山寺に続く山道を走るトレーニングだ。悠は順子と一緒に練習を始めた昨年の10月以降、減量のために往復6キロの山道を週3〜5回、サウナスーツを着て走っている。走り込みでスタミナも培われたことにより、長期戦になっても技を出し続けて優勢勝ちを収めることができたのだ。

 順子も今大会は緊張して思うように技を出せなかったが、リオに向けて強化してきた返し技と寝技で1本を奪った。

ともに夫婦2人でトレーニングを始めてから身につけた武器が、大きな助けとなった。順子は結婚してプラスになったことを聞かれるとこう応えた。

「悠さんが旦那さん兼コーチなのでアドバイスをくれる。それがなぜ必要なのかを受け入れやすく指導してくれます。そういった指導があったから、(今日のような試合が)できたと思います」

夫婦そろってメダルを取りたい

 これまでは「夫婦そろってリオに行くこと」を目指してきた。その願いをかなえると、2人はすぐに目標を上方修正した。

「夫婦で(パラリンピックに)出場するのは珍しいことだと思います。皆さんに注目される間に、もっと良い結果を。リオでは夫婦でメダルを取れるように頑張ります」(悠)

「パラは出場して終わりではなく、結果を残すことがすべてだと思います。本番まで気を抜くことなく、2人で強くなって本番を迎えたいです」(順子)

 代表内定を祝い今日だけは好物のすしを解禁するというが、リオまでの残り4カ月はまたストイックな日々を送る。時に夫婦として支え合い、時にライバルやコーチとして互いに高め合いながら。

(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント