ヤクルト、チーム力向上のカギは? 「つばめ改革」進める秋季キャンプに迫る
セ・リーグを制したヤクルトだが、日本シリーズではソフトバンクに完敗。真中監督(写真)も「圧倒された」と口にした 【写真=川口洋邦】
1軍未経験投手のレベルアップが必須
日本シリーズでソフトバンクに1勝しかできずに敗れた。真中監督は素直な思いを口にした。
「本当に圧倒された。投手も打線も守備も、いろんな部分で劣っていた」
選手層の差は明らかだった。まずは投手陣だ。先発投手は日本シリーズ5試合で5回を投げ切った投手がいなかった。レギュラーシーズンでは昨季、両リーグワーストの防御率4.62から、リーグ4位の同3.31に改善したとはいえ、課題は明確だ。若手中心で一軍未経験の選手も多い秋季キャンプメンバーには「この層のレベルが上がってこないと、チーム力は上がらない」とハッパを掛けた。テーマは投げるスタミナ強化と、新球習得。アピールに燃える若手投手陣は連日、投げ込みを敢行した。
若手だけではない。昨オフ、千葉ロッテからFAで獲得しながら3勝8敗に終わった成瀬善久とは「個人面談」も行った。「30歳。みんな研究してくるし、ここで自分が変わらないと先には進めない。せっかくの秋だからいろいろなことを試してほしい」と語りかけると、左腕は「新しい球種を含めて、いろいろなことにチャレンジしたい」と答えたという。
鉄壁を誇った救援陣もさらなるレベルアップが求められる。41セーブで最多セーブのタイトルを獲得したバーネットは、ポスティングシステムでメジャーリーグ移籍を目指して退団が濃厚。今季はロマン、オンドルセク、バーネットと3人の外国人投手を起用する真中流の「勝利の方程式」がズバリとはまったが、再考が強いられる。中でも、指揮官が「ウチは左(投手)が少ないし、使えるようにならないかな」と話したのが竹下真吾、岩橋慶侍、中元勇作らの存在。久古健太郎、中澤雅人に頼りっぱなしだった左投手の出現が待たれる。