セ・リーグのドラフト補強ポイントは!? ヤクルトは高山指名を公言 巨人は外野手

ベースボール・タイムズ

中日、新世代のシンボルの指名を

高校生ナンバーワン右腕の評価が高い県立岐阜商業高・高橋純平。3年後には2ケタ勝利も夢ではない!? 【写真は共同】

 優勝争いに絡むことなく5位で終焉した中日。世代交代の波に飲まれ、山本昌、朝倉健太、和田一浩、小笠原道大といったベテランも引退。谷繁元信が監督に専任する来季へ向けて、まずはドラフトで“新世代”のシンボルを指名したいところだ。

 まず求められるのが、先発投手だ。大野雄大は11勝(10敗)、防御率2.52と新エースとして成長し、20歳の若松駿太も10勝(4敗)、防御率2.12と飛躍したが、完全復活が期待された吉見一起が8試合3勝止まりで来季も不透明。まずは投手王国再建を加速することができる逸材を何としても手に入れるべき。地元ルートでの高校生、社会人ルートでの“隠し玉”の即戦力の指名にも期待したい。

 野手陣では亀澤恭平の台頭が大きいが、全体的に高齢化が進んでおり、内外野ともに高校生を中心とした次世代のレギュラー候補の指名が必要となる。内野では高橋周平のライバルとなる主軸候補を、外野では広いナゴヤドームに適応したスピード豊かな選手が欲しい。昨年のドラフトでは、高卒0人で大学、社会人から大量9選手を指名したが、目立った成果は得られなかった。落合博満GM以下、球団首脳陣がどういう判断を下すかに注目したい。

●スポーツナビ推薦選手

高橋純平(県岐阜商高)
小澤怜史(日大三島高)

 甲子園で2試合連続2ケタ奪三振を記録した高橋純平は地元の顔として是が非でも取りたい逸材。また、小澤は全国大会の実績はないものの、夏の地方大会で152キロを計時した本格派右腕。将来性も高く世代交代を推し進めるチームにピッタリだ。

DeNA、先発陣の再整備と内野強化を

先発不足のDeNAにお勧めしたいのが仙台大・熊原。150キロを超える速球と安定感はアマチュア屈指 【写真は共同】

 前半戦首位ターンも好不調の波が激しく、終わってみれば最下位となった横浜DeNA。先発投手陣の整備は急務で、センターラインが定まらない野手陣にもテコ入れが必要。監督が中畑清氏からラミレス氏に代わるが、補強が必要なことに変わりはない。

 チーム防御率3.80はリーグワースト。先発陣は、久保康友、山口俊、井納翔一、三嶋一輝、三浦大輔、さらには砂田毅樹、石田健大の若手も台頭したが、規定投球回数に届いた投手は0人。他球団にはローテの柱がいるが、DeNAには存在しなかった。来季を考えると先発即戦力が欲しいところだが、将来を考えて高校生の大器を指名してもいい。いずれにしてもエースの器を持った投手が必要になる。

 野手でも即戦力が必要。筒香嘉智、梶谷隆幸、荒波翔とそろう外野ではなく、一、三塁を外国人、二遊間を複数人でしのいだ内野に、レギュラーとして1シーズンを戦い抜ける“強さ”を持った選手を加えたい。ただ、チーム全体を考えると投手優先は仕方のないところ。昨年のドラフトでは、1位・山崎康晃、2位・石田健大、3位・倉本寿彦を指名し、今季だけを見れば12球団ナンバーワンの結果を得た。いい流れを継続したい。

●スポーツナビ推薦選手

熊原健人(仙台大)
茂木栄五郎(早稲田大)

 高校時代は無名だった熊原だが、大学で大きく成長。今年の全日本大学選手権では150キロも計時した。制球力もあり、大崩れしない安定感は先発向きだ。茂木は勝負強い打撃と一発のあるパンチ力が魅力。1年目から定位置取りも期待できる。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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