武豊エイシンヒカリの“逃げ”に注目 毎日王冠&京都大賞典のTM座談会

競馬専門紙「優馬」

競馬専門紙「優馬」トラックマン座談会

 今週は東西で秋のGIを占う重要なステップレースが組まれた。まず、11日(日)は東京で毎日王冠、12日(月)に京都大賞典。ともに1着馬には天皇賞(秋)の優先出走権が与えられる。

ディープインパクト祭り 毎日王冠

馬任せの逃げで重賞連勝を狙うエイシンヒカリ 【撮影:日刊ゲンダイ】

デスク「まずは、毎日王冠から行こう。天皇賞の前哨戦であると同時に、マイル路線の馬も出走してくるので、例年ハイレベルな戦いとなるレースだが、今年は出走全馬に重賞勝ち実績があるんだよな。加えて、ほとんどが先に目標のある休み明けの馬だから、本当に難しいよ」

武井「何を信ずべきか、ということになるかと思いますが、僕はアンビシャスですね。ラジオNIKKEI賞での3馬身半差は、グレード制導入後の最大着差。相手に恵まれたとはいえトップハンデを背負ってのものですから、価値があります。その前走で課題の折り合いをクリアして精神面での成長を示した上に、この中間では坂路で一番時計をマークするなど体力面での成長も見せていますからね。もとより3歳馬の活躍が目立つレースですから、この相手でも互角に戦えると見ています」

久光「ラジオNIKKEI賞では、ハンデ戦になってからトップハンデ馬も1番人気馬も勝ってなかったんですから、二つのジンクスを一蹴したことになりますよね。天皇賞の出走へ向けて、悪くとも2着で賞金を加算したい立場ですし、同じ休み明けでも勝負度合が高いんじゃないかと思います」

大江原「まだ若さを残していた共同通信杯でも、リアルスティール、ドゥラメンテに続く3着で、世代トップと遜色ない資質を示していたからな。ここは一気に相手が強くなるけど、そのぶん淀みない流れとなって折り合いも付けやすいはず。ワンターンの東京コースで更に良さが発揮できると思うぞ」

瀬古「陣営も“エイシンヒカリが作る流れなら極端なスローにはならないだろう”と見ています。前走にしても、前で運んだ馬向きの流れであれだけの決め手を見せたものですから、道中でしっかりと脚が溜められるなら、古馬をまとめて差し切って不思議はないでしょうな」

清野「でも、古馬の壁はそれほど甘くはないと思います。今年は13頭中10頭までを占める“ディープインパクト祭り”となっていますが、中でも瀬古さんからペースメーカーとして名前が挙がったエイシンヒカリを推したいですね。開幕週の馬場は有利な上に、無理に競りかけてくる馬もいないでしょうし、何より武豊騎手が完全に手の内に入れた印象を受けます」

西田「この馬が逃げると、後続も動くに動けませんよね。先を見越しての仕上げだとは思いますが、元より鉄砲駆けするタイプですし、フレッシュな状態で気持ちの面でゆとりがあると思います」

「陣営も“変に抑えて掛かるより、気分良く馬任せが一番”とのことや。同じ舞台の前走で勝っとるんやし、精神面で成長した今なら、昨年の秋(大斜行)みたいなこともないやろな」

佐藤直エイシンヒカリに未知の魅力があるのは認めるけど、時計面での裏付けが不足しているんだよな。このメンバーで◎までの信頼は置けないよ」

久光「この馬も、今回は今まで戦ってきた馬とはワンランク上の相手になりますよね。戦績的に人気になるのは当然としても、個人的にはここ2戦の内容で底が割れた感も受けるので、思い切って無印にしました」

小野智「エプソムカップこそ、エイシンヒカリの逃げ切りを許したディサイファですが、東京1800mでは崩れ知らずの馬です。休み明けで目標が先に設定されている馬たちより、一足先に始動しているのは大きなアドバンテージではないでしょうか」

小島「この馬も目標が天皇賞でお釣りを残した仕上げですが、それでも完勝だった前走からデキが落ちているわけではないですし、3ヶ月以上も休んでいる馬とは順調度が違いますよ。目下の充実ぶりはGIも本気で狙えるレベル。道悪も得意な全天候型ですから、勝負になると思います」

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著者プロフィール

競馬専門紙「優馬」のスペシャル競馬サイト。トレセンや競馬場という現場で記者やトラックマン達が仕入れてきた生情報を元に、予想記事やコラム記事を掲載しています。さらに、競馬ファンのニーズに対しダイレクトに応えていくようなコンテンツも展開。

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