元世界王者ジュベールが抱く野望 「仏スケート連盟の会長になりたい」
ペアとしては活動していない
自分でも驚いているんです。競技会への出場をやめた頃は、することが何もなくなるのではないかと思っていました。でも2014年はアイスショーにたくさん出演しましたし、テレビ番組にも出て、最近はコーチ業も始めました。ジャパンオープンの翌週にはポンサールの試合にも同行予定です。この大会が僕の唯一の競技会になります。最近はアイスショーが主な活動になりますが、ロマンにとって今季はとても重要なシーズンなので、彼の指導にも力を入れていきます。フランスでチャンピオンになり、欧州選手権、世界選手権にも一緒に行くつもりです。
――ソチ五輪後はペアも結成しましたが、ペアとしてはもう活動していないのですか?
ペアとしては活動していません。ロシア人のスケーター(カタリナ・ゲルボルト)とペアを組むつもりでした。彼女からはロシアに来てほしいと提案されたのですが、「いや、僕はフランスでやりたいんだ」という話になって……。それにショーやコーチで忙しかったので、ペアの練習をする時間もなかったですね。
ポンサールのコーチとなった経緯
彼は前のコーチと問題を抱えていました。その中、今年の4月にフランス(代表との)ツアーで1カ月間を共にし、練習では彼にアドバイスもしていました。それで2人のフィーリングが合ったんですね。だから彼から電話が来て「コーチになってほしい」と言われたときは「もちろん、問題ないよ」とオファーを受けました。
ロマンにはできるだけ自信をたくさん与えるようにしています。彼は大けがをして試合に出られない時期が続いたので、今はできるだけ試合に出て、技術的にも自信を持ってリンクに立ち、強い気持ちで臨ませる必要があります。そのために、今はジャンプを継続して跳ばせていますね。また、ニコライ・モロゾフとは振付師として良いチーム関係を築いています。彼はロマンのために素晴らしいプログラムを作ってくれました。
――ポンサール選手への指導で気をつけていることは?
コーチはとても難しい仕事です。ただ、僕は昔から彼のことを知っているので、疲労がたまっていそうな時もすぐに気づくことができます。実は彼はこれまで、そんなに多くは練習してきていませんでした。より良いスケーターになるための方法を知らなかったんです。でも、彼の限界ははるか先にありますから、今は彼をどんどん滑り込ませているところです。