元世界王者ジュベールが抱く野望 「仏スケート連盟の会長になりたい」

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ジャパンオープンの前日に取材に応じたジュベール。多忙にもかかわらず柔和な笑顔を見せてくれた 【スポーツナビ】

 五輪出場4回、世界選手権では優勝1回を含む計6回表彰台に上がったブライアン・ジュベールも31歳になった。フランスを代表するこのフィギュアスケーターは、ソチ五輪を最後に引退を表明。その後、ペアに転向することを発表したものの、主だった競技会に出場することはなく、現在は活動そのものを停止したようだ。最近ではアイスショーへの出演に加え、コーチとして、同胞のロマン・ポンサールを指導することに力を入れている。ジャパンオープンの前日(10月3日)、そのジュベールに話を聞く機会に恵まれた。コーチになった経緯や指導方法、選手時代の思い出、そして今後の活動について。柔和な笑みを浮かべながら、ジュベールが語ってくれた。

ペアとしては活動していない

ソチ五輪後もアイスショーやテレビ出演など、精力的に活動している 【写真:ロイター/アフロ】

――アイスショーやロマン・ポンサール選手のコーチ、そして競技会であるジャパンオープンへの出場など、幅広く活躍されていますが、その中でもメーンにしている活動は何ですか?

 自分でも驚いているんです。競技会への出場をやめた頃は、することが何もなくなるのではないかと思っていました。でも2014年はアイスショーにたくさん出演しましたし、テレビ番組にも出て、最近はコーチ業も始めました。ジャパンオープンの翌週にはポンサールの試合にも同行予定です。この大会が僕の唯一の競技会になります。最近はアイスショーが主な活動になりますが、ロマンにとって今季はとても重要なシーズンなので、彼の指導にも力を入れていきます。フランスでチャンピオンになり、欧州選手権、世界選手権にも一緒に行くつもりです。

――ソチ五輪後はペアも結成しましたが、ペアとしてはもう活動していないのですか?

 ペアとしては活動していません。ロシア人のスケーター(カタリナ・ゲルボルト)とペアを組むつもりでした。彼女からはロシアに来てほしいと提案されたのですが、「いや、僕はフランスでやりたいんだ」という話になって……。それにショーやコーチで忙しかったので、ペアの練習をする時間もなかったですね。

ポンサールのコーチとなった経緯

――それではコーチとしての活動について教えてください。ポンサール選手のコーチになった経緯は?

 彼は前のコーチと問題を抱えていました。その中、今年の4月にフランス(代表との)ツアーで1カ月間を共にし、練習では彼にアドバイスもしていました。それで2人のフィーリングが合ったんですね。だから彼から電話が来て「コーチになってほしい」と言われたときは「もちろん、問題ないよ」とオファーを受けました。

同胞のポンサールから直々にコーチ就任の依頼を受けた 【Getty Images】

――ポンサール選手に教える際はどんなところに注力していますか?

 ロマンにはできるだけ自信をたくさん与えるようにしています。彼は大けがをして試合に出られない時期が続いたので、今はできるだけ試合に出て、技術的にも自信を持ってリンクに立ち、強い気持ちで臨ませる必要があります。そのために、今はジャンプを継続して跳ばせていますね。また、ニコライ・モロゾフとは振付師として良いチーム関係を築いています。彼はロマンのために素晴らしいプログラムを作ってくれました。

――ポンサール選手への指導で気をつけていることは?

 コーチはとても難しい仕事です。ただ、僕は昔から彼のことを知っているので、疲労がたまっていそうな時もすぐに気づくことができます。実は彼はこれまで、そんなに多くは練習してきていませんでした。より良いスケーターになるための方法を知らなかったんです。でも、彼の限界ははるか先にありますから、今は彼をどんどん滑り込ませているところです。

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