U−22日本に必要な国際試合の経験値 コスタリカ戦で感じられた成長への手応え

川端暁彦

久々の“殴り合い”となった試合

野津田(右)のゴールなどもあり、日本は2−0でコスタリカに勝利した 【写真は共同】

「コスタリカについては1カ月前の映像を見ていて、これは相当レベルの高い相手だというのは分かっていた」(DF岩波拓也)

 U−22日本代表は7月1日、ユアテックスタジアム仙台にU−22コスタリカ代表を迎えての国際親善試合を実施した。先のワールドカップ(W杯)ブラジル大会で躍動を見せたコスタリカの年代別代表チームは、期待に違わぬ確固たる個のベースを持った好チームだった。

 試合序盤、「アグレッシブに向かってきた」(岩波)コスタリカに対し、日本は少し後手に回る格好となる。屈強なFWマイロン・ジョルジを起点に、日本の守備陣に激しいコンタクトプレーを仕掛けて押し込みにかかった。対する日本も小柄ながら抜群の敏捷(びんしょう)性を誇るFW浅野拓磨を頂点とした、スピーディーな攻めから崩しにかかる。

 アジアのチームを相手に「引いて守る相手をどう崩すか」という試合の多かったU−22代表にとって、久々の“殴り合い”。6分に浅野のシュートがポストをかすめれば、10分にはスルーパスから抜け出したジョルジに対してGK櫛引政敏がタイミング良く飛び出してこれを防ぐ。どっち付かずの熱い攻防に、若い選手たちのボルテージが上がっていくのがスタンドからでもよく分かる、そんな好勝負となった。

 試合が動いたのは36分。中盤でボールを持ったMF遠藤航の完璧なロングフィードから、左サイドバックの亀川諒史が抜け出す。「アビスパでもあそこで持ったら仕掛けろと言われている」と迷わずドリブルで相手DFを抜きに行った亀川。そのクロスに、MF野津田岳人がタイミング良い飛び込みで合わせて先制点を奪い取る。複数人のゴールへのイメージがかみ合うような、見事な形だった。

観衆の度肝を抜く金森のミドルシュート

途中出場ながら追加点を挙げた金森(左)。豪快なミドルシュートは観衆の度肝を抜いた 【写真は共同】

 後半は、互いに選手や戦術を試しながらチームの強度を下げないで戦うという展開。コスタリカは、W杯でも見せた5バックシステムに切り替えて日本の攻撃を封殺にかかった。これに対して日本は、中盤で余裕のできた遠藤がボールを運んでゲームを動かすシーンが増えていく。主将の遠藤は、守備では屈強な相手にも負けぬ強さと危機察知能力の高さを、そして攻撃ではボールを運んで縦パスを通す質の高さを見せ、頭一つ抜けたA代表レベルの選手であることを示した。

 日本は後半25分に野津田を下げて金森健志を入れると、それまでの4−2−3−1システムから、4−3−3システムに変更。遠藤をアンカーに、MF矢島慎也と喜田拓也をその前方に配置し、よりカウンターを意識した選手配置とした。すると後半32分、交代出場のFW金森が観衆の度肝を抜くミドルシュートを放ち、名GKの卵であるコスタリカの守護神、ダリル・パーカー・コルテスの守りを突き破る。この追加点で、ほぼ勝負は決まった。

 日本は後半43分から、センターバックを3枚並べる3バックシステムの5−4−1に近い3−6−1の形へ移行。「アジア最終予選でもあり得る」(岩波)“逃げ切りフォーメーション”と言うべき戦術を遂行する。まさにそのミッションを完成させる形で、コスタリカを相手に2−0と勝ち切ってみせた。

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著者プロフィール

1979年8月7日生まれ。大分県中津市出身。フリーライターとして取材活動を始め、2004年10月に創刊したサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊事業に参画。創刊後は同紙の記者、編集者として活動し、2010年からは3年にわたって編集長を務めた。2013年8月からフリーランスとしての活動を再開。古巣の『エル・ゴラッソ』をはじめ、『スポーツナビ』『サッカーキング』『フットボリスタ』『サッカークリニック』『GOAL』など各種媒体にライターとして寄稿するほか、フリーの編集者としての活動も行っている。近著に『2050年W杯 日本代表優勝プラン』(ソル・メディア)がある

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