コパ・アメリカ準々決勝の見どころは? 強豪同士の好カードや因縁の対決が実現

開催国チリが前回王者と激突

ビダル(右)の処遇が問題となった開催国のチリだが、グループAを首位で通過した 【写真:ロイター/アフロ】

 コパ・アメリカ2015のグループリーグが終了し、ベスト8が出そろった。24日から28日(現地時間。以下同)にかけて行われる準々決勝では開催国チリと前回王者ウルグアイの対戦、そしてアルゼンチン対コロンビアの強豪対決という好カードが実現している。

 クラウディオ・ブラボ(バルセロナ)、ガリー・メデル(インテル)、アルトゥロ・ビダル(ユベントス)、アレクシス・サンチェス(アーセナル)、そしてワールドカップ(W杯)後の引退宣言を撤回して復帰したクリエイティブなパサー、ホルヘ・バルディビア(パルメイラス)らを擁するチリは、今大会で同国史上初のタイトル獲得を目指している。彼らにとってサンティアゴの国立競技場で行われる24日のウルグアイ戦は、真の実力が問われる第一の重要なテストとなる。

 この一週間、グループAのチリは天国と地獄の双方を味わった。中でも半日のオフを利用してカジノへ出かけた帰り道に交通事故に巻き込まれ、その際アルコールテストに引っかかったビダルの処遇については国家レベルの問題にまで発展。重大な規律違反を犯した彼を大会から追放するよう求める声に対し、タイトル獲得を最優先するならチームに残すべきとする意見も多く上がった。

 彼の追放を求める人々の中にはセルヒオ・ハドゥエ同国フットボール協会会長も含まれたが、ホルヘ・サンパオリ監督は協会の圧力に屈することなく、ビダルをチームに残すことを決定する。そして直後のボリビア戦では涙の謝罪会見を行ったビダルも先発し、5−0と大勝してグループ首位通過を果たした。一方、敗れたボリビアもエクアドルを3−2で破った第2戦の勝利のおかげで2位通過を決めている。

主力を欠くウルグアイ

ゴディン(左)らを中心とした堅守は健在ながら、ウルグアイは主力の多くを欠いている 【写真:ロイター/アフロ】

 グループAのもう1つの最終戦ではエクアドルがメキシコを2−1で下して初勝利を挙げるも、ベスト8進出はならず。7月のCONCACAF(北中米カリブ海サッカー連盟)ゴールドカップを優先してBチーム編成で挑んだメキシコも同様に、2分1敗と未勝利のまま大会を去ることになった。

 チリ対ウルグアイの一戦では、チリの猛攻をウルグアイが凌ぎきれるかどうかが鍵となるだろう。ウルグアイはアトレティコ・マドリーのセンターバックコンビ、ディエゴ・ゴディンとホセ・マリア・ヒメネスを中心とした堅守が健在ながら、ディエゴ・フォルラン(セレッソ大阪)、ディエゴ・ペレス(ボローニャ)、ディエゴ・ルガーノ(ヘッケン)らベテランが代表引退、さらにマルティン・カセレス(ユベントス)がけが、ルイス・スアレス(バルセロナ)が出場停止と、一時代を築いた主力の多数を欠く状態にある。

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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