代表入り逃した北島康介、進退は明言せず=再び世界と戦う覚悟を持つことができるか

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男子100m平泳ぎで3位に終わった北島康介 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 競泳の世界選手権(7月24日開幕、ロシア・カザン)の代表選考会を兼ねた日本選手権2日目は8日、東京・辰巳国際水泳場で行われ、男子100メートル平泳ぎは小関也朱篤(ミキハウス)が59秒73で優勝。2位には派遣標準記録ちょうどの1分0秒04を記録した立石諒(ミキハウス)が入り、今季自己ベストとなる1分0秒18を出した北島康介(アクエリアス)は3位に終わり代表入りを逃した。

予選から好調な泳ぎを披露

7日に行われた準決勝では全体2位で決勝進出を決めていた 【写真:アフロスポーツ】

「近年にないくらいの良い泳ぎだった」

 7日に行われた予選で1分0秒62という記録を残し、全体2位で通過した北島はレース直後の第一声で興奮気味にこう語っており、「久々に進む感覚が取り戻せたレースだった」と近年にない手応えを感じていた。同日に行われた準決勝でもタイムを1分0秒31に縮め、予選と同じく全体2位で決勝進出を決めた。

 決勝に向けては「もう一度59秒で泳ぐ感覚を味わいたい」と語っており、去年より3カ月早く始動したというトレーニングや米国のフラッグスタッフで行った高地合宿の成果を感じさせ、その合宿で負傷した右足も問題ないと思わせるような仕上がりの良さを見せていた。

今後について、複雑な胸中を語る

現役続行か否か。北島の決断に注目が集まる 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 しかし迎えた決勝では前半のスピードが乗らず、目標の59秒台には届かなかった。北島は「セーブしたつもりはないけど、2人が強いから意識した」と後半に伸びるタイプの小関と立石を意識したと語った。北島が師事する日本代表の平井伯昌ヘッドコーチも、「後半のことを考えて、前半が慎重になっていた」と同様の見解を示している。

「どんな結果でも受け入れるつもりでやった」と語る北島だが、自身の泳ぎに手応えを感じていただけに、その胸中は複雑なようだ。

「本音ではやりきったと思いたいんですけれど、レースを振り返るともう少しできたのではないかという気持ちが今は強い」「まだまだチャレンジできている自分が幸せだと感じた」と現役続行への思いを感じさせる言葉を残した一方で、「国内ではまだ勝負できる感覚はあるけれど、もう一回世界に出て行って(トップを争うであろう)58秒台で泳ぐ覚悟があるかと言われると話は別」というコメントも残している。

 今後について、「またどういう準備をしていくのかじっくり考えたい」と話すにとどまった北島が、どのような決断を下すのかに注目が集まる。

(取材・文:豊田真大/スポーツナビ)
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