WWE殿堂入りの藤波が喜びの声「ビンス・マクマホンには感謝」

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殿堂入りを聞き「頭が真っ白」

WWE名誉殿堂入りを果たした藤波(右)と、祝辞を述べたWWEジャパンの西住幹太代表 【スポーツナビ】

 世界最大のプロレス団体、米国WWEの名誉殿堂「ホール・オブ・フェーム」入りが決定した藤波辰爾が25日、都内で会見し、喜びを語った。

 日本人としての殿堂入りは2010年のアントニオ猪木氏に次いで2人目。その快挙に藤波は、「まだ胸がときめいてます。今回の殿堂入りを聞いた時、頭の中が真っ白になりました。長年、夢に見た名誉ですから。数年前に、師匠の猪木さんが受賞した時は、さすが師匠だと思い、まだまだ自分にはと思っていましたが、それを自分が受賞できたことは、本当に信じられない」と、驚きのニュースだったと話す。

 また思い出を振り返ると、「40数年前に九州の大分から、何の格闘技の経験もなく入門し、無我夢中で先輩にしごかれ、カール・ゴッチ(故人)にしごかれ、チャンスに恵まれてニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンのリングに上がりました。それが、僕のレスラー人生の最初だったと思います。あの試合が、自分の中で昨日のように思い出されます。そこから数年経って、けがとの戦いもありましたが、いろいろな状況の中で崩れそうになる時もあったけど、どこかでこつこつと努力を積み重ねれば、ちゃんと見てくれている人はいるんだなと。今回、ミスター・ビンス・マクマホンには感謝したいと思います」と、WWEの会長であるマクマホンに感謝の気持ちを示した。

フレアーとの再開は「心憎い演出」

プロレスデビューした現役立大生の怜於南(左)にもWWEの空気を触れてもらいたいと一緒に米国へ飛ぶ。(右は奥さんの伽織さん) 【スポーツナビ】

 現地時間28日(日本時間29日)には記念セレモニーが行われる。そこでのプレゼンターとなるのが、“狂乱の貴公子”リック・フレアー。藤波とは70年代にノースカロライナ地区でのサーキットを一緒に回って戦ったこともあり、さらに91年の新日本プロレス東京ドーム大会では、フレアーとのIWGPヘビー級王座とNWA世界ヘビー級王座の統一戦を戦い、勝利している。そんな因縁深い相手がプレゼンターとなることに、「心憎い演出をしてくれるなと思いました。日本のプロレスファンは、彼の活躍や、僕との因縁も知っているので、その経緯を分かってくれている中で、彼が僕を呼び込んでくれるのはうれしい」と、ライバルとの再会にも心を躍らせている。

 現在のWWEについては、テレビなどで情報を追っていると話すが、「僕がやっていた頃とは規模も違うし、すべてが変わっていると思います。実際、自分の息子の怜於南が学生でありながらプロレスデビューをしているので、それを体験してもらうために連れて行こうと思っています」と、現役立教大生の息子にも、本場の空気を感じとってもらうことが良い経験になるのではと楽しみにしている部分もあるようだ。

「KENTAと戦ってみたい」

未だ現役の藤波は、米国を主戦場にしているKENTAに「一度、試合をやってみたい」と対戦要求!? 【スポーツナビ】

 今回の会見では、藤波が登場する前に殿堂入りを祝うコメント映像が流された。その中で、WWE傘下のNXTを主戦場にしているKENTA(米国でのリングネームはイタミ・ヒデオ)が登場。英語で、藤波が日本で有名であることを話した。

 そのKENTAについて藤波は、「彼のことは日本にいる頃から知っているけど、素晴らしい選手。ニューヨークの大舞台で花開いてほしいと思っています。多分、顔を合わせることになると思うので、それも楽しみ。試合が見られるのを期待しています」と話した。そして未だ現役である藤波は、「KENTAとも一度、試合をやってみたい」と、対戦要求も出した。

 今後、成し遂げたいことについて問われると、「今回の名誉を大事にしたい。自分はころころスタイルを変えるような器用なタイプではないので、スタイルは一緒。5月11日には自分たちの大会(ドラディション後楽園ホール大会)をやるけど、そこで船木(誠勝)と対戦しますが、そんな若い選手たちに試合で何かを伝えられればと思っています」と自身を貫きながらも、後に続く選手たちに伝えていけたらと話す。
 そして「自分がこの立場になって上から目線ということではないですけど、こういう栄誉を夢見ることを、戦っているレスラーのひとりひとりがやってほしいと思います」と後輩たちにエールを送った。
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