自分を知り、日常生活をよりよく変える 第13回「心のヨガ」

村上華子

【Getty Images】

ヨガは“日常生活の縮図”

 私がヨガの実践をしていて思うことは、心の在り方がそのまま練習姿に出ているなぁ……ということ。これは、自分自身に対して思うのはもちろんのこと、指導するレッスンの現場でも感じています。

 たとえば、何か困難なことがあると逃げ出す傾向がある人は、レッスンで苦手なヨガポーズ(困難)に出くわすと、いつもと同じように、こっそりとさぼったり(笑)……。心が落ち着かないタイプの人は、ポーズの最中にも終始周囲をキョロキョロ、他人の目を気にして集中力を欠いています。

 こんなふうに、ヨガマットの上はまるで“日常生活の縮図”。でも、これを逆手に取れば、マットの上の練習方法で日常生活をよりよく変えていくことにもつながります。

自分を“客観視”することが大切

 ヨガはポーズや呼吸法だけではなく、物事の考え方や、受け止め方など、その人ならではの個性を引き出しながら、生き方を心地よくする処世術です。そのための第一歩は、自分の傾向を知ること。まずは“客観視”することが大切です。

 例えば、飛行機や車を安全に操縦するためには、それがどんな機能を持ち、どんな操作方法をすればよいのかを知らなければなりません。ところが私たちは、大人になると社会的な立場や暗黙のルールで、周りへの配慮は事欠くことがないかわりに、一番大切な自分自身を喜ばせることや、うまく操縦する方法を案外知らないなんてことも。

 自分を押さえつけた反動でストレスが蓄積すると、暴飲暴食、怒りを誰かにぶつけて発散するなど、時には間違った自分の喜ばせ方をしてしまいます。ヨガはこれを「理知の誤り」と呼び、心身のバランスが乱れていて、正しい思考と行動の選択を行うことができない状態と考えます。

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著者プロフィール

ヨガインストラクター、ライター。2004年にヨガを始め、綿本彰氏のスクールで指導者としてのトレーニングを積む。仲間とともに設立したヨガスタジオ「HAS YOGA(ハスヨガ)」などで指導を行うほか、ヨガコラムの執筆など多方面で活躍。ヨガを通じ、人々の幸せの輪が広がることを願っている。2012年12月に第一子を出産後は、自身の経験を踏まえながらマタニティヨガの普及にも情熱を注ぐ

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