V7山中、KO防衛ストップも際立った底力=IBF? 亀田和毅? 統一戦の可能性は?
できればKOで終わりたかったのが本音
連続KO防衛記録はストップした山中だが、3度のダウンを奪い7度目の王座防衛に成功 【中原義史】
「記録はまったく意識していないが、KOは意識している」と繰り返してきた山中は試合後、「できればKOで終わりたかったのが本音。(記録を)期待されているのもわかっていたし、悔しい部分はある」と吐露したが「かなり自分の左に気をつかっていたと思うし、よく研究していて、うまいこと戦われました」と振り返ったように、元WBC世界スーパーフライ級王者でWBC世界バンタム級1位の挑戦者スリヤン・ソールンビサイ(タイ)は“左”対策を徹底していた。
徹底していた挑戦者の“神の左”対策
スリヤンの徹底した“神の左”対策に序盤は苦戦を強いられるも… 【中原義史】
バランスの改善から生まれた3度のダウン
前戦から改善したバランスの良さから生まれたダウン 【中原義史】
「(スリヤンの)右はスピードというよりもタイミングが良かったですね。ただ途中から、それしかないとわかったし、4ラウンドの採点を聞いたときくらいには、もう右のタイミングはある程度はつかめてました」
7ラウンドと8ラウンドのダウンはバックステップで右を外し、スリヤンの上体が流れたところを左ストレートでテンプルを捉え、右アッパーから、さらに左ストレートをフォローしたもの。シュテファーヌ・ジャモエ(ベルギー)との前戦では「一発当てた後のつなぎの部分に課題が出た。バランスが悪く、3発4発とつなげなかった」と話していたが、今回、練習の中で特に手応えを得ていたというバランスの改善が、素早いリターンからのコンビネーションに見られた。スリヤンの圧力に押され、「腰が浮いてしまった」とは言うものの、前戦よりはるかに苦しい状態だったからこそ、バランスの良さは際立った。
7ラウンドのダウン後、じっとしていたら…
7回のダウンではレフェリーから注意を受け痛恨のカウントロス 【中原義史】
バンタム級最強を示すため統一戦を
バンタム級最強を証明するため統一戦に期待が高まる 【中原義史】
その山中の今後について、本田明彦・帝拳ジム会長は「防衛回数を狙っているわけではないし、何しろ、いい相手を見つけたい」と語り、25日にモナコで行なわれるIBF世界バンタム級王座決定戦で来日経験もある目下全勝のホープ、ランディ・カバジェロ(米国)が勝利すれば、「交渉はしやすい」とした。11月1日に米国・シカゴで3度目の防衛戦に臨むWBO王者の亀田和毅については「海外でやる意味はない」と、当然ながら日本ボクシングコミッション(JBC)傘下への復帰が前提となる。いずれにしても、さらに大きな舞台で山中を見たいというのがボクシングファン共通の願いだろう。
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