大自然に魅了された男、木村大作 『春を背負って』監督が山の魅力を語る
【(C) 2014「春を背負って」製作委員会】
名キャメラマンでもある木村大作監督が山に挑む理由
最新作『春を背負って』でも木村大作監督はロケ地として山岳地帯を選んだ 【スポーツナビDo】
「山というか、大自然。山って言ったら高尾山も山だからね(笑)。3000mの大自然に行くのは過酷だけど、地球ってすごいなと思えるものに必ず出会える。だから駆り立てられるんだろうね。
それと、厳しい中に立っている人間は美しいということ。ビーチにいるビキニのお姉ちゃんはきれいの一言で済むんだけど、厳しい自然に立ち向かおうとする人間の姿って美しいんだよ。美しいという言葉の中には、人間の心も含まれているんじゃないかな。
2000mくらいのところなら車でも行けるけど、厳しさを乗り越えないと撮れないものを撮りにいく。だから、スタッフにも俳優にも本当の場所に行ってもらうわけ。それはもう俺の宗教と言えるかもしれないね」
俳優は厳しい目に遭いたがっている
『春を背負って』より 【(C) 2014「春を背負って」製作委員会】
『劔岳』の浅野忠信さんも「俳優としても、人間としても『劔岳』を経験してよかった」と言ってくれたんだけど、それはやっぱり厳しかったけど良かったということだと思うよ。
でも今回は、『劔岳』と同じスタッフにもかかわらず、雰囲気が全然違った。映画自体が山の厳しさじゃなくて、“爽やかさ”を伝えるものだったし、何より女優も登っていたということが大きいと思う。俺も女優さんの前ではあんまり怒鳴ったりできないしね(笑)」
映画を通して伝えたい山の魅力
【スポーツナビDo】
「家族のこと、仕事のこと、人間はいろんなものを“背負って”生きていると思うんだよ。俺自身もそうなんだけど、山に登ると全部忘れちゃう。無になる。モヤモヤしたものから解放される、そういう瞬間が人間には必要だと思う。
山ではいい人にしか会わないからね。悪い人はいない。山はほっといてくれるし、そのくせあったかいんだよね。今回は、映画を観た後、山に登りたくなるんじゃないかと思う。山に登ったことがない人もそうだとうれしいね」
春を背負って
【(C) 2014「春を背負って」製作委員会】
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