【シーホース三河】3/22(土)、23(日) 琉球戦 レポート
アクシデントも重なり天皇杯優勝の琉球に連敗も前を向く。角野亮伍「厳しくマークされるのは選手として嬉しい」
3月22日・23日、スカイホール豊田で行われた「りそなグループ B.LEAGUE 2024-25シーズン」のB1リーグ第26節。シーホース三河は琉球ゴールデンキングスをホームに迎え、GAME1は67-80、GAME2も76-85で敗戦。琉球に連敗を喫した。
前節から三河は攻守の要であるジェイク・レイマンを怪我で欠いていて、一方の琉球は3月16日に行われた天皇杯決勝で勝利し、栄冠を勝ち取ったばかり。勢いにのるチームを相手に、戦前から苦しい展開が予想された。
GAME1は琉球のビッグラインナップに完敗。トータルリバウンド数で三河32本に対して琉球は56本と大差をつけられ、レイマン不在の影響が浮き彫りとなる。ターンオーバーこそ少なかったが、準備してきたことに対する遂行力が低かったようで、試合後にライアン・リッチマンHCは「一生懸命になっていないチームに教えることはない」と叱責したそう。
GAME2は1Qが始まって間もなく、ザック・オーガストとダバンテ・ガードナーがそれぞれ2つのファウルを犯し、早々にファウルトラブルとなってしまう。それでもチーム全員がインサイドでファイトし、我慢強く琉球に食らいついていく。しかし、3Qに西田優大が相手との接触から後頭部を床に強打し、ベンチに退くアクシデントが発生。4Qにはガードナーがファウルアウトして万策尽きた。それでも4Qに二桁点差から4点差まで詰め寄るなど、もしやと思わせる粘り強さを見せた。
今日のゲームについて角野亮伍は「状況的に厳しかった」と認めつつ、ベストを尽くせたと前を向く。
「リーグで一番リバウンドが強い相手に対して、自分たちはビッグマンを一人欠き、さらにファウルトラブルも重なってしまった。いくらトランジションで仕掛けても、相手に落ち着いてインサイドを生かしたバスケットをやられるゲームでした。それでもこの点差に抑えられたのは評価できると思っています」
リッチマンHC も「現状持っているものを出し切ることができたゲームです。今日のように、一体感・努力・エナジーを持ってプレーしていかなければならないと思っています」とGAME2の内容を評価。結果はともかく、GAME2は三河の成長と底力を感じることができた。
■角野亮伍「厳しいマークを受けるのは選手として嬉しい」
レイマンの怪我、そして西田優大のアクシデントもあり、次節は誰がコートに立てるのかわからない状況だ。チーム事情が苦しい今、リッチマンHCは「どのような状況になったとしてもNEXT MAN UP(誰が代わりにやってくれるのか)のメンタリティ。出られなかった人のために次の人がベストのパフォーマンスを出せるように準備していきたい」と決意する。
レイマンが引き続き欠場となるなら、NEXT MAN UPとしてウイングを担う一人、角野亮伍に期待がかかる。今シーズン、3Pシュートの成功率は40%を超え、試合の流れを変えるキーマンとして存在感を示してきた。ただ、最近は角野に対するマークが厳しくなった。琉球戦では、ヴィック・ローが角野をマーク。サイズに加えてクイックネスもある外国籍選手が相手では、なかなか自分のタイミングでシュートを打つのが難しい。
琉球に限らず、多くのチームが角野対策を講じている。他の選手がペイントアタックからキックアウトを狙っても、角野をフリーにさせるチームは少ない。こうした厳しいマークについて、角野も自覚している。
「最初に戦ったアルバルク東京戦(第6節)だったと思います。今まではノーマークでもらってクイックで打つ練習をしてきました。それが通用していたのですが、その試合では安藤周人選手がマークについていたんですけど、スクリーンが向いた瞬間に体をベタッと張り付けてきて、思うような動きができませんでした。これまでと対応が明らかに違いましたね。すぐにアシスタントコーチに相談して、キャッチアンドシュートだけじゃなくて、ボールをもらうまでの動き、ボールをもらってからの動きについて対策を話し合いました」
シーズン序盤のようなオープンな状況でシュートを打てる機会は少なくなった。ただ、角野はマークが厳しくなることは「選手として嬉しい」と話す。
「マークが厳しくなるのは嬉しいことですね。でも、これでシュートを打たなくなるのは相手の思う壺。相手の対応を上回る速さと高さで打ち続けることで道が開けるのかなと。自分の体が成長していると感じている間は、常に相手より速く、強くを追求していこうと思います。ライアンもここで打っていい、このタイミングでも打ってほしいと言ってくれています。僕のメンタル面を含めてうまくコントロールしてくれていますし、自信を持ってプレーするだけです」
角野が3Pシュートを放つと、アリーナが一瞬静まることがある。ブースターも「入る!」と期待しているのだ。一瞬の静寂のあと、爆発するような歓声が起こるシーンを何度も見てきた。角野もその空気を実感しているようで「はい、わかってます。その気持ちに応えたい」と笑う。いよいよシーズン終盤戦、角野のNEXT MAN UPに期待したい。
ライター 初野正和
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