同期入団の絆。ラグビーを頑張れる特別な関係性

【©ジャパンラグビーリーグワン】

「あいつが練習に戻ってきてにぎやかになりました。良い雰囲気になるし、すごく存在感がある。彼の性格がその雰囲気を出していると思うし、チームにとって大きい存在です」

けがから復帰した中国電力レッドレグリオンズのムードメーカー・森田政彰の元気な姿を見て、同期の畑中啓吾は笑顔でそう話した。関西出身の二人は高校時代からの縁でずっと仲がいい。練習でも会社でもよく一緒にいるという。

「部署もフロアも違うけどよく行き来するので、周りからは『また来たな』と思われています。社会人としてもいい年齢になってきたけど、森田といたらお互い昔のままの悪ガキみたいな感じが出てしまいますね」(畑中)

二人は1991年生まれの33歳。チーム内では年長者で、もうベテランの域だ。年を重ねるにつれてけがが多くなった畑中は、「特に昨季は自分の納得いくプレーが全然できなくて、ラグビーはもうそんなに長くできないなと感じていました」と表情を曇らせる。

今季は第3節で二人ともメンバー入りしたが、森田が開始6分に負傷。畑中が代わりに出場し「強い気持ちで試合に臨んだ」と同期のぶんまで戦った。けがが少ない森田だが、今回は顎の骨折で手術を受ける重傷だった。それでも、すぐ前を向いて取り組む姿に、畑中は同期の強さを実感していた。

「けがで手術をしても、心が折れた感じはまったくなかったし、一日でも早く復帰したい思いを近くで感じていた。だから、今季はまだまだ戦えるなと思っていました」(畑中)

長く一緒に過ごしてきたからこそ、お互いの存在は大きい。会社の重要な行事で森田が仕事中にふと横を見ると、同じように真剣な畑中の姿が目に入った。「普段は二人でふざけているのに、お互いちゃんと仕事を頑張っていて、成長したなと思いました」とうれしそうに話す。

「もう僕らの年代になったらラグビーもほぼプレーしている人がいないけど、そんな中でも同い年でずっとやっている。畑中には仕事でもラグビーでも刺激をもらっています」(森田)

畑中も、「これまで手術を3回して、その度にもうキツいなと思ったけど、元気な森田の姿を見ていると、もっと頑張れるなと思える。よく僕にも声を掛けてくれるので、自分のやる気をまだ保てているのは彼のおかげです」と同期に救われてきた。

だからこそ畑中はまた奮起した。昨季はけがで悔しい思いをしたぶん、プレシーズンから体のケアを徹底して取り組んできた。「体とうまく付き合わないといけないけど、パフォーマンス自体はこの2、3年で今年が一番いい状態です」と明るい表情で話す。

森田も驚異の回復を見せて前節で戦線復帰。今節は第3節以来、二人そろって試合のメンバーに名を連ねた。畑中はウイングでスタメン。センターの森田はリザーブに入った。

森田は、「同期が出ているだけでも、僕は『(畑中)ケイゴ行けー!』ってなるし、試合で一緒に出たらかなり気合いが入る。すごくいい影響をもらっています」と明かし、畑中は、「試合で一緒にプレーできればうれしいです」と話した。

いつも横にいるのは刺激し合える特別な存在。ベテラン二人にはまだまだ頑張れる理由がある。

(湊昂大)

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