“聞くこと”とチャレンジャー精神。成長著しいスタンドオフが大事にする二つのもの

【©ジャパンラグビーリーグワン】

敗れれば今季初の連敗、そして3位転落という状況で迎えた第9節で狭山セコムラガッツ(以下、狭山RG)は、先制点を奪われながらもすぐに逆転に成功。そのあとは相手に流れを渡さず、ボーナスポイントを獲得した上で勝利した。2巡目最後のゲームは、長年ライバル関係にあるヤクルトレビンズ戸田(以下、L戸田)が相手。前回対戦では相手をノートライに抑え、5トライを奪って勝ち点5を得ただけに、今回もその再現を狙いたい。

そんな中で試合展開のカギを握るのは、5試合連続で10番を背負いスタメン出場を果たしている忽那鐘太だ。スタンドオフは攻撃の司令塔として、パスやキックの技術はもちろん、広い視野で戦況を見つめ、即座の状況判断が求められる、ラグビーにおいて花形のポジションの一つ。そのポジションでプレーするにあたり、意識していることは何か。忽那は次のように答えた。

「オフェンス面でいえば、舵取りが重要な役目だと思っています。自分の判断力や意思も大切ですが、僕は周りの声もしっかりと聞くことも大切にしています。外からの声をしっかりと信頼した上で、自分のプレーにうまくつなげて(周りに)伝えることを心掛けています」

ゴールキックも任される立場だが、「そこに関しては、まだまだレベルアップをして成功率を高めていくことだけを考えています」と猛練習を続けている。一方で、流れの中のキックについては「フォワードが強みのチームなので、自陣で戦い過ぎないように、しっかりとキックでボールを敵陣に運んでいくことを意識しています」と話した。

チームは入替戦圏内の2位をキープしているが、「いま、自分たちが置かれている立場を意識することはない」と忽那。「次のL戸田戦もそうですが、どんな状況であれ、相手は上を向いて挑んでくる。だからこそ、自分たちも常にチャレンジャーという気持ちを忘れずに、前半からいい入りをして流れをつかみたい」。スタメン出場を重ねることで大きな経験を積み、プレーの質も向上している忽那が、第10節でもチームの勝利に貢献する活躍を見せてくれるか、期待は高まる。

なお、栃木県で行われる狭山RGのホストゲームは、今季のレギュラーシーズンは今節で最後。会場では、スタジアムグルメが楽しめるキッチンカーが複数出店され、ラグビーゲーム、フェイスペイントなど選手と触れ合えるイベントも開催されるので、試合と合わせて楽しんでほしい。

(松野友克)
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