壊れることを恐れずに。魂のタックルへの覚悟と生き様

【写真提供:清水建設江東ブルーシャークス】

清水建設江東ブルーシャークス(以下、江東BS)はウェーブスタジアム刈谷で豊田自動織機シャトルズ愛知(以下、S愛知)とのビジターゲームに挑む。

ディビジョン2は折り返しを迎え、江東BSは前節、花園近鉄ライナーズと対戦。わずか7点差で敗れたものの、失点が課題となっていた試合終盤の“残り20分”も集中力を切らさず戦い抜いた。特に、2連戦を通じて“もったいない失点”をしなかった点はチームの成長の証だ。試合後の会見でも、仁木啓裕監督兼チームディレクターは「試合内容は非常にポジティブであり、悲観する必要はまったくない」と前向きな評価を口にした。

そんなチームの中で、復帰が近づき闘志を燃やす男がいる。4年目の高橋広大だ。昨季、D3の前半戦ではコンスタントに出場し、POTM(プレーヤー・オブ・ザ・マッチ)にも選ばれる活躍を見せた。しかし、負傷によって約1年間戦線を離脱することとなった。

リハビリ期間中、高橋はトレーニングや食事を見直し、より効率的な方法を模索。社会人としての仕事とラグビーの両立を続けながら、成長した自分をピッチで証明する準備を進めてきた。社員選手として、江東BSの手本とも言える姿勢を貫いている。

しかし、彼が「変えなかった」こともある。「けがをきっかけに、プレースタイルを変える選手はすごく多いです。ボールを持つ回数を減らして体を当てに行かなくなる、どちらかというとディフェンシブな選手になる人も多いですけど、僕はあまりそこを気にしなくて、壊れるなら壊れるでいい。そんな気持ちでやっています」。

フランカーという激戦区のポジションで、高橋の強みは“激しさ”だ。「痛いプレーも激しくできると思います。アタックもディフェンスも、前に出るプレーができるというところが、自分の特徴です」。もちろん、そのプレースタイルには常にけがのリスクが伴う。それでも、高橋は迷いなく前を向く。「ラグビーって、何十年もできないスポーツじゃないですか。もうあと何年かしかできないから、その期間はもう本当に限界までやり切りたいです。体が本当に動かなくなったらやめたいと思っています。そこまでいきたいです」。

ラグビーの醍醐味であり、“華”ともいえる激しいコンタクトプレー。その中心に、高橋広大がいる。リーグ戦後半戦、このフランカーの魂のタックルが、チームをさらに加速させる。

(奥田明日美)

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