侍ジャパンBaseball5ユース日本代表選手が決定!初のユース国際大会参戦で8選手が新たな歴史を刻む
昨年の日本選手権予選から本戦・代表選考会を経て8人の選手が選ばれ、昨年の15歳以上が対象のオープンの部に続いてアジア制覇を目指す。
(写真 / 文:白石怜平)
代表首脳陣は世界を知る監督経験者が就任
日本に加えて、香港・イラク・韓国・マレーシア・タイそして開催国であるチャイニーズタイペイの7つの国と地域が参加。なお、日本は今回ユースとしては初の国際試合参加となる。
代表の首脳陣として入ったのが本池太一監督(東京ヴェルディ・バンバータ)と六角彩子コーチ(5STARs)。
両者とも昨年オープンの部で行われた「第2回 Baseball5 アジアカップ2024」・「第2回 WBSC Baseball5ワールドカップ 2024」で代表選手として準優勝の原動力となっている。
本池監督は、Baseball5と同名である軟式野球の名門チームで監督兼選手を務めているなど、指揮官としての経験も豊富。
「最年長でチームを精神面で引っ張ってくれました。淡々と努力を重ねていて、試合に出ていない時でも献身的にサポートしてくれる兄貴分でした」
とリスペクトを送るなど、組織を牽引する存在として白羽の矢が立った。
そして六角コーチは日本で唯一のWBSC公認インストラクターを持ち、22年の2つの国際大会(アジアカップ・ワールドカップ)で選手兼任監督として指揮を執った。
今回は選手として世界をよく知る2人が日本のBasebal5の未来を創り上げる大役を担いながら、指導者としてもアジアの頂点へ導く。
選考会では指導も交えながら活気ある雰囲気に
日本選手権でユースの男子MVPに輝いた「横浜隼人Agressive」の星優大や、初出場にして同大会ベスト4まで進出した「Spirit Bonds YAMASAKI」の谷尾心瑚ら、大舞台でも活躍を見せた選手たちが選考会でもパフォーマンスを発揮し、侍戦士の一員となった。
本池監督から会を始めるにあたり、「この環境を用意してくれてることに感謝していい時間を過ごしましょう」と呼びかけた。
六角コーチからは「返事や挨拶は元気よく!日頃のコミュニケーションから大事になってきます」と助言を送り、ウォーミングアップがスタート。
試合さながらにBGMがかけられ、アーバンスポーツらしい空気がつくられると次第に活気が沸いていった。監督・コーチも選手たちと共にメニューをこなし、一緒に声を出しながら場を盛り上げる。
六角コーチは冒頭で選手に呼びかけたことも選考で重視していたという。
「強い打球を打てるか、全方向に打球を打ち分けられるかなど技術面もさることながら、走力測定などを行い選手達のポテンシャルを重点的にみていました。
また、代表決定から短い期間での大会になるのでコミュニケーション能力を重視しました」
本池監督と六角コーチも入り、お手本を見せるようにその技を見せた。本池監督は「野球やソフトボールよりも体勢は低く!」とアドバイスを送った。
互いにいいプレーを見せるとハイタッチを見せるシーンもあり、競争でもありながらリスペクトし合う関係が学校の垣根を超えて醸成されていた。
打ち損じて悔しそうな表情を見せる選手も次の打席でヒット性の当たりを見せるなど、修正能力の高さもここで見ることができた。
本池監督は、気になったプレーがあればその場で止めて全体に向けてアドバイス。代表選考もさることながら、選手たち個々の成長も意識してコミュニケーションを細かく取っていった。
本池監督はこれらの意図を以下のように説明する。
「オープン日本代表の戦略や戦術、代表にかける情熱を継承していく事を意識しました。緊張のせいか、連携プレーの際にジェスチャーや声掛けが控えめな選手多かったので、六角コーチ同様に『コミュニケーション能力が大切だよ』と練習を止めてでも伝えました」
選考会は約4時間かけて行われ、この日以降も2回実施されたのちに上の8名が日本代表に名を連ねることとなった。
「ポテンシャル・伸びしろが高い選手が多い」
「初のユース日本代表を結成するという事で、この選手達が今後の日本のBaseball5を引っ張っていくのかな・引っ張っていって欲しいなという想いでプレーを見ていました。
3日間選考会を行ったのですが、選考会を重ねるごとにどんどんうまくなっていく選手達を見てポテンシャルが高いなと。伸びしろがたくさんある選手が多いなと思いました」(六角コーチ)
ユース日本代表は9日に台湾へと出発し、11日に初戦を迎える。可能性に満ちた侍ジャパンのメンバーは世界の舞台で躍動する。
(おわり)
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