新しいヒロイン2025《97期生・水木 春花》
みずき・はるか=2002年3月2日生まれ
3月2日は誕生日。プロ1年目の春、期待が高まる。今オフは地元、大分で精力的に練習の日々。ただし、どこで切り上げるかは、神のみぞ知る-だ。というのは、「たとえば、練習場でショットをしたとしましょう。仕上げとして、私の場合、ピンや看板にターゲットを定め、すべてのクラブでダイレクトにボールが当たらないと帰りません。高校生の時からのルーティン。そうなると、すごく気合が入ります」という。
6回目の受験で、最終プロテストに合格。それでも、ゴルフ人生でもっとも厳しい72ホールを体験した。「それなりに仕上げたつもりでしたけど、いざ、大洗のコースに立ったら重圧でうまく体が動かない。調子がすごく悪くなった。私は、ショットでスコアをつくる。しかし、クラブが思い通りに振れない。もう、忍耐ばかりのテストでした」という。
それでもプロのライセンスを手中に。「調子が悪いからといって、また来年-というわけにはいきません。ここまで1年間頑張って、たったの4日間で終わってしまうことはできなかった。いつもの練習を思い出し、気合を入れ直して、私を信じることにしたんです。去年と比べ、メンタルが一定。ラッキーもあって、何とか合格できた」と、控えめな口調で振り返った。
要は集中力だ。こんな経緯がある。「クラブを握る前から、絵を描くことが好きで、得意。今はパソコンにタブレットをつなげて、ペンで描く。ゴルフの練習をしなくてはならないから、それほど時間がかけられない。油絵などに挑戦してみたいけど、それはもう少し先のお楽しみにします。でも、絵を描いているとすごく集中力が高まる。ゴルフにも役立っているなぁ、と感じます」。
ちなみに、自身は小学4年時、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップのテレビ中継で、森田理香子のスイングに大感激。「あまりにかっこう良すぎる。プロになる、と決めたのは森田さんのおかげです」と感謝をしている。
取材中、すべての質問に本音で答え、理路整然とした物言いに感銘を受けた。そんな印象を最後に伝えると、「オタクとして、生きてきましたからね」。きっちりと下げまでつく。ジョークと思ったが、大まじめだったらしい。(青木 政司)
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