新しいヒロイン2025《97期生・水木 春花》

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水木 春花 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。

みずき・はるか=2002年3月2日生まれ

3月2日は誕生日。プロ1年目の春、期待が高まる。今オフは地元、大分で精力的に練習の日々。ただし、どこで切り上げるかは、神のみぞ知る-だ。というのは、「たとえば、練習場でショットをしたとしましょう。仕上げとして、私の場合、ピンや看板にターゲットを定め、すべてのクラブでダイレクトにボールが当たらないと帰りません。高校生の時からのルーティン。そうなると、すごく気合が入ります」という。

6回目の受験で、最終プロテストに合格。それでも、ゴルフ人生でもっとも厳しい72ホールを体験した。「それなりに仕上げたつもりでしたけど、いざ、大洗のコースに立ったら重圧でうまく体が動かない。調子がすごく悪くなった。私は、ショットでスコアをつくる。しかし、クラブが思い通りに振れない。もう、忍耐ばかりのテストでした」という。

それでもプロのライセンスを手中に。「調子が悪いからといって、また来年-というわけにはいきません。ここまで1年間頑張って、たったの4日間で終わってしまうことはできなかった。いつもの練習を思い出し、気合を入れ直して、私を信じることにしたんです。去年と比べ、メンタルが一定。ラッキーもあって、何とか合格できた」と、控えめな口調で振り返った。

水木 春花 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

同じような経験が19年にもある。九州女子ゴルフ選手権優勝で完全Vを達成した時だ。「とても難しいコース。しかもグリーンスピードが13フィートの高速です。加えて、ものすごい強風と、経験したことがないコンディション。プレー中、なんて私はヘタなんだろう…。そんなことばかり考えたけど、どうしても日本女子アマに出場したいから、必死でした。順位なんて考えているヒマなどなし。終わってみたら第1日からずっとトップでした。最終プロテスト同様、与えられた状況で最善を尽くすことが私には合っているようです」とも。

要は集中力だ。こんな経緯がある。「クラブを握る前から、絵を描くことが好きで、得意。今はパソコンにタブレットをつなげて、ペンで描く。ゴルフの練習をしなくてはならないから、それほど時間がかけられない。油絵などに挑戦してみたいけど、それはもう少し先のお楽しみにします。でも、絵を描いているとすごく集中力が高まる。ゴルフにも役立っているなぁ、と感じます」。

水木 春花 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

さらに、「父は以前、自分でゴルフばか-というぐらい、のめり込んだ時があるそう…。30代の時、バックティーでプレーをして、一度でもアンダーパーが出たら、プロを目指そうと決めたらしい。だけど、一度もなし。それから、ゴルフはただの趣味になった。将来、家族でラウンドすることを夢にしたらしい」と明かした。

ちなみに、自身は小学4年時、JLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップのテレビ中継で、森田理香子のスイングに大感激。「あまりにかっこう良すぎる。プロになる、と決めたのは森田さんのおかげです」と感謝をしている。

取材中、すべての質問に本音で答え、理路整然とした物言いに感銘を受けた。そんな印象を最後に伝えると、「オタクとして、生きてきましたからね」。きっちりと下げまでつく。ジョークと思ったが、大まじめだったらしい。(青木 政司)
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