大胆不敵、勇往邁進。“熊谷流儀”のフットボールマシーン

埼玉パナソニックワイルドナイツ 山沢京平選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】

秩父宮ラグビー場にどよめきが起こったのは、前節の横浜キヤノンイーグルス戦の前半終了間際、ペナルティゴールのシーンだった。

22対24のビハインド。埼玉パナソニックワイルドナイツ(以下、埼玉WK)はハーフライン付近でペナルティを獲得すると、迷わずショットを選択。キッカーはもちろん山沢京平だ。今季すべての試合で10番を背負う若大将はじっくりと時間を使いながら50m近い距離を低弾道で豪快に蹴り込んだ。まさに規格外のキック。目の肥えたラグビーファンをうならせる衝撃のショットだった。

試合後、坂手淳史キャプテンは「『どうする?』と聞いたら『行けます』と自信をみせてくれたので、任せた。京平のキックがゲームのターニングポイントだったと思う」と目を細めた。

今季のペナルティゴール成功率は100%。16回蹴ってミスが一度もない。ディビジョン1で2位の103点をマークし、自慢のキックで98点を荒稼ぎしている。大胆不敵。難しい角度でも臆することなく、山沢京平は堂々とキックを決めていく。

「特に意識はしていないですが、キックは得意な分野だと思います。こだわりや、コツは説明できませんが、小さいころからサッカーをやっていたので普通に蹴っているイメージです」

幼少期からサッカーに親しみ、小学校、中学校まで強豪のクラブチームであるクマガヤSCでプレー。ポジションはフォワードで、豪快なゴールを決めていたという。一方で、中学の部活はラグビー部に所属していたことから最終的に高校ではラグビーを選択した。昨季までは主にフルバックでプレーしていたが、今季はスタンドオフに入る。ここまで全8試合に先発し、チームに新たな風を吹き込んでいる。

「10番でずっと出ていますが、慣れなどはなくて、1試合1試合でどうするべきかを考えてプレーしています。昨季までは力也さん(松田力也/現・トヨタヴェルブリッツ)がいましたが、自分は自分。意識はせずに自分のプレーをするだけです。ゲームでも、相手に合わせるのではなく自分たちのラグビーを追求しています」

埼玉WKは2月22日の第9節で三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦、山沢京平は9試合連続でスタメン出場する。変幻自在のキックとピッチを俯瞰する展開力。“熊谷流儀”のフットボールマシーンが埼玉WKの新たな時代を創造していく。

(伊藤寿学)

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