シーズンの行方を占う重要な古巣戦。“えどりく21連勝”へ、昨季との違いを示す
インタビュー取材に入る直前、通訳の平井一敏さんに語り掛けたその言葉に、彼の性格の輪郭が垣間見えた。実はプロレス好きの一面も持ち、いまも毎週欠かさずWWE(アメリカ合衆国のプロレス団体)の番組をチェックしているというブリン・ホール。子どものころに好きだったレスラーを尋ねると、目を輝かせながら「ザ・ロック、ストーンコールド、トリプルH……」と、まるで宝物を数え上げるかのように次々とリングネームを挙げ始めた。
そのプロキャリアは2012年にスタート。翌13年からはスーパーラグビー・パシフィックのブルーズで活動し、17年にクルセイダーズに移籍。母国ニュージーランドから日本に主戦場を移したのは22年。静岡ブルーレヴズ(以下、静岡BR)で2シーズン活躍した。
「クルセイダーズでは選手として高いレベルを求められ、私はそこ(スーパーラグビー・パシフィック)で10年間鍛えられました。その経験をとおして、新しい挑戦への準備ができたと感じ、日本のラグビーに惹かれました。非常に速いテンポで得点を重ねる、スピーディーな競争がそこにはあったからです。いま、日本でプレーできているのは、私にとって良いタイミングだと感じています」
今季からクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(以下、S東京ベイ)に合流。チームを支える重要な戦力として定着している。
「S東京ベイのカラーは私のプレースタイルや性格に合っていると感じています。コーチ陣も素晴らしく、ディテールにもこだわっています。どうすれば良いプレーができるかを追求しているチームだと思います」
次節、スピアーズえどりくフィールド(江戸川区陸上競技場)での静岡BR戦にもリザーブとしてメンバー入り。現在の順位は、S東京ベイは3位で静岡BRが4位。シーズン中盤での重要な局面で、古巣との対決に臨む。
「クルセイダーズ在籍時にも、以前に所属していたブルーズと対戦した経験があります。だから、戦いづらいということはありません。私の中には良いプランもあります。ただ、私も人間です。彼らとはフィールドの内外で多くの楽しい時間を過ごしてきました。感覚的には、ほかのチームとの試合とは違うと言えば違います」
昨季、S東京ベイは静岡BRとの戦いで、後半43分にトライを許して痛恨の逆転負けを喫している。だが、「昨季の対戦時はけが人が多く、リアム・ウィリアムズやバーナード・フォーリーもけがをしていました。今季はアシスタントコーチのスコット・マクラウドも加入し、状況は変わっています。私が昨年戦った相手とは(S東京ベイは)違うチームだと思います」。そして、「いまの私はS東京ベイの一員ですから」とも。
えどりく不敗神話、21連勝へ。聖地でホールの妙技を味わえ!
(藤本かずまさ)
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