【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】

プロ入りまで「３浪」と道のりは長かった。チャンスをつかんでから急成長。中日の福永裕基選手のバットにはロマンが詰まっている。社会人時代にドラフト会議で２度の指名漏れ。しかし残り物には「福」がある。プロ入り３年目の今季、練習試合で一発を放ち、主砲へ名乗りを挙げた。

福永選手は28歳の内野手。プロ入りまでの道が長かった。奈良の天理高校出身。1年秋からベンチ入りするものの甲子園出場はなし。専修大学では主将も務め東都大学リーグ１部、2部で通算２割8分8厘の結果を残した。

日本新薬に入社し社会人野球の道へ進む。全国大会では打撃3割の結果を残す。2020年の都市対抗野球大会で2本塁打を放った。

夢はプロ野球選手。しかし、その道は険しかった。2020年、2021年とドラフト会議で2年連続指名漏れ。プロ入りへ「3浪」することに。

そして社会人野球4年目の2022年に念願のプロ入りを果たすこととなる。ただ、まさに最後の最後で受けた指名だった。この年のドラフトでは、多くの球団が５～６巡目で指名を終えていた。残ったのは広島と中日のみ。

広島が別の選手を指名。そして中日がドラフト7位で福永選手を指名したのだ。12球団全体で最下位の69番目の指名だった。

大学から社会人を経由して26歳になっていた。年齢的にもラストチャンスと本人は自覚していた。その中で、最後の最後で声がかかった。そして、残り物には「福」があったのだ。

ルーキーイヤーの2023年。97試合に出場し、打率2割4分1厘で2本塁打を放った。そして2024年の昨シーズンは111試合に出場。打率は3割6厘、6本塁打と急成長した。

今季はさらにパワーアップして主砲クラスとなりたいところ。そして練習試合でアピールした。

沖縄で2月18日に行われた日本ハム戦。2点を追う四回に打席に立った。相手右腕の初球を見逃してストライク。その後3球連続でボールを選び、カウント3－1としてからの５球目。真ん中低めに入った直球を強振した。

打球はレフト席上段へ飛び込む特大アーチ。福永選手のバットにはロマンが詰まっている。プロへの道のりが長かった分だけ、懸命なプレーが好結果に表れるのだろう。

中日は2022年から3年連続セリーグ最下位。今季は上位に食い込みたいところ。そのためには、福永選手の活躍は欠かせない。残り物の「福」が活躍すれば、中日の昇竜が実現するだろう。福永選手のさらなる活躍に期待したい。

見出し画像：雑記草（ざっきそう）