【元井美貴さんが『FANTASTICA MANIA 2025』“見どころ”を徹底紹介!】“初参戦” のネオン、マックス・スター、シェウア、ルヒド、ライデルの魅力を激語り!注目は13年ぶりの来日となるアベルノ!

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3年連続の開催となる “ルチャの祭典”『NJPW PRESENTS CMLL FANTASTICA MANIA 2025』!

いまや新日本プロレスワールドのCMLL解説でもおなじみ、日本を代表する“ルチャ女子”こと元井美貴さんが注目のルチャドールを徹底解説!

聞き手/小松伸太郎
撮影/山本正二

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■ネオン選手も飛び技が凄く得意な選手ですし、ロープの使い方が凄く上手なんですよね。トップロープまで手を使わずに一気に飛び乗って飛んだりもしますし、側転とか回転したり派手な技が多いので、日本でも人気になりそうです

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──元井さん、今年も『FANTASTICA MANIA』の季節がやって来ました。今回も総勢20名のルチャドールがCMLLからやって来るんですけど、初参戦選手が5名います。まずこの5名の中で、元井さんが一番注目したい選手は誰ですか?

元井 シェウア選手が古き良きルチャを見せてくれるんですけど、パッと見た方にはネオン選手の凄さが伝わると思いますね。ネオン選手はまだ若くて、これからトップスターに駆け上がっていく選手です。今年に入ってからミスティコ選手とマスカラ・ドラダ選手と一緒に、“スカイチーム”というユニットを組んでいるんですよ。スカイチームはCMLLの中でも花形のユニットですから、そこに抜擢されたのでこれからさらにスターになっていくことを期待されている選手ですね。

──では、去年来たマスカラ・ドラダ選手と同じようなポジションにいるということですか?

元井 そうですね。ただ、ドラダ選手は目立ちすぎているっていうのはあります(笑)。ネオン選手も飛び技が凄く得意な選手ですし、ロープの使い方が凄く上手なんですよね。トップロープまで手を使わずに一気に飛び乗って飛んだりもしますし、側転とか回転したり派手な技が多いので、日本でも人気になりそうですね。

──そのスカイチームというのは先程言われた3人でやられているユニットなんですか?

元井 はい、もともと初代のミスティコ選手、ボラドール・ジュニア選手、ラ・ソンブラ選手で最初のスカイチームが結成されて、爆発的な人気を博したんですね。その後、2代目スカイチームが、今はドラリスティコと名乗っている2代目ミスティコ選手、ボラドール選手、バリエンテ選手の3人で結成されて、そして現在のスカイチームが3代目。

――トップルチャドールによるユニットなんですね。

元井 なので、代々人気のあるトリオに抜擢されたのがネオン選手ということになりますね。ネオン選手はもともと、今回一緒に来日するマックス・スター選手と同じ“ロス・ビアヘロス・デル・エスパシオ”という『宇宙トラベラー』を意味するユニットの立ち上げメンバーだったんですけど、そこからスカイチームに抜擢された形ですね。

■マックス・スター選手は、450°スプラッシュもしますし、ロープを片足で踏み切って、敬礼をしながら飛んでいったりする技もありますし、一瞬「今、どうなった?」っていうぐらい凄くド派手な技が多いです

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──なるほど。それほど期待を受けている選手ということは、もの凄く楽しみですね。いま名前の出たマックス・スター選手はどのような選手なんでしょうか?

元井 マックス・スター選手は、飛び技をすると流れ星のようにフリンジがヒラヒラとなびく選手ですね。今もフトゥロ選手、オンブレ・バラJr.選手と一緒にメキシカンナショナルトリオのチャンピオンで、ロス・ビアヘロス・デル・エスパシオでベルトを持っているんですよ。450°スプラッシュもしますし、ロープを片足で踏み切って、敬礼をしながら飛んでいったりする技もありますし、一瞬「今、どうなった?」っていうぐらい凄くド派手な技が多いですね。マックス・スター選手は実力をボラドール選手に認められて、2023年6月から8ヶ月くらいデプレダドーレスにいたこともあるんです。

■飛び技に特化した進化系ルチャドールが多い中で、シェウア選手は地に足をつけたジャベで勝負していくという、逆に新鮮に感じる選手ですね。本当に独創的なジェベが多いので、見ていて楽しいです

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──わかりました。続いて、冒頭でも名前の出たシェウア選手は、“チョルーラの巨人”というニックネームが気になりますが、やはり大きな選手なんですか?

元井 186cmと大型ルチャドールなんですよ。ご本人はSNSで年齢を明かされていて21歳と、凄く若いです。ただ、お若いわりには世界観をしっかり持っている方で、シェウアというリングネームも神話に出てくる巨人の名前なんですよね。

──神話の巨人からリングネームを取りましたか。

元井 シェウア選手はプエブラのチョルーラ出身なんですけど、そこに伝わる巨人の神話ですよね。シェウアという巨人が、浸水があった時に雨の神様のトラロックの洞窟に入って生き延びたと。それで雨の神様に感謝して、空に届くぐらいの大きなピラミッドを建てたという伝説があるんです。

――そんな伝説があるんですね。

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元井 だから、マスクにもそのピラミッドが描かれていたり、ピラミッドの上にある十字架が描かれていたりと、マスクのデザインにもいろいろな意味が込められているんですよ。使う技も独創的で、ジャベを得意とする選手ですね。今はマスカラ・ドラダ選手のような飛び技に特化した進化系ルチャドールが多い中で、シェウア選手は地に足をつけたジャベで勝負していくという、逆に新鮮に感じる選手ですね。

──そうするとエチセロ選手のようなテクニシャンタイプなんですかね?

元井 お父さんもルチャドールでそのジャベもしっかりと受け継いでいるんですが、とにかく独創的なジャベを使うんですよ。例えばラ・クルス・デ・ロス・レメディオスっていう『救済の十字架』を意味する名前の技があるんですけど、これは右足で相手の首を捕らえて、左足で相手のヒザを極めて、開脚しながら十字架のような形になって締め上げる技なんですね。本当に独創的なジェベが多いので、見ていて楽しいですね。

──ということは、今まで見たことがないジャベを出してくるかもしれないということですね。

元井 皆さん、凄く驚くと思います。キャラクターも若いのに凄く落ち着いていて、SNSでもずっと神話の話ばかりしていますね。謎も多くてプライベートもわからないですし、チャラチャラせずに昭和を感じるタイプですね。まあメキシカンには昭和とかないと思いますけど、とても知的な方です。それと今回一緒に来るスティグマ選手と同じラ・フエルサ・ポブラーナというユニットに入っています。

■ライデル選手は身体がガチムチのパワーファイターですね。飛び技で飛んできた選手をガチッと捕まえて、そのままフォール・アウェイ・スラムで投げてしまったりしますからね

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──ラ・フエルサ・ポブラーナは昨年ペガソ選手とスティグマ選手が来ましたけど、今年もユニットとして来るんですね。

元井 そうです。そこにシェウア選手が入ってきたので、もともといたゲレーロ・マヤ・ジュニア選手と抗争になってしまい、ゲレーロ・マヤ・ジュニア選手は脱退してルードになってしまったんですけどね。今回はスティグマ選手と軍団対抗タッグトーナメントにもラ・フエルサ・ポブラーナとして出場するので、身長差のあるタッグになりそうですね。今回のシリーズでは第1試合に出ることが多くて、田口隆祐選手と組む機会もありますしどうなるのかなと、私は凄く興味がありますね。古き良きルチャを見せてくれる伝道師です。

──開幕戦の2.19門真大会の第1試合でYOH選手と組んで出てきますし、いきなりインパクトを与えてくれそうですね。さて、次はライデル選手についてお聞きしたいのですが、こちらはどのような選手なのですか?

元井 リングネームのライデルが『強盗』を意味する、身体がガチムチのパワーファイターですね。日本語で『黒い波』を意味するラ・オラ・ネグラというユニットをダーク・マジック選手、エスパントJr.選手らと組んでいるんですけど、ガッシリとしたルードが揃ったユニットで、とにかくパワーが凄いんですよ。飛び技で飛んできた選手をガチッと捕まえて、そのままフォール・アウェイ・スラムで投げてしまったりしますからね。

――かなりのパワーファイターですね。

元井 ゲレーロジム出身で、ウルティモ・ゲレーロ選手やヴィールス選手がマエストロなんですけど、そこでトレーニングを積んだ方はパワーファイターが多いんですよね。バンディード選手なんかがやる、相手を抱えたままムーンサルトで飛んで叩きつける、ムーンサルト・フォール・アウェイ・スラムっていう技があるんですけど、それができる数少ない選手の1人ですね。今回はHOUSE OF TORTUREと組むことが多いので、結構なじむんじゃないかなと思います。

──それぐらい悪いことをする選手だと。マスクも角が生えていて凶暴そうですよね。

元井 なので、個人的には金丸義信選手とのタッグとかも注目ですね。それと身体にタトゥーが多いんですよ。CMLLインフォルマという情報番組でやった3年前のインタビューを見返したんですけど、司会のフリオさんに「タトゥーは何個ある?」と聞かれて、「52個。もう入れる場所がないから身体を貸してくれ」って答えていたんですよ。3年前の時点でそれなので、身体はとにかくタトゥーだらけですね。

──身体もカラフルな感じで(笑)。

元井 そうですね。そしてルチャ好きな方はご存知だと思うんですけど、叔母様がルチャドーラのプリンセサ・スヘイ選手です。蝶々みたいなマスクを被っていたんですけど、マスカラ戦で負けて今は素顔で闘っている方ですね。プリンセサは『お姫様』という意味なので、デビューした時はプリンシペと『王子』を名乗って、プリンシペ・ティエグスという叔母様のリングネームを逆にした名前をリングネームにしていたんですけど、王子から強盗へと、ガラッと正反対の方向に行っちゃいましたね(笑)。

■ルヒド選手はレスリングが凄いんですよ。お父さんもレスリングの選手で、小さい頃からグレコローマンを習っていたので、各種スープレックスが得意な選手です

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──凶暴そうと言えば、ルヒド選手も“略奪的なライオン”なんて凶暴そうなニックネームがついていますが、どんな選手ですか?

元井 やっと来日が叶いましたね。ボラドール・ジュニア選手が率いるロス・デプレダドーレスのメンバーで、今までも去年も来たマグヌス選手や一昨年に来たマヒア・ブランカ選手と、どんどんメンバーが来日する中で、ようやく『FANTASTICA MANIA』に参戦する選手です。

――元井さん待望の来日になるわけですね。

元井 ハイ!このルヒド選手はレスリングが凄いんですよ。お父さんもレスリングの選手で、小さい頃からグレコローマンを習っていたので、各種スープレックスが得意な選手です。またボラドール・ジュニア選手のトレーニングは凄く厳しいことで有名ですから、ルヒド選手も身体がバッキバキで、リングネームのルヒドは“咆哮”を意味するので、マスクもそういう感じです。

──これはライオンをモチーフにしているんですか?

元井 ライオンかどうかはわからないですけど、本人が“略奪のライオン”を名乗っています。日本の『FANTASTICA MANIA』は初めてですけど、昨年の7.14『FANTASTICA MANIA USA』には参戦していますね。

■アベルノ選手はたたずまいからしてシビれる選手ですし、アベルノも『地獄』という意味があるんですけど、ユニット名のインフェルナレスも『地獄』を意味するので、本当に地獄を感じさせてくれます

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──こちらも楽しみですね。そして、初参戦ではないんですけど、アベルノ選手が第1回大会以来、14年ぶりの『FANTASTICA MANIA』参戦なんですよね。

元井 そうなんですよ。2011年は今みたいにツアーも組まれず、まだ後楽園2Daysだけだったんですけど、その2日目のダブルメインイベントの第1試合を務めたのがミスティコ選手とアベルノ選手のシングルマッチだったんですよね。その時はマスクを被っていたんですけど、その年にマスカラ戦で敗れて素顔になってるんですよ。その翌年の9月の新日本のシリーズに参戦しているので、素顔で来たのを憶えている人でも13年ぶりの来日ということになります。

――これは古参のファンからしても楽しみな来日になりますね。

元井 一度、CMLLを抜けて他の団体に行っていたんですけど久々に戻ってきて、今はロス・インフェルナレスでメフィスト選手、エウフォリア選手と組んで闘うことが多い、ルード中のルードです。必殺技がデビルスウィングスでこれが出たらおしまいですね。たたずまいからしてシビれる選手ですし、アベルノも『地獄』という意味があるんですけど、ユニット名のインフェルナレスも『地獄』を意味するので、本当に地獄を感じさせてくれますよ。

──地獄尽くしですね(笑)。ところでアベルノ選手以外の参戦選手で、近況が気になる選手はいますか?

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元井 テンプラリオ選手は昨年の12月にUNITED EMPIREに電撃加入したんですけど、それから日本に来るのは初めてですよね。ただ、今回はUNITED EMPIREの他のメンバーが参戦しないので(笑)。テンプラリオ選手はCMLLではボラドール選手と激しく抗争をしているので、日本ではUNITED EMPIREとデプレダドーレスとの抗争になるかなと思ったんですけどね。

──せっかく加入したのに、今回は1人ということになりますね。

元井 でも、2月27日の後楽園ホールでボラドール・ジュニア選手とのシングルマッチが組まれているので、これは楽しみですね。あとサンドカン・ジュニア選手が、3月21日にアレナ・メヒコでスタル・ジュニア選手とエスフィンヘ選手、そしてバリエンテ選手と4WAYのマスカラ戦に挑むことが決まっていて、もう調印式も済ませているんですね。だから、もしその試合で負けてしまったら、サンドカン選手は素顔になるので、マスク姿での来日は今回の『FANTASTICA MANIA』が最後になる可能性もあります。これは気になるところですね。

──サンドカン選手は、辻陽太選手と組んで出場した一昨年の『WORLD TAG LEAGUE』以来の新日本参戦ですよね。

元井 その時に、「L・I・Jに入りたい。優勝したら入れてくれ」って言っていて、優勝できなかったので有耶無耶なまま帰っちゃったんですけど、今回もL・I・Jの選手たちと組む試合が多いので、どうなるのか楽しみですね。マスカラ・カンタン酢トマト選手も出ますけど、サンドカン選手と同じような海賊風のマスクなので、並んだ時が楽しみです。

──それからCMLLの選手じゃないんですけど、何気にニンジャ・マック選手が『FANTASTICA MANIA』初参戦なんですよね。

元井 そうなんですよ! 新日本には昨年『SUPER Jr.』や『SUPER Jr. TAG LEAGUE』に出場しているので見慣れたイメージがあるんですけど、シルク・ドゥ・ソレイユ的なルチャドールとは違ったタイプの飛び技をする方なので、『FANTASTICA MANIA』の中では異質な感じになるかもしれないですね。ただ、NOAHではルチャドールと組む機会も多かったのでルチャの闘いには慣れていると思います。スカイチームのネオン選手と組むので、派手な闘いを見せてくれそうですね。

■棚橋選手は最後の『FANTASTICA MANIA』になりますけど、今回もペイントをしてくるのか気になります

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──それでは今回は全8大会ありますけど、その中で気になる試合があったら教えていただけますか?

元井 まずRelevos Incleiblesという試合が毎大会組まれていますよね。メキシコではよくあるんですけど、『信じられない組み合わせ』ということで、ルードとテクニコが同じチームで闘うんですよ。普段組まない人が組んだりとか、抗争している人同士で組んだりとかするので、闘っている最中に仲間割れをしてしまう可能性もあるんですよね。

――毎年、Relevos Incleiblesは本当に信じられない組み合わせのカードなので楽しみですよね。

元井 開幕戦の2.19門真大会だと、テンプラリオ&マスカラ・ドラダ&棚橋弘至vsボラドール・ジュニア&ソベラーノ・ジュニア&高橋裕二郎というRelevos Incleiblesがありますけど、ソベラーノ選手は2023年の11月頃にルードになって、その時に一番抗争していたのがボラドール選手なんですよ。

──なるほど。同じチームを組むボラドール選手とソベラーノ選手の間で、何が起きるかわからないと。

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元井 それから2日目の高松大会では、棚橋選手がやはりRelevos Incleiblesでテンプラリオ選手とバルバロ・カベルナリオ選手と組みますよね。棚橋選手は最後の『FANTASTICA MANIA』になりますけど、今回もペイントをしてくるのか気になります。この試合で組むカベルナリオ選手は、今はテリブレ選手とロス・バルバロスというユニットを組んでいて、動物柄のコスチュームで揃えているんですけど、もしかしたら棚橋選手もカベルナリオ選手に寄せた仕様で来るのかなとか、面白そうな組み合わせです。

──3日目の2.21大阪大会ではOKUMURA選手の30周年記念試合、OKUMURA&ウルティモ・ゲレーロ&小島聡vsアトランティス・ジュニア&マグヌス&ルヒドというカードがありますね。

元井 アトランティス・ジュニア選手はOKUMURA選手を相手に日本でデビューをしたので、ここも因縁がありますよね。

■(2.24京都大会)シェウア&田口組はどんな化学反応を起こすか楽しみですね。メキシコ経験がなくても、金丸選手のスタイルを貫いてしれっと悪いこともしていくので、ライデル選手とのコンビは見ものです

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元井 ルヒド選手はマヒア・ブランカ選手とのタッグでも挑戦したことがあるので、今度こそという気持ちが強いかもしれません。シェウア選手とスティグマ選手のラ・フエルサ・ポブラーナの「ポブラーナ」がプエブラ出身という意味で、プエブラにはタラベラ焼きという白と青の陶器があるんですけど、それをモチーフにしたコスチュームで来るんじゃないかなと思います。去年もペガソ選手と白と青のコスチュームで合わせてきましたよね。メキシコではタッグよりもトリオの方が多いので、逆にタッグトーナメントというのは新鮮ですね。

──それから2.24京都大会は最初の方で興味があるとおっしゃられていた、シェウア&田口隆祐が第1試合で金丸&ライデル組と闘いますね。

元井 シェウア&田口組はどんな化学反応を起こすか楽しみですね。金丸選手もメキシコ経験がないのに毎年参戦して、しれっと悪いことをしているので、ライデル選手とのコンビは見ものですね。

――H.O.Tとルードの組み合わせは楽しみなところですね。

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元井 それとメインのRelevos Incleiblesではミスティコ&ネオン&棚橋vsアベルノ&サンドカン&カンタン酢トマトが組まれていますけど、以前、2代目のミスティコ選手が『FANTASTICA MANIA』に参戦した時に棚橋選手と組んで、「俺たちがスカイチームだ」って言ったことがあるんですよ。ネオン選手がスカイチームの選手と組む機会がこの京都大会までないですし、棚橋選手を入れたスカイチームらしさを見せてくれるかもしれないですね。

──そして2.26幕張大会は軍団大会タッグトーナメントの決勝戦がある日ですね。

元井 第2試合にヤングライオンの永井大貴選手が入っていますけど、今回参戦するヤングラインだと永井選手も村島克哉選手もそうですけど、この機会にメキシコに触れて、メキシコに行きたいって思う方もいるかもしれないですよね。それと今大会の第1試合のライデル&SHO&金丸トリオですけど、H.O.Tと組んでのライデル選手の悪ぶりが見ものです。相手にニンジャ・マック選手とマックス・スター選手がいるんですけど、2人ともライデル選手に飛んでいるところをガチッと受け止められちゃうかもしれないですね。

■ザック・セイバーJr.選手、ブライアン・ダニエルソン選手と並んで、世界三大テクニカルレスラーと評されているエチセロ選手のシングルマッチ(2.28後楽園・カベルナリオ戦)を観られるのは楽しみです

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──続いては後楽園2Daysに入りますけど、初日の27日は先程触れたMLW世界タッグ選手権の他に、Match Relámpagoのネオンvsサンドカンと、アトランティス・ジュニアvsウルティモ・ゲレーロ、テンプラリオvsボラドールのスペシャルシングルマッチ2試合と、シングルマッチが3試合も組まれていますね。

元井 メキシコはトリオ中心で、時々10分1本勝負のシングルのMatch Relámpagoがあるんですけど、メキシコではお馴染みです。Relámpagoが『稲光』とか『速い』ことを意味するので、メキシコでもだいたい大会の中盤に組まれて、モニターで10分をカウントしながらずっと闘うんですよ。

――かなりスピーディーな試合展開が予想されますね。

元井 それとテンプラリオ選手とボラドール選手の試合は危険な香りがしますね。テンプラリオ選手は2023年5月からCMLL世界ミドル級のベルトを持っているんですけど、5回防衛したうちの3回はボラドール選手が相手なんですね。直近では1月3日に防衛戦をやっているんですけど、デプレダドーレスが介入したことによって反則決着になってしまって、とても荒れたタイトルマッチになってしまったんです。その時もテンプラリオ選手のUNITED EMPIREのシャツを引き裂いたりしているんですけど、テンプラリオ選手は今回仲間のUNITED EMPIREのメンバーが参戦しないので、1人でどうなるんだろうと思いますね。

――たしかにそこは気になるとこですね。

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元井 また、テンプラリオ選手とボラドール選手はシリーズを通して前哨戦を闘うので、もしかしたら今はスペシャルシングルマッチとして発表されていますけど、この日までの展開次第ではタイトルマッチになる可能性もありますね。それにボラドール選手はベルトよりも、とにかくテンプラリオ選手を痛めつける、辱めるのが目的のように闘っているんですよ。テンプラリオ選手も、「ボラドールは俺に勝てないんだ。なんならマスクと髪の毛を賭けて闘おうぜ」とまで言っていて、正式には決まってないんですけど、その行方も気になるところですね。

──シリーズの展開次第で何か変化が起きるかもしれないと。かなり荒れた試合になりそうですね。それからブラック・キャットメモリアルがあるんですけど、ミスティコ&ドラダ&スティグマ&棚橋vsアベルノ&ソベラーノ&ライデル&石森太二というカードですね。

元井 スティグマ選手がブラック・キャットさんの甥にあたるので、恒例になっていますよね。スティグマ選手もこのブラック・キャットメモリアルの時はブラック・キャット仕様のマスクで、耳がついていたりすると思いますね。ただ相手がルード揃いなので、メモリアルとはいえメチャクチャな試合になりそうな予感がしてます。

──そして最終戦の2.28後楽園大会もシングルマッチが多いんですけど、まずスペシャルシングルマッチのカベルナリオvsエチセロの見どころは?

元井 これは日本ならではのカードですね。ルード同士ですし、この2人はむしろ組むことが多いんですよ。メキシコはルードとテクニコがハッキリと分かれているので、ルード同士の対決はなかなかないので楽しみですね。それにエチセロ選手は一昨年、去年で一気に世界的なテクニカルレスラーとして認知されましたよね。ザック・セイバーJr.選手、ブライアン・ダニエルソン選手と並んで、世界三大テクニカルレスラーと評されているエチセロ選手のシングルマッチを観られるのは楽しみです。

■最終戦の後楽園ホールのメインをシングルで締めるのは、今まではボラドール選手が締めることが多かったんですよ。でも、去年はドラダvsストゥーカ・ジュニアというカードで締めて、時代が進んだのかなと思ったんですけど、今年はまた鉄板のカード(ミスティコvsアベルノのMLW世界ミドル級選手権試合)になりましたね

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──それから若い新世代のルチャドールのスペシャルシングルマッチ、ドラダvsソベラーノがありますね。

元井 もうテクニコの中でも飛び技に特化したルチャ・リブレを見せてくれているのがドラダ選手で、ソベラーノ選手はルードなんですけども、ルードの荒っぽいイメージを覆すように『エル・ルホ・デ・ラ・ルチャ・リブレ』と打ち出しているんですね。

──それはどういう意味なんですか?

元井 ルホは『ゴージャス』という意味があって、自分たちでは高級品という言い方をしてるんですけど、毛皮のコートをまとったり、女性2人を引き連れて入場したり、リムジンから出てきたり、新しいルード像を打ち出しているようには感じますね。本人は「ルードとテクニコのハイブリッドだ」みたいなことを言っていましたけど、今回のカードならルードらしい闘い方をするんじゃないかと思いますね。

──そしてメインイベントがミスティコvsアベルノのMLW世界ミドル級選手権試合です。

元井 最終戦の後楽園ホールのメインをシングルで締めるのは、『FANTASTICA MANIA』では恒例になっていますけど、今まではボラドール選手が締めることが多かったんですよ。でも、去年はドラダvsストゥーカ・ジュニアというカードで締めて、時代が進んだのかなと思ったんですけど、今年はまた鉄板のカードになりましたね。

──先程もお話にありましたけど、このミスティコvsアベルノというカードは、第1回の『FANTASTICA MANIA』のダブルメインの第1試合だったんですよね。

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元井 そうですね。それが14年ぶりに日本で観られるわけですけど、今回はMLWのタイトルマッチになるんですね。ミスティコ選手は、去年の2月にロッキー・ロメロ選手からこのMLW世界ミドル級のベルトを獲ったんですよ。その後、カベルナリオ選手とかドラダ選手、ティタン選手が挑んだことがあったんですけど、ずっと防衛していてこれが8回目の防衛戦になりますね。アメリカやメキシコで防衛戦をやって来ているんですけど、日本では初めてになるので凄く楽しみです。

──時を経て、同じカードが観られるのも『FANTASTICA MANIA』の醍醐味ですね。他に気になるカードはありませんか?

元井 最終戦の後楽園大会ではRelevos Increiblesとして、テンプラリオ&ネオン&エル・デスペラードvsボラドール&マグヌス&ルヒドというカードがありますけど、ロス・デプレダドーレスが全員正式メンバーで闘うのは、ここだけなんですよ。ここはデプレダドーレスの象徴である白仮面をつけてくるのかなと思いますし、相手にデスペラード選手がいますからね。デスペラード選手にとってボラドール選手はかつての師匠ですし、今シリーズでも組んだり闘ったりがあるので、ここも注目ポイントですね。

──デプレダドーレスのいつもの連携などがこの試合では観られるかもしれないということですね。

元井 観られると思います。しかもテンプラリオ選手とボラドール選手は前日にシングルマッチも行ないますし、シリーズ中は混ぜるな危険がずっと混ざっている感じで試合をしているので、最終戦でも荒れた試合になるかもしれないですね!

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著者プロフィール

1972年3月6日に創業者のアントニオ猪木が旗揚げ。「キング・オブ・スポーツ」を旗頭にストロングスタイルを掲げ、1980年代-1990年代と一大ブームを巻き起こして、数多くの名選手を輩出した。2010年代以降は、棚橋弘至、中邑真輔、オカダ・カズチカらの台頭で再び隆盛を迎えて、現在は日本だけでなく海外からも多くのファンの支持を集めている。

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