150キャップは万雷の拍手に包まれて。偉業達成のグラディエーターが抱く感謝と野心
このゲームではプレーオフトーナメントを見据えた戦術上の理由でスタンドオフには武藤ゆらぎが先発し、田村はリザーブメンバーに名を連ねた。今季初先発となった武藤は、随所に光るプレーを見せて攻撃を組み立てた。そして24対32となった後半4分に田村がグラウンドに立った。
百戦錬磨のラグビーワールドカップ2015・2019日本代表戦士は、後輩の武藤について「ゆらぎには、65,000人の前(ラグビーワールドカップのような大舞台)でプレーするポテンシャルがある。今日もいいプレーをしていたが、僕自身はもっと大爆発の予感を持っていた。僕がゆらぎの立場だったら『全部、ボールを渡せ!』って叫んでいる」と愛情たっぷりのアドバイスを送った。
横浜Eは田村投入直後に、トライを決めて追い上げ態勢に入るかと思われたが、TMOによって惜しくもトライキャンセル。じわじわと点差が開く中で終盤に意地を見せながらも、36対51の結果で試合を終えた。田村はノーサイド直後、悔しさをにじませながらグラウンドにひざを立てていた。
「ワイルドナイツのような相手には勢いだけではどうにもならない。だから後半に全体がガス欠になってしまっていた。80分間を通じたゲームコントロールが必要になる。僕自身はプレーオフトーナメントに照準を合わせているが、もっとチームとして成長していく必要がある」(田村)
秩父宮ラグビー場には12,288人が来場。試合後は多くのファンが田村の150キャップセレモニーを温かく見守り、万雷の拍手を送った。チームメートは記念Tシャツを着込んで祝福、田村は沢木敬介監督から花束と記念ジャージーを手渡された。
「イーグルスにきて100キャップを達成して、そこから50試合となった。起用してくれたコーチ、体をケアしてくれたスタッフ、支えてくれたチームメート、ファンに対して感謝している。個人的には150試合はそんなに意識していないが、ファンの方が喜んでくれたことがうれしい。今季のプレーオフトーナメントでは、ファンの方々にもっと大きな喜びを届けたい」
横浜Eのグラディエーターは150キャップを通過点に、リーグの頂点を目指していく。
(伊藤寿学)
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