80分間、常に掛け続けた重圧 「立ち返る場所」であるスクラムが連勝をもたらす
先発メンバーを大きく変更したトヨタVに対し、静岡BRの日野剛志は「びっくりしましたけど、やるべきことは変わらないので」と淡々と答えた。そのやるべきこととは、自分たちの強みであり、原点であるスクラムの強さを出すこと。「相手に囚われずに自分たちにフォーカスをしたスクラムを組もうって、メンバー表を見て逆に切り替えができました」と語る。
静岡BRは、グラウンド上でも立ち上がりから自分たちのラグビー、そしてスクラムを展開する。圧巻だったのは前半14分の自陣トライライン前での相手ボールのスクラム。絶体絶命のピンチの中で、しっかりと相手に圧力を掛け、スクラムハーフにボールを入れさせることさえさせなかった。
そして、その強さはフロントローの全員が入れ替わっても変わらなかった。後半31分にも相手ボールのスクラムを押し切ってボールを奪いトライにつなげる。トヨタVが主力を投入しても力の天秤は、静岡BRに傾いたままだった。
「チームのテーマは80分間をとおしてプレッシャーを掛け続けること。それは相手にしたらすごくイヤだろうし、僕たち先発陣はあとから出てくる若手が頑張っているので、『もっと押さないと』ってプレッシャーになっています」と、日野はチーム内競争がより自分たちの特長を増強させていると笑った。
あらためて日野に静岡BRにとってスクラムとは何なのかを聞いた。
「うまくいかないときに立ち返れる強み。それがわれわれのスクラムやモールだと思っています。今日もうまくいかない場面がいっぱいあったんですけど、スクラムでずっとプレッシャーを掛け続けたことで、自分たちのリズムにできました。でももっと押せるし、もっとエラーをなくせば、もっと上を目指せる。もっと突き抜けて押していきたいと思います」
(斎藤孝一)
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