びわこ成蹊スポーツ大学から初の女子ハンドボールトップリーグの選手輩出〜大阪ラヴィッツにつなぐ想いとは〜

びわこ成蹊スポーツ大学
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大阪ラヴィッツへの入団を内定した稲葉さん(左)と阿川さん(右) 【©びわこ成蹊スポーツ大学】

 2024年に全日本インカレベスト8と創部5年余りで輝かしい成果を上げた、びわこ成蹊スポーツ大学女子ハンドボール部の阿川若奈選手(スポーツ学部・4年)と稲葉晴香選手(スポーツ学部・4年)が、国内最高峰のハンドボールリーグ であるLEAGUE Hに所属する大阪ラヴィッツに入団した。同大学の躍進に貢献し、大阪ラヴィッツに入団した阿川選手と稲葉選手のこれまでの道のりと大阪ラヴィッツで成し遂げたいビジョンについて取材した。

1.サッカーが二人の共通点

 「残念なことに中学には女子サッカー部がなかったんです。球技が好きで、サッカーに似ているハンドボール部に入ったことが今の私に繋がっています」と阿川選手はハンドボールとの出会いを振り返った。最初はプレイヤーとしてフィールドに立っていた阿川選手だが、中学時代から身長が高く、フィジカルがしっかりしていたことから、1年の夏にはキーパーに転身した。「私も中学までサッカーをしていたんですが、園田学園高等学校のオープンキャンパスでハンドボール部の練習を見たときに一目惚れをしたんです。私立は学費の面で負担がかかるのは分かっていましたが、どうしてもここでプレーをしたいと親にお願いして入学させてもらいました」と稲葉選手もハンドボールとの出会いを振り返った。ハンドボールは小学校や中学校からプレーをしていたプロ選手が多い中、稲葉選手は高校で基礎を固めて、同大学の女子ハンドボール部の池本監督の下でプレーしたことが実業団の選手となるターニングポイントとなった。

2.池本聡監督との出会い

 「池本監督が入学の決め手でした」と、2人はハンドボールを続ける場所として、同大学を選んだ理由を話す。池本監督は母校である大阪体育大学でコーチを務め、8年目でインカレ初優勝を経験。その後、大阪学院大学で監督に就任し、7部にいたチームを立て直し、2年半で1部入れ替え戦まで行くチームに成長させた。また、実業団の監督として、全日本実業団選手権大会で連覇した経歴を持つ。同大学の監督には2019年に就任。阿川選手は池本監督について、「監督としての指導歴もすごいんですが、監督は一人ひとりの選手をよく観察されていて、選手個人の性格に合わせた指導をされます。理解するまで時間をかけてくださる指導から多くの学びを得ることができました」と自身の成長に繋がった指導方法について語った。稲葉選手は池本監督がよく口にしていた『自分に妥協しない』という言葉に支えられ、ここまで頑張ることができたという。

3.大阪ラヴィッツにつなぐ想い

 大阪ラヴィッツに入団して2ヶ月が経過し、大学と実業団の違いを実感している。ボールのスピードやフィジカルの強さ、正確なシュートを目の当たりにし、今まで大学生相手に通じていたことがトップリーグの選手には通じないことに、分かってはいたが悔しさを覚える日々を送っている。「まずは認められてユニフォームを受け取ることが最初の目標」と話す2人。
 大阪ラヴィッツのスローガンは『「想いをつなげ」とボールが言う。』であることから、2人に今後どのような想いをつないでいくかを聞いてみた。阿川選手は、「私は大阪で生まれ育ったので、試合に勝つことで大阪のハンドボールは強いと信じているファンの想いをつないでいきます」と勝利でファンの想いをつなぎたいと語る。稲葉選手は、「今まで支えてくださった方々の想いや、監督の『自分に妥協しない』という教えを想いに変えて、これからもハンドボールをプレーしていきたい」と話し、期待する皆の想いをつなげていく意志の強さが溢れていた。つないだ想いを形にできるように、2人の成長に期待したい。
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著者プロフィール

2003年に開学した我が国初で唯一の「スポーツ」を大学名に冠したパイオニアが、その役割を全うすべく、「スポーツに本気の大学」を目指し「新たな日本のスポーツ文化を創造する大学」として進化します。スポーツを「する」「みる」「ささえる」ことを、あらゆる方向から捉え、スポーツで人生を豊かに。そんなワクワクするようなスポーツの未来を創造していきます。

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