【川崎フロンターレ】個人プレビュー / 全選手 徹底解剖❶【DF&GK編】

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チーム・協会
【これはnoteに投稿されたSpot@Jサポさんによる記事です。】

はじめに

 はじめまして!「Spot@Jサポ」と申します。

 J1リーグ全試合のクイックプレビューの執筆と、スポーツくじWINNERの本気予想を通じて、「サッカーをより深く味わい、より楽しく共に生きる」をモットーにJリーグを堪能しています。

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 『川崎フロンターレ どこよりも詳しいシーズンプレビュー』に続き、各選手のごとの「起用ポジションマップ」「論評」を全選手分まとめた『個人プレビュー・全選手徹底解剖』を書いていきます。

 前編・後編の2部構成、まずはDF&GKを特集です。

 MF&FW編はこちらからどうぞ↓
公開は2/11(火)12時頃を予定!
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 参照となるプロフィールについても簡単に記載し、本編に移りたいと思います。

筆者の略歴

●選手歴
 -15年、引退済

●指導歴
 -かじった程度ですが数年間
 -有難いことに、S級所有でJ監督経験のある「ゾーンディフェンス」への理解の深い某指導者のアシスタントを経験しました

●川崎フロンターレに関して
 -昨シーズンの全試合をウォッチ
 -今季は沖縄キャンプにてTMを2試合観戦

 『川崎フロンターレ どこよりも詳しいシーズンプレビュー』をご覧になってない方は、こちらも併せてお読みください↓

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それでは以下、本編です!

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【センターバック】

DF 2 高井 幸大

【Spot@Jサポ】

 昨年日本代表に選出された、J1ベストヤングプレーヤー。ポテンシャルは誰もが認める高井だが、強みと課題が明確なところからまだ若さを感じる選手とも言える。特に、昨シーズンには中央を空けてサイドのボールや相手選手を飛び出して潰しにいく時の判断や、飛び出した後の対処には拙さが見られた。
 詳細は省くが、キャンプのTMでは成長傾向が見られたので、今季は高井が化ける年になってもおかしくない。「どこを基本として守り、いつどのようにプレッシャーに出るか」というのは長谷部フロンターレのゾーンディフェンスによって特に整理されていくところであり、これが整理されていけば高井はより強さを発揮できるようになるだろう。世界へ送り出す前の、最終仕上げの一年へ。

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DF 4 ジェジエウ

【Spot@Jサポ】

 守備範囲の広さ、競り合い・跳ね返しの強さが魅力のCB。足下が上手い印象を持たれていないが、実は運び出して相手を引きつけるドリブルをする意識が持てており、ビルドアップにおいても貢献できる。過去数年においては負傷による離脱期間が長かっただけに、稼働率の低さが懸念されていた中、キャンプで再負傷。負傷後数試合はコンディションが上がりきらないような感覚も過去のシーズンでは感じられた。負傷からのスタートは痛いが、怪我がなければ1番手候補筆頭と言える選手なので、以降は怪我なくコンスタントな貢献を期待したい。

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DF 35 丸山 祐市

【Spot@Jサポ】

 元日本代表のレフティCB。対峙するCFに対しての競り合いや駆け引きの強さ、巧みさに特徴を持ち、左足でのフィードも良いものを持っている。副キャプテンとして、長谷部監督のゾーンディフェンスを体現するために必須であるコーチングでの貢献を期待しつつ、持ち前のキャプテンシーでチームを引き締める存在であってほしい。
 課題としてはボール保持時、ビルドアップの場面での振る舞い。ラインん超えるドリブル、相手を引きつけるドリブルのいずれにおいても昨季はなかなかトライができず、ビルドアップにおいて出口を見つけられないシーンが見えた。左足のキックを活かす上でも、前線の選手に時間とスペースを渡すための振る舞いをビルドアップにおいてトライしていって欲しい。

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DF 7 車屋 紳太郎

【Spot@Jサポ】

 SBとして日本代表に選ばれた後、CBにコンバートした経緯を持つ選手で、全要素の能力が一定水準以上に高く、卒なくプレーができ、安定したパフォーマンスが売りの選手。特に、ボール保持・ビルドアップにおいては、長短のパスを精度高く出せ、相手の1stプレッシングのラインをドリブルで超えるプレーにも取り組める、安心してボールを預けられる選手。
 近年は怪我に悩まされ稼働が悪く、復帰しても復帰直後はフィジカルコンディションに不安が見られるなど、思うようにプレーができていない。33歳になるシーズン、今後数年を占う一年になる。再起を図りたい車屋はキャンプでは上々のスタートを見せた。大きな怪我なく、左CBの競争を活性化させ、ピッチでの活躍でその価値を"最証明"したい。

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DF 44 セサル アイダル

【Spot@Jサポ】

 コロンビアからやってきたロマン溢れるレフティCB。身体能力の高さをベースの強みとし、競り合いやカバーリング、インパクトの強いグラウンダーパスなどを武器とする。
 一方で、昨シーズンは自身の良さをうまく活かしきれず、プレー選択にムラがあり、失点に絡む機会も少なくなかった。日本サッカーへの順応なのか、プレーする際の頭の整理が必要なのか、問題の要因はわからないが、能力の高さを活かすためのインテリジェンスを磨けば、覚醒の可能性もある選手。言語の問題や、コンディションの問題もあるだろうが、うまくチームでサポートをして、ピッチでの存在感を引き出したい。

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DF 27 神橋 良汰

【Spot@Jサポ】

ユース所属時には世代別代表も経験し、トップ昇格も期待されたが、早稲田大学に進学。期待の大型レフティCBが帰ってきた。特徴は、190を超える身長を武器とした競り合い・跳ね返しの強さ、左足から放たれる長短の鋭いパス。セットプレー時の得点源としても期待したい。守備時の立ち位置や飛び出す判断については伸び代があるだろう。いい意味で、その「重さ」「力強さ」を売りにするタイプなだけに、捕まえるべき選手を謝ったり、飛び出すタイミングや目測を誤ると、空ける穴が小さくない。ビルドアップにおいては、足裏を使いながらボールを扱うなど、器用さも垣間見える選手だが、運び出すドリブル・引き付けるドリブルを使えるようになれば、代表も狙えるポテンシャルを秘める。高井と共に、長谷部フロンターレでの成長を見たい選手の1人だ。

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DF 39 土屋 櫂大

【Spot@Jサポ】

 ユースから昇格した右利きのCB。身長は181と、本職CBとしては決して大きくはないが、速くて強いCBとして、世代別代表に飛び級で選ばれる程の実力者で、期待の声も大きい。イメージとしては、FCバルセロナの18歳、クバルシを彷彿とさせる。守備における対応の巧みさと細やかさを持ち、守備範囲の広さ、球際の厳しさも充分。ボール保持時、ビルドアップにおいても、川崎ユース仕込みの安心して見ていられるボールの扱いと、細かくポジションを取り直す意識の高さがあり、ドリブルを使ってビルドアップの「出口」にもなれる選手。フィジカルに関してはこれからまだまだ伸び代があり、より力強さを増して、将来的なA代表を期待したい程のポテンシャルを備えている。

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【サイドバック】

DF 13 三浦 颯太

【Spot@Jサポ】

 外せない選手の1人だ。トップスピードの速さはもちろん、0→100までの加速の速さも素晴らしく、対峙するDFを置き去りにしたと思えば、左足から高速・高精度のボールを供給できるSB。大外のレーンでのランニングとクロスボールに加え、内側でのプレーも質が高く、大外に張ったマルシーニョにスペースを与えつつ、好機と見ればチャネルへのランニングで裏抜けを図りフィニッシュまで繋げられるのも強み。守備においては、スピードを活かしたプレスバックの速さ、球際で無理が効く身体能力の高さを活かして貢献できる。
 一方で、課題も存在。守備対応において、逆サイドから入れられるクロスに対し、ファーで対応する場面では、立ち位置、または目測を誤り簡単にシュートを打たせてしまうシーンが散見される。上下動が多いキャラクターなだけに、自陣ゴール近くで繊細な対応を続ける難易度は高いが、もう一つ上のステップを目指す上では習得したい。課題が解決されれば、A代表への復帰も近い。

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DF 31 ファン ウェルメスケルケン 際

【Spot@Jサポ】

 逆輸入SBらしい、モダンな振る舞いのできる選手だ。攻守において戦術的な貢献が高い。攻撃においては、タッチライン際でボールを受けた際、少ないタッチでプレーをすることもできるし、体・腕の使い方が上手いので相手が近くともうまくボールを隠してキープ・脱出もできる。サイドハーフとのコンビネーションも卒なくこなせる。三浦と同様、内側でのパスレシーブ・チャネルへのランニング、大外レーンでのオーバーラップを自然に使い分け実行できる点も現代的なSBとしては評価したい。守備でも、相手ボールホルダーに対してタイトに距離を詰め、危険な場面ではきちんと体をぶつけられる守備対応は意外とできる選手が多くないので、欧州基準を感じさせる。また、左右両方をこなせる点も、やはりポイントが高い。
 一方課題は明確で、70分を過ぎたあたりから心身が乱れやすく、レイトチャージでカードをもらったり、ポジショニングを取るのが遅れたりするなど、プレーの質に影響が出てくる。鬼木監督もプレー時間を制限していたが、右SBの控えが少ない現状、CBから佐々木、ボランチから橘田をスライドさせる形で際が交代した後をマネジメントすることになり、全体のバランスに影響を及ぼしかねない。この課題が、スタートから起用することに躊いが生まれたり、佐々木の起用法に制限が出たりと、彼のポテンシャルを活かしきれないポイントとなってくる。タレントが良いだけに、長谷部監督の手腕が試される。

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DF 5 佐々木 旭

【Spot@Jサポ】

 昨季は大車輪の活躍を見せた、Spot的フロンターレシーズンMVP。SBを本職として加入したが、大学時代にはCBとしても出場経験が豊富で、バックライン全般をこなせることは折り紙付きではあった。そんな中、昨季は怪我人の多いイレギュラーな状況でCBメインとなり、本格的にCBとして大成。佐々木がいるかいないかで、チームとしてボールを前進させられるかが大きく変わると言える程の貢献量。大きなスペースがあれば自らドリブルでラインを超えられるし、硬直した状況下でも対面のDFに向かってドリブルを行い相手を引きつけ周りの味方をフリーにさせられる。常に選択肢を複数持ちながらドリブルで前進できる彼の良さは、ホーム浦和戦でのゴールからも良く読み取れる。守備での貢献も計り知れず。上背はそこまでないが、タイトに競ることもできる上、スピードも充分、体も無理が効くので1対1の局面やカウンター対応においてきっちり仕事ができるのが凄み。
 今季はSBでの出場時間が増えそうだが、佐々木の良さを出すにはこちらもうってつけのポジションと言える一方で、本音は「佐々木旭をCBとSBの両方で使いたい」「佐々木が2人欲しい」だろう。昨年SBで出場した試合では、攻撃面での出来ることの多さを体現していた。大外でも、内側でも巧みにプレーができるのは三浦・際同様で、彼らよりも上下動を回数多くこなせる。ボールをうまく隠したり晒したりしながら相手を引きつけることが得意なので、家長とセットで組んだ時には周りの選手に多くの時間とスペースが生まれ、チームとしてのフィニッシュの回数が増えるだろう。また、彼が日本代表でポジションを得る可能性があるとすれば、CBよりもSBの方が見込みが大きい。そんな彼の意向を尊重したのかもしれないが、実際の起用位置はチームの台所事情次第となりそう。いずれにせよ、今季の最重要選手の1人だろう。

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DF 15 田邉 秀斗

【Spot@Jサポ】

 静岡学園産の快速SB。スピードを活かしたダイナミックな攻撃参加と、相手への素早いアプローチ・タックルが持ち味。ジェフへのレンタル期間や高校での経験では、CB、右SBをこなしてきており、川崎での基本ポジションとなる左SBと合わせてバックライン全ポジションのバックアッパーとしてスカッドを補強する立ち位置。
 昨年は出場時間が少なく、プレーした時間においても課題が目立つ格好となった。足は速いが、スピードの使い方が洗練されておらず、守備面においては、タイミングを誤ったタックルで相手の怪我が心配になるようなプレーも見られた。勢いよくボールに出れる自信があることが裏目に出て、タイミング悪くアプローチをかけて背後を取られる場面も見られる。長谷部監督の元でうまくチューニングをして強みが生きるようなスタイルを確立したい。
 サイドハーフでの起用もオプションとしては考えられている。SBでもSHでも、ボールを持った時の振る舞いには改善の余地あり。ボールを動かしながら、相手に向かいながらのプレーへのトライが少なく、ボールを受けた場所で静止した格好でのプレー選択が多い点は勿体無い。また、左足でのキックに課題があるため、左SBで出場した際に選択肢が限られ、ハメどころとして狙われやすくもある。プレーの幅を増やしつつ、プレー判断の質を向上させて、飛躍の年にしたい。

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DF 30 野田 裕人

【Spot@Jサポ】

 静岡学園から新加入の右SBで、ボールコントロール、キックの技術の高さから静学のDNAを感じさせる。また、スペースの見つけ方、使い方、入り方が上手い選手で、敵陣深くの狭く密集した局面でもスルスルっとスペースを見つけて自分や味方のアクションのきっかけになれるセンスは類稀なものと言える。技術とセンスを買われ、キャンプではSBだけではなく一列高い位置での起用も行われたように、期待も感じられる。
 一方、フィジカル面に関してはやはり発展途上。J1でいきなり出場機会をコンスタントに得るには、主に守備面でのパフォーマンス改善のために、正しい場所に戻るための走力と当たり負けしないフィジカルに磨きをかけたいところ。プロでのサッカー生活に慣れつつ、強みを仕上げ、弱みを埋めていきながら、出場機会を狙っていく一年になるだろう。先ほど触れた技術・センスこれは練習して身につくものとは違い、キャリアに渡って武器になる点と言えるので、川崎が逸材として目をつけ、育成を買って出たのは納得。大島僚太以来、高卒選手の育成には苦労している節もあるが、ぜひ川崎で大成した野田を見たい。

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【ゴールキーパー】

GK 1 チョン ソンリョン

【Spot@Jサポ】

 「勝ち点に直結するシュートストップを今年も見せれるか」が、今年のソンリョンを評価するポイントになる。クロスへの対応、近距離の1対1では所属GKの中では抜群。中距離のフィードも改善傾向にあるが、GKを絡めたビルドアップに本格的に挑戦するには難しさがあるため、出場した時にソンリョンに求めるのはとにかく「セービング」だろう。

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GK 98 山口瑠伊

【Spot@Jサポ】

 ゾーンディフェンスの肝となる「後方からのコーチング」を極めることが、定位置確保を後押しするだろう。セービングも良いものを持つが、ソンリョンと比べると絶対的な安心感に欠ける。しかしながらピッチに立った時の振る舞いからはオーラが感じられ、大物になる器のあるGKと感じさせる。ビルドアップの改善にもトライしつつ、山口にしか出せない強みを身につけて1番手に名乗り出たいところ。

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GK 21 安藤 駿介

【Spot@Jサポ】

 チームを最も長く知る選手の1人。キャンプのTMでは、ファンサの際には毎回声がひどく枯れているほど、コーチングにこだわっていた。かつてはオリンピック日本代表として期待された存在。スローイングでのチャンスメイクはフロンターレGKでも唯一無二。課題としてはビルドアップにおける貢献、中距離のフィードの向上を進めたい。求めたいのは、まずとにかく出場機会を得て、安定したパフォーマンスを見せることだろう。主力陣に怪我やコンディション不良などのトラブルが起こった際、安藤らしく素晴らしい準備をしていれば、チャンスは必ずくるはず。精神的な支柱としても、欠かせない存在が、ピッチで勝利を呼び込む活躍を見たい。

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GK 33 イ クンヒョン

【Spot@Jサポ】

 韓国からやってきた高卒ルーキー。190を超える身長と長い手足を活かしたセービングと、ディフェンスラインの裏へ送られたボールへの鋭い飛び出しに特徴がある。ポテンシャルは充分も、怪我からのシーズンインとなったこともあり、今季はプロとしてのシーズンにうまくルーティンを作り、心身を充実させていくことを主眼として問題ない。兄貴分、というより父親のようなチョンソンリョンや金通訳の元で、輝かしいプロキャリアの一歩目を歩んでほしい。

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以上でDF&GK編は終了です。

過去の人気記事『川崎フロンターレ どこよりも詳しいシーズンプレビュー』や、

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今回の個人プレビューの後編となる『MF&GK編』(2/11 12:00頃公開予定)もぜひお楽しみください。

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