ラ・リーガ第２０節、ラ・レアル（レアル・ソシエダの愛称）はアウェイでバレンシアとの一戦に臨んだ。今季、国王杯こそベスト８に進出しているが、リーグ戦では2ヶ月勝ちなしで最下位と低迷のバレンシア。一方のラ・レアルは、サン・セバスティアン市民にとって最も重要な日であるタンボラーダの前夜祭を勝利で祝うべく、月、木、日曜日と中２日での連戦が強いられる中、敵地メスタージャを訪れた。

　イマノル監督はローテーションを採用し、国王杯ラージョ・バジェカーノ戦から７選手を代え５−３−２を採用。重心の低いラ・レアルに対し、高い位置からプレスをかけるバレンシアは効果的なショートカウンターを繰り出しラ・レアルゴールへと迫る。ラ・レアルはオスカルソン、ベッカーの２トップが好機を得るが、間延びした選手間の距離もあってか攻撃に厚みをもたすことができない。１０分にはベッカーの右からのクロスを中央のオスカルソンが合わせられず、先制点は生まれなかった。

　２６分、バレンシアが先制点を挙げる。DFフルキエのシュート性のボールをファーサイドにエース、ウーゴ・ドゥーロが反応し、ダイレクトでこれを押し込む。オフサイドも疑われたが、VAR確認後に正式にゴールが認められた。３２分にはコーナーキックからパチェコが絶好期を迎えるがボールを押し込むことができず、同点弾が遠いラ・レアル。この状況を打開するため、後半へ向けて早くもバレネチェア、オラサガスティがウォーミングアップを開始し、1ー０で前半を終えた。

　ハーフタイム中に前半終盤に警告を受けたパチェコに代え、オラサガスティを投入したイマノル監督はシステムを慣れ親しんだ4ー３−３に変更。前がかりとなったラ・レアルはゴールに迫るが、リードを奪ったバレンシアは人数をかけスペースを消しゴール前の守備を徹底する。攻めあぐねるラ・レアルは６２分にバレネチェア、久保を投入し攻撃のギアを上げる。この交代により単調だった攻撃に連携で崩すシーンが見られるようになり、バレンシアを押し込んでいく。

　時間の経過とともに、守ってカウンターというバレンシアのシンプルな戦術に苦しめられるが、守護神レミロが立ちはだかり追加点を許さない。７４分に得点を目指し、はオヤルサバル、スチッチがピッチが交代出場する。久保も積極的にドリブルを仕掛けるがエリア内に多くの選手を配置する守備陣を崩しきれない。その後も、徹底した守備も見せたバレンシアが虎の子の一点を守り切り１１月２３日以来となるリーグ戦での勝利をあげた。

次戦は２３日、敵地ローマでELラツィオ戦に臨む。リーグステージも残すところ２試合。現在１２位のラ・レアルは５勝１分で首位を走るイタリアの強豪相手に勝利し、決勝トーナメントにストレートインとなる８位以内を目指す。