三重ホンダヒート戦、鈴鹿でのデッドヒートを制す
この試合で公式戦初出場となったヴァンジーランド選手は、持ち前のワークレイトを見せラインブレイクやキックキャッチで活躍した 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
緊迫の80分、3度目の逆転を守り切り競り勝つ
本来は同着や引き分けを意味する言葉だったが、日本では猛烈な接戦や抜きつ抜かれつの激しい競り合いといった意味として使われる。
第3節三重ホンダヒート戦は、まさに後者の意味の強い一戦だった。互いにリードを奪い合うこと実に7回。試合終了5分前の木田選手のトライが決勝点となり、クボタスピアーズ船橋・東京ベイは32対27でヒートに競り勝った。
やや強めの風が吹く鈴鹿、スピアーズボールでキックオフした前半から、ヒートのアグレッシブなディフェンスに苦しんだ。
前に出るディフェンスと、接点やイーブンボールへの体を張った相手チームのプレーで前に出られない時間が続く。
スピアーズはこれまでの試合で途中出場からインパクトを与えていたマルコム選手、オペティ選手、紙森選手を先発に置き、前半のリードを狙いたいところだが、このヒートの厳しいプレーにリズムを作ることができなかった。
ただ今シーズン初出場となった根塚選手のタックルや、公式戦初出場のヴァンジーランド選手の前進で相手の反則を誘ったスピアーズは9分にペナルティゴールにより先制する。
ただヒートも負けずに折り返しのリスタートからトライを決め、スピアーズは追う展開に。20分にはフォワードの前進力の要ともいえるオペティ選手が負傷交代し、嫌な流れが続いた。ここで存在感を発揮したのが南アフリカ代表マルコム選手だ。
24分にマルコム選手のジャッカルで反則を誘うと、ゴール前ラインアウトからモールフェイントを使ったプレーで藤原選手がトライし逆転。
その後もマルコム選手とタイラー選手のダブルタックルにより自陣を脱出してゴール前のチャンスを作ると、フォワードがまっすぐとモールを押し込みマルコム選手がトライを決めて点数を15点とした。
前半終了間際には相手15番にトライを許し、リードを3点としたところで前半が終了。風下のなかなんとかリードして折り返すことに成功した。
前半の要所で存在感を見せたマルコム・マークス選手 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
だがここから約10分はヒートがペースを握る。後半8分と14分に連続トライを奪われ、スコアは18対24で6点を追う展開に。
依然としてヒートの厳しいディフェンスは続きリズムに乗れない中、スピアーズはフォワード戦で優位に立ち、徐々に前に出る。23分にはスクラムでのペナルティからモールで前進、バックスに離すとリカス選手がトライを決め、コンバージョンゴールも決まり、1点をリードした。
ただ直後には自陣でペナルティを犯し、3点を追加され再度追う展開に。試合終了10分を残してデッドヒートの試合展開となる。
時間が経過する中、やや焦りの見られるスピアーズはかみ合わない展開でミスを連続し得点に繋がらない。
苦しい時間帯で両者我慢比べとなった残り時間、スピアーズは2分間にも及ぶ長い1プレ―を制し、ここまでディフェンス面でハードワークを見せていた木田選手が左サイドから2人のタックラーをかわしてトライを決めた。その後のコンバージョンも決まり、32対27とこの日3度目の逆転に成功する。
最後まで逆転を目指し食らいつくヒートに対し、粘り強くディフェンスをしたスピアーズは、相手反則を誘ってショットを選択。後半40分を告げるホーンの直後に蹴ったフォーリー選手のキックは決まらなかったものの、ボールはデッドボールラインを超えて試合終了となった。
木田選手のトライに繋がった力強い突破。この試合はこのトライ以外でもタックルやキックでのコンテストなどで体を張った貢献を見せた。 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
昨シーズンの同カード同会場でのスコアは75対0でスピアーズが勝利している。だがスピアーズは昨シーズン接戦を落として順位を下げた経験も持つ。
互いに過去の苦い経験から学び、今日の試合を迎えた両者。どのチームも成長しながら、さらにハイレベルな争いとなる今シーズンは全試合に気が抜けない。
スピアーズの次戦は、1月12日(日)に東京サントリーサンゴリアスと対戦する。
マキシ選手はこの試合でトップリーグ&リーグワン通算50試合出場を達成した 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
末永選手はこの試合でチーム通算100試合出場を達成した 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
今季初出場となった根塚選手、後半交替となったが持ち前の粘り強いランやタックルなどを見せた 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
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次戦ホストゲームは1月18日(土)リコーブラックラムズ東京戦、イベント情報やチケット情報、見所などは以下のリンクをご確認ください 【クボタスピアーズ船橋・東京ベイ】
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写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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