【Road to Rice Bowl 78 富士通編③】取り組んできた「シチュエーションフットボール」の浸透でライスボウル4連覇へ

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富士通フロンティアーズの山本洋HCは今季しばしば、「シチュエーションフットボール」という言葉を口にする。フットボールの試合の中で刻々と変わる状況に応じて、何をするべきか、何をしてはいけないかということをフィールド上の選手全員が正確に判断してプレーするという考え方だ。

例えば、ディフェンスが相手チームのオフェンスをサードダウンロングのシチュエーションに追い込んだとする。しかし、次のプレーでパーソナルファウルなど相手にファーストダウンを献上してしまうような反則を犯せば意味がなくなる。そのため、サードダウンロングの場面では反則を犯さないように意識しながらプレーをするということシチュエーションフットボールの考え方だ。

富士通フロンティアーズの山本洋HC 【X LEAGUE】

「サードダウンだけではなく、オーバータイムではどうするのか、タイムアウトはどうとるのか、1ミニッツオフェンスでクオーターバックサックされたらどうするかというようなことを、コーチたちがわかっていればいいのではなく、選手がフィールド上で理解していることが大事」と山本HCは言う。

IBMのQBにパスラッシュでプレッシャーをかける富士通ディフェンス陣 【X LEAGUE】

以前からコンセプトとしては持っていた「シチュエーションフットボール」の考え方だが、今季は春から練習でも場面を想定して実践してきたという。浸透具合は70~80パーセントくらいだという。

「ゲームに(気持ちが)入り切っているときにできなくなる選手もいるが、勝敗を分けるポイントになるので大事にしなければいけないと思う」と語る。

過去3年のパナソニックとのライスボウルはいずれも第3クオーター終盤から第4クオーターにかけて決着した。どれも僅差でわずかな判断ミスが致命傷になりかねない。富士通はシチュエーションフットボールの完成形で4年連続の日本一を狙う。
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