【Road to Rice Bowl 78 富士通編①】「深化」を遂げる選手層 誰もがプレーメーカーになる王者の戦い方
エースクオーターバック(QB)高木翼は今季はケガに苦しむこともなく、安定したパスを抜群の判断力でオフェンスの司令塔を務めた。過去2年連続でXリーグのMVPに輝いたランニングバック(RB)トラショーン・ニクソン、今季はキックリターンでも4タッチダウンをマークしたワイドレシーバー(WR)サマジー・グラントらは健在で、圧倒的な強さを見せた。ディフェンスもディフェンスライン(DL)宇田正男、ジョー・マシスを中心に1試合あたりの平均失点が7.3点(リーグ1位)という堅い守備を実現した。
こうした選手は昨年までもチームに在籍し、貢献してきたが、今季はこれまで以上に目立った活躍をしている。50傑からは漏れたがWR神優成はダイナミックなオーバーショルダーキャッチを何度も見せた。ディフェンスではブロンソン・ビーティー、二宮政樹の台頭があった。
選手層の厚さは富士通のタッチダウン量産にもつながっている。秋季リーグ戦で1試合8つ以上のタッチダウンをあげた試合は、半数の3試合を数える。山本HCは「もう富士通とは戦いたくない、と思われるようなチームを作るのが理想」と言うが、選手が入替っても得点力が落ちない現在の富士通はその理想形に着実に近づいているのかもしれない。
かくして富士通は3年連続で秋季リーグ戦を全勝で終え、プレーオフ・ライスボウルトーナメントを迎えるのである。
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